環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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負のレガシーにならないように
オリンピック・パラリンピックの開催地問題がメディアでも盛んに報じられている。

元々今回の開催については、開催の意義、開催時期、費用、そして利権問題などもあり、環境NPOの間では歓迎の声は少なかった。

しかし決まった以上は、少しでも、環境配慮型の持続可能な社会づくりに役立つものにしてほしいと思っていたが、これまでの流れを見ていると、どうもそうではないようだ。

まず開催時期である。
気候変動が深刻化する中、真夏の開催はあまりにリスクが多すぎ、選手や観戦者に熱中症などで死者が出るのではないかという懸念である。ミストの散布や舗装の工夫などが検討されているようだが、それだけで解決するほど簡単なものではないように思う。死者が出た場合、だれが責任を取るのかも心配である。
この件については、まさに放映権が絡んで真夏の開催になったそうだか、元環境大臣の小池都知事はもとより、時期をずらそうという声はどこからも聞こえてこない。

費用の問題も然りである。
6月末時点で、国の借金1053兆円、国民1人当たり830万円という日本。どこに新しい施設を、しかも開催後は負の遺産になりそうな施設を次々に作るという余裕があるのか不思議である。そんなお金があるのなら、道路が陥没したり、豪雨で下水管があふれ町が浸水したりしないよう、老朽化したインフラの整備、気候変動時代にも適応できるようなインフラの整備に費やしてほしいものだ。
しかし、そうはならないその裏には、無責任体質の他、やはりこのことで大きな利益を得る人がいるからだろう。

4年に一度のオリンピック。選手にあこがれ、夢を持ち、頑張る子供もいるだろう。選手の活躍が人々に多くの感動や勇気を与えることも事実である。
しかし、その裏にある現実、アスリートファーストではなく権力や利権優先の現実があることも、私たちはしっかり認識し監視する必要があると思う。

「レガシー」とは遺産という意味だが、今のような流れでは、2020年のオリンピックは、次世代に「負の遺産」を残す可能性の方が大きいのではないか、という気がしてならない。
「決まったことは変えられない」ではなく、次世代に真の「レガシー」を残すために50年100年後を見据えて、施設建設や運営方法を考えてほしいものである。


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by JAES21 | 2016-11-29 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
灼熱化、気候異変に変えたら

今から27年前の1989年、私は環境庁の国際課長の職にあったが、その時から今日の地球温暖化や気候変動問題への取り組みを環境行政の課題として開始した。その前年には、国連(WMOとUNWP)は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)という専門パネルを設置して、活動を開始していたからである。当時、世界の専門家は、英語では地球温暖化をGlobal warming と表現し、気候変動はClimate Change と書き表していた。当時はまだ、IPCCに集う専門家の間でも、本当に地球温暖化が発生しているのか、あるとしても、それが、人間の経済活動に起因しているのかについては、異論も多く確定していないかった。

しかし、気候変動に関する研究成果やデータが着実に積み上がってくるにつれて、今日、温暖化は疑いなく進行しており、その原因も人為活動によることが確実となり、昨年、190を超すすべての国によって合意されたパリ協定においては、原因物質であるCO2などの温室効果ガスの大幅削減を実施し、今世紀後半においては「実質ゼロ」とすることまで明記された。

このように厳しい目標を掲げ、削減をすべての国に迫るまでになった背景には、IPCCによる着実な科学的・専門的知見の集積もあったが、それに加え、近年の激しい気候異変が地球上のいたるところで発生し、多くの人が現実に様々な被害を被っている現実があろう。最近の気候変動対策に関する国連会議(COP)で、巨大な台風やハリケーンあるいは海面上昇などによる甚大な被害を現実に受けている国々の代表の悲痛な叫びにも似た訴えが、豊かさに慣れた国々の代表をも明日は我が身と大きく動かしている。

