人気ブログランキング | 話題のタグを見る
                 
  環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

環境権の行方
自衛隊の海外活動の拡大に関する議論が加速され、法案提出も間近になり、日本の安全保障政策が次の世代に大きな禍根を残すのではないかと、気がきではない毎日が続く。

その一方で、もう一つの安全保障の要である環境の悪化、特に気候変動対策に関して、現政権は全く関心を示さず、このままでは、本当に人類社会の将来が危ぶまれる状況にある。

そうした中、昨日付毎日新聞で、公明党が選挙公約で掲げている環境権の加権を除外する検討に入った旨報じられた。
環境権とは、「国民が良好で快適な環境で健康に生活するための権利」であり、新たな人権として掲げられていた。
公明党が除外する理由は、経済成長への支障の可能性、個人主義を助長する恐れなど、社会的秩序混乱への懸念だという。

実は、環境文明21では、十年来、公明党の言う環境権とは異なる、より広い視点から人類社会の持続性を確保するための「環境原則」を憲法に、という運動を展開してきた。しかし、安倍政権の下でこれを進めることは非常に危険であるとの判断から、現在は積極的な働きかけはしていない。

前述の安全保障に関して、「本当に平和の党なの?」と思うほど自民党に譲歩してしまった公明党が、これ以上、早期の憲法改正を目指す自民党に取り込まれまいとして、「環境権」の除外を検討しようというのであれば、納得も行く。

まさか、「環境政策が経済に悪影響を及ぼす」などという時代錯誤の間違った認識はないと思うが、もし仮に、経済成長への懸念という理由だけで、1990年代から掲げてきた象徴的政策を断念するようであれば、かつて環境政策に熱心で様々な環境政策を実現してきた公明党の存在価値はますます薄れてしまう。

野党が情けない現状では、日本の平和も環境政策も、政治の世界では公明党に頑張ってもらうしかない。自民党に取り込まれることなく、与党ボケすることなく、将来世代に対して重要な使命を課せられていることを肝に銘じ、公明党の真髄と気概を見せてほしいと切に願う。
by JAES21 | 2015-03-24 17:25 | 藤村コノヱが斬る
<< 気候異変が招く紛争 安全装置の外れた世界に生きる >>



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
カテゴリ
全体
会報巻頭言『風』
加藤三郎が斬る
藤村コノヱが斬る
共同代表が斬る
はじめにお読み下さい
未分類
以前の記事
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