環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。 | |||
11月末からパリで開催されるCOP21を前に、最後の作業部会がボンで開催されている。しかし会議冒頭から、提案された草案に対して、途上国から資金支援不足や責任所在が不明など、途上国の意見が反映されておらずバランスを欠くといった批判が出ているという。
先進国と途上国の対立は常にあった。 しかし、京都議定書が採択された当時は、途上国の排出量は全体の20%程だったものが、今では60%に達するほど増加していることや、途上国でも先進国でも既に気候変動に伴う被害が常態化していることを考えれば、全ての国が責任を負う新たな枠組みが不可欠であることは言うまでもない。そうした理屈は分かっていても、実際の交渉になると、各国のエゴが出てくるのは国際交渉の常である。 しかし、そんなことを言っているうちに10年20年が経過し、気候変動に伴う被害は増大し続け、被害に苦しむ市民も増えている。 先日某紙で、明日香東北大学教授がシリア難民の増加と気候変動の関係を述べていた。 実際、干ばつや自然災害により農業生産が不能になり、食糧危機が難民の苦しみを増長しているのも事実である。 これまでの累積に加えて、上記のようなことを考えれば、これまで豊かさを享受し、温暖化の原因をつくった先進国が途上国に対して配慮するのは、公平性など倫理的観点からすれば当然である。 国内では、目標値や資金援助の話が中心だが、全ての国、全ての人々、そして全ての将来世代に係るこの問題を解決するには、その根底にある、人としての「正義」や「公平性」といった哲学なくして解決の道はないようにも思う。 そんなことをテーマに、10月27日の午後、「気候変動時代をどう乗り越えていくか~パリのCOP21へ、そして、それからを生き抜くための知恵~」と題したシンポジウムを開催する。 是非多くの方にご参加いただき、人間の知恵、倫理の観点から、解決の糸口を見出して頂きたいと願っている。 参加のお申し込みはこちら
by JAES21
| 2015-10-20 17:30
| 藤村コノヱが斬る
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