このように考えると、従来、使い慣わしてきた「地球温暖化」や「気候変動」という表現は今のままでよいのだろうかと思ってしまう。

「温暖」という日本語表現は、危険を表すよりはむしろ、ポジティブで緩やかさを表し、また「変動」も変化と同様、中立的(ニュートラル)なニュアンスを帯びており、その語自体では危機や脅威を示していない。しかし、温暖化も気候変動も今や社会にとって重大な危機、脅威、となりつつある以上、例えば、温暖化は灼熱化、気候変動は気候異変と表現し直したら、どうであろうか。ついでに言えば、温室効果ガスも灼熱化ガスはいかがであろうか。

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by JAES21 | 2016-09-27 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
気候変動の犠牲者

今年に限ったことではないが、近年、気候の不安定や異常と思われる気象現象がますます顕著になってきた。

この夏、日本を襲ったUターン台風(台風10号)の動きなど、その典型例であろう。これまで考えられなかったところで、台風が発生し、そして、西にふらついて行ったと思うとUターンをして、強力な台風となり、岩手県に上陸し、青森を突き抜けて、北海道を襲った。まさに、これまで、経験のないようなコースを辿る暴れ台風であった。

このような異常な気象現象は、もちろん日本だけでなく世界の各地で発生している。私は、毎朝、衛星放送で主要国のニュース番組を見ているが、アメリカのABC放送などは、ほとんど毎日のように、アメリカ国内で発生している異常気象(竜巻、山火事、大雨・洪水など)を伝えており、ABCはまるで気象専門チャンネルになったかのように錯覚するほどだ。

このようなことは無論アメリカだけでもなく、本年6月には、フランスやドイツで、大洪水が発生し、少なからぬ被害をもたらした。パリを流れるセーヌ川が増水し、川岸に近いルーブル美術館は、収蔵品を安全な場所に移す必要に迫られたほどである。ルーブルだけでなくパリの地下鉄も浸水し、鉄道サービスが一時的に休止するほどになった。同じころ、インドでは熱波が襲い、50℃を超える気温になったとも伝えられている。

当たり前だが、日本であれ、どこの国であれ、ひとたび異常気象に襲われると様々な被害が発生する。人命が失われたり、住宅やビルが損壊したり、道路や橋、鉄道が流されたり、そして、農作物が大被害を被ったり。人の生活基盤が根っこから奪われ、復旧のための費用も膨大になる。私たちの記憶にまだ新しいのは、昨年9月、鬼怒川の増水で、破堤した茨城県常総市の甚大な被害がある。一年が経過したが、被害の傷はまだ癒えていない。

台風にしろ、竜巻にしろ、大雨にしろ、昔からあった自然現象であるが、近年は、そのパワーや頻度などの程度が誠に問題だ。その背後にあるのは、海水温の上昇である。それをもたらしているのは地球温暖化であるのは疑いようもない。温暖化対策をしようとすれば、様々にコストが掛かるが、その対策コストよりも被害によるコストのほうが数倍大きくなるというのが、専門家の一致した意見である。しかし、様々な被害が発生していることと温暖化対策の必要性とはなかなか結びつかない。今も起こっている各地の洪水や浸水の被害者も自然現象によって運悪く被災したと思う人は多くとも、人間が長いこと怠ってきた温暖化対策の不十分さにより、人命や財産の損失が発生していると明確に認識している、つまり、端的に言えば、不十分な気候変動対策によって犠牲者になっているという認識はおそらく少ないであろう。このことが温暖化対策のパワーを弱めている一原因となっていると思うと残念でならない。


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by JAES21 | 2016-09-13 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
オリンピック報道の陰に隠れて・・・
日本選手の活躍で盛り上がったリオ・オリンピックだが、その間にも世界では戦乱が続き、日本を取り巻く環境も刻々と変化している。

そうした中、北朝鮮や中国の海洋進出への危機感からか、防衛庁は来年度予算の概算要求で、過去最高の5兆1685億円の計上を決めた。前年度当初予算に比べ2.3%増で5年連続の増額だという。また本日付の報道では、政府は2016年補正予算として4兆円ほどを計上し、その多くを経済対策に充てるという。
日本政府の赤字国債は1000兆円にも上り、財政再建は緊急課題であるにもかかわらず、こうした施策を見ていると、現政権は、財政再建は既に諦め後の政権にお任せなんだと思えてくる。

一方、今年の夏も西日本では連日35度を超える猛暑日が続き、以前は梅雨や台風とは無縁と考えられていた北海道では台風による暴風雨が続いている。今後、農業被害等の深刻化が予想され、私たちの暮らしにも野菜の価格高騰など直接的な影響が出るだろう。10年20年前から、我々NPOや科学者が警告してきたことがまさに現実の脅威となっており、この流れは、激化こそすれ、今すぐに対策を講じない限り、改善することは全く期待できない。

しかし、気候変動に対する危機感はまだまだ低く、猛暑や暴風雨が頻発する中でも、これらと気候変動とを結び付けた報道はほとんど見られないし、政治家の口から語られることもない。仮想敵国に対する備えも必要かもしれない。しかし、気候変動に伴う異常気象は、多くの人々の生命・財産を脅かし、既に被害が続出していることを考えると、日本政府の対応は、「危機感の欠落」という言葉では済まないほどの「無責任の極み」である。

「国家100年の計」が重要と言われるが、近年は、政治家も官僚も企業家も、そして国民の間にも、近視眼的見方が蔓延している。
教育は国家の礎、環境は生命と社会経済活動の基盤である。同じ経済対策への投資であればグリーンな経済活動に予算を投じるなど、中長期的視点で、私たちの大切な税金、限られた予算の投資先を何にすべきか、もう少し知恵を絞るべきである。


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by JAES21 | 2016-08-23 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
「心を寄せる」
熊本・大分で地震が続いている。
実家は別府、高校時代は竹田で過ごし、大分県内には親戚・知人も多くいる。
いまだ大きな揺れが続いており、心配でならないが、遠く離れて暮らす身では、これ以上、被害が広がらないことを祈るばかりである。

今回の経験で、改めて思ったのは、当事者意識というのは、災いなどが、自分の身に、あるいは親族や友人など自分と関わりの深い人に降りかかってこなければ、なかなか持てない、ということ。

実際、地震の怖さは何度も体験しているので、14日の熊本の地震の際にも、大変だろうな、怖いだろうなと思ったが、今思えば、まだ他人事だったように思う。
しかし、その後故郷大分・別府でも同様の大きな揺れがあったことを知った16日の早朝は、家族、親せき、次いで友人の安否が心配で確認せずにはいられなかった。その時点で他人事ではなくなっていた。東京に住む同郷の仲間にも連絡した。
大分以上に大きな被害が出ている熊本の方には本当に申し訳ないと思いつつ、やはり身内のことが心配だった。

そして日頃、気候変動などに、なかなか当事者意識を持ってもらえないことを残念に思っている私だが、多くの人が、自分との関係が深いことから順に関心を持ち行動するのは、当然の事。気候変動などはまだまだ自分事として考えられないんだと改めて思った。

それでも、実家にも、私にも、「実家は大丈夫?」「他人事ではない」など心配する電話やメールが入った。有り難いことである。
また各地で募金運動なども始まり、「以前の災害の折に応援してくれたから」「うちも同じ被災体験があるから」と、思いを寄せる人も増えている。

地震列島の日本、いつわが身に降りかかってくるかわからない、
それでも、こんな災害時には、当事者意識は持てなくても、「心を寄せる」、それだけでいい。
そう思いながら、一刻も早く収束することを祈っている。
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by JAES21 | 2016-04-19 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
環境権の行方
自衛隊の海外活動の拡大に関する議論が加速され、法案提出も間近になり、日本の安全保障政策が次の世代に大きな禍根を残すのではないかと、気がきではない毎日が続く。

その一方で、もう一つの安全保障の要である環境の悪化、特に気候変動対策に関して、現政権は全く関心を示さず、このままでは、本当に人類社会の将来が危ぶまれる状況にある。

そうした中、昨日付毎日新聞で、公明党が選挙公約で掲げている環境権の加権を除外する検討に入った旨報じられた。
環境権とは、「国民が良好で快適な環境で健康に生活するための権利」であり、新たな人権として掲げられていた。
公明党が除外する理由は、経済成長への支障の可能性、個人主義を助長する恐れなど、社会的秩序混乱への懸念だという。

実は、環境文明21では、十年来、公明党の言う環境権とは異なる、より広い視点から人類社会の持続性を確保するための「環境原則」を憲法に、という運動を展開してきた。しかし、安倍政権の下でこれを進めることは非常に危険であるとの判断から、現在は積極的な働きかけはしていない。

前述の安全保障に関して、「本当に平和の党なの?」と思うほど自民党に譲歩してしまった公明党が、これ以上、早期の憲法改正を目指す自民党に取り込まれまいとして、「環境権」の除外を検討しようというのであれば、納得も行く。

まさか、「環境政策が経済に悪影響を及ぼす」などという時代錯誤の間違った認識はないと思うが、もし仮に、経済成長への懸念という理由だけで、1990年代から掲げてきた象徴的政策を断念するようであれば、かつて環境政策に熱心で様々な環境政策を実現してきた公明党の存在価値はますます薄れてしまう。

野党が情けない現状では、日本の平和も環境政策も、政治の世界では公明党に頑張ってもらうしかない。自民党に取り込まれることなく、与党ボケすることなく、将来世代に対して重要な使命を課せられていることを肝に銘じ、公明党の真髄と気概を見せてほしいと切に願う。
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by JAES21 | 2015-03-24 17:25 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
残念なのは、サッカーだけではない
ブラジルで開催されているワールドカップは、まだ道半ばではあるが、日本にとっては終わったも同然である。言うまでもなく、日本代表選手が、一次リーグCグループの最終戦でコロンビアに1-4で敗れ、同組最下位が決定し、16強以上となる決勝トーナメントへの進出は叶わなかったからである。

ここ数年というもの、特に今年に入って、ワールドカップのことが毎日のように話題になり、そして、日本のサムライたちは、前回以上に大活躍するだろうと、私を含めほとんどの人が期待していた。

選抜された選手の中には、8強入りどころか、優勝すらしてみせて世界を驚かせてやるという主旨の強気の発言も飛び交っていたが、残念な結果となってしまった。本田選手は、今までの過去を全部否定して、もう一度ゼロからやり直す覚悟でいかなければ、再建は無理だという主旨の発言をしていたが、実際、ブラジルをはじめとする他国の選手たちの神業としか言えないような活躍ぶりを見せつけられていた私たちには、やはり世界はすごいな、上には上がいるものだと感心させられると同時に、これが世界なら、8位以内に入り込むことがいかに難しいことかを実感させられた。

しかしながら、このようなことは何もサッカーだけの話ではない。私は日本の省エネ技術や環境技術についても、今回のサッカーと同じような残念な動きをしていると見ており、いろいろな場でその危険性を表明している。確かに、1970年代の厳しい産業公害、そして、二度にわたる厳しいエネルギー危機に見舞われた日本は、必死になって技術を開発し、そして困難に立ち向かった。中央政府も地方政府もも非常に厳しい規制を課し、当時の日本企業はそれに真正面から向き合い、がむしゃらに技術開発をし、気付いたら、世界のトップクラスに立っていたというのが70年代から80年代初めにかけての日本の動きである。

今、気候変動などの厳しい環境問題が迫っているが、今の日本は、追加的な対策は何もしていないと言ってもいい状況である。いつも言うように、日本にはCO2等の排出に対する規制値はまるでないし、話題にもなっていない。明確な削減目標は事実上何もない。そして、あるのは、日本は省エネ大国、環境技術大国、日本の省エネは、乾いたぞうきんを絞るように、もう絞るものは何もないといった幻想だけである。日本国内でしか通用しないその思い込みに対して、世界の専門家はそれが幻想であることを厳しく指摘しているが、能天気にもそのようなことは誰も気にも留めていない。

こうなれば、結果はどうなるか。
サッカーと同じように、世界の競争の中で敗れていくのだ。現実に、最先端の技術開発において、日本は相当な遅れをとりつつある。しかしながら、昔の成功体験の幻影に縋り付いて、未だに何もしようとしていない。
つい最近、安倍内閣がまとめた新しい「骨太の方針」なるものを見ても、日本の環境技術、省エネ技術を鍛え上げ、練り上げて、日本の企業の競争力を高め、日本を元気にし、世界に貢献しようなどという施策はまるでない。

このことは、もし気候変動対策のワールドカップがあるとすると、日本は予選落ちという事態になるのではないか。気候変動無策の結果、日本企業の技術力、競争力が目に見えて低下することは、三年先、五年先には普通の人でもすぐに分かるようになるであろうが、誠に残念としか言いようがない。
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by JAES21 | 2014-07-01 11:34 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
政策提言型NPOのある半日

先週初め、「環境首都創造ネットワーク」の仲間と共に、『気候変動問題に真摯に向き合い、地域全体の再生可能エネルギーの拡大と低エネルギー社会を実現するための日本政府への提言』を持って、環境省、経済産業省、そして議員会館を訪問した。

このネットワークは、地方自治体、NGO、研究者が連携し、エネルギーの地域自立を通じて、地域から持続可能で豊かな社会に変えていくことを目指している。

当日の提案の要点は次の通りである。

1.気候変動問題に真摯に向き合い、意欲的で明快な削減目標を示し、その実現に向けた政策を構築すること
2.エネルギー政策を根本的に転換し、再生可能エネルギー比率を飛躍的に高めるため、中長期目標値等を早期に設定すること
3.地域主体の再生可能エネルギーの拡大と低エネルギー型社会構造への転換を進めるため、法整備、社会システム構築、財政誘導、人材育成サポートなどの政策を行うこと


こうした提案に対し、どの訪問先でも異論はなく、一様に、「再生可能エネルギーは地域活性化の起爆剤になるものであり、積極的に進めたい。そのためにも具体的な先進事例を是非示してほしい」という話が聞かれた。

しかし、環境省と経産省で温度差を実感したことも事実である。

当日は、環境省では関地球環境局長が対応。一方経産省では直前まで対応される方が不明であったが、関連する4つの部署から課長補佐あるいは係長クラスの若手が対応してくれた。共に丁寧な対応だったが、環境省では(当然のことながら)気候変動や再生可能エネルギーを優先課題として熱心に耳を傾けてくれたのに対して、経産省では気候変動は一つの政策として捉えており、削減目標設定に対しても消極的であることが言葉の端々から感じられた。そのことは、対応者のポジションの違いにも表れていた気がする。

ところで、現在、地球環境局は本省内ではなく近くの貸しビル内にある。そのことは、環境省内における気候変動問題の重要度を示しているようにも思える。原発・廃棄物処理関係の部署が増え手狭になったためだそうだが、気候変動に対する国内対策の遅れは、こうしたところからも見て取れるような気がして、とても残念な思いがした。

いずれにしても、政府の対応を待つだけでは、世界に後れを取るばかりである。
気候変動への積極的な対応を政府に働きかける一方で、再生可能エネルギー利用拡大の具体的な実践例を地域から積み重ね、発信していくことが、持続的かつ近道だと実感した半日であった。
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by JAES21 | 2014-04-22 11:58 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
「国の借金は991兆円」では、到底おさまらない!!

先週末、財務省は、2012年度末の国の借金が991兆6011億円となり、過去最高になった旨発表した。アベノミクスによる経済対策で約10兆円追加されたことから、今年度末には1000兆円を超える見通しだそうだ。一人当たりに換算すると約778万円にもなる。恐ろしい数字である。

一方、半世紀以上も大気中の二酸化濃度を計測しているハワイ・マウナロア観測所では、大気中の二酸化炭素濃度が観測史上最高の400ppmを越えたことを確認した旨、アメリカ海洋大気局が発表した。1958年の観測開始時は約315ppmだったのが、季節による変動はあるものの、一貫して増加傾向にあり、ついに400ppmを越えたというのだ。これまた、大変な事である。

原発事故、そしてアベノミクスの陰に隠れがちだが、確実に気候変動は進んでいる。そして、それに伴う山火事、ゲリラ豪雨、竜巻、大型台風などの自然災害とその被害は確実に増加しており、今後ますます増加するものと考えられる。また温暖化による人間社会、農作物、漁業資源などへの影響も深刻化するだろう。しかし、こうしたリスクや影響は、財務省が発表する国の借金には全く含まれていない。

2006年10月に公表されたスタ―ンレビューでは、早い時期に気候変動問題に対して積極的な対策を講じない場合のリスクと費用総額は、現在及び将来における世界の年間GDPの5%強に達すること、より広範囲のリスクや影響を考慮に入れれば損失額は少なくともGDPの20%に達する可能性があること、これに対し積極的な対策を講じた場合の費用は、世界の年間GDPの1%程度で済む可能性があること、を示している。

現時点での国の借金は991兆円。
しかし、現世代の経済成長のみを重視し、気候変動問題に全く後ろ向きな現政権の様子からすると、将来世代へのツケはますます膨らむばかりである。

もうすぐ参院選。
ぜひ、若い人こそ、選挙に行こう。そして「将来世代にツケを残さない」ことを真剣に考える候補に投票しようではないか。
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by JAES21 | 2013-05-14 10:58 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
タイの大洪水と日本の対応
ここ数日、新聞を見てもテレビを見ても、連日のようにタイの大洪水のことが大きく伝えられている。しばらく前は、古都アユタヤ周辺にある日本企業の被災が日本のメディアで話題になっていたが、ここ数日は、首都バンコク郊外での浸水騒ぎで持ちきりだ。本日の新聞などを見ていると、浸水がバンコクの中心部に及ばぬよう政府・自治体総力をあげて戦っているようだ。地図を見ると、チャオプラヤ川流域に大きな被害が出ており、しかも雨は今月いっぱい続くだろうということだ。

洪水騒ぎは実は、カンボジアでもベトナムでもラオスでも生じているが、日本のメディアが注目するのは、タイに進出している日本企業のうち数百の企業が被災しており、特に、自動車などの製造本体だけでなく、周辺にある沢山の部品工場が影響を受けているからであろう。

しかしながら、目をインドシナ半島から世界全体に向けると、このような大雨大洪水が今年だけでも、1月にはオーストラリアであるいはブラジルで大被害をもたらしている。それ以降も毎月のように大雨あるいは干ばつ、乾燥による山火事、竜巻、そのような気象災害が頻々と報じられている。ただ、日本のマスコミは日本人や日本企業が絡まないと、ほとんど報道しないから世界で何が起こっているのか、多くの人には知られないし、関心のない出来事になっているであろう。

私からみるとこれらの異常現象は言うまでもなく地球温暖化によって生じた気候変動により荒れ狂っている姿そのものである。タイの場合もそして今年日本で大雨をもたらした台風12号や15号についても、地球温暖化によって海水温度が上昇しており、その結果蒸発が盛んになって気候が不安定になり、前線や山岳にぶつかってひとたび雨が降ると1時間に100mmを超すような途方もない豪雨となって、洪水被害をもたらしているわけである。
 
このように、気象災害の主要な要因が地球温暖化にあり、しかもその温暖化に対しては議論はあっても真剣な対策はとられていないので、ますます深刻な状況になりつつある。タイで起こったようなことは、これから先ずっと世界中で発生し繰り返されることだろう。しかも温暖化の進展とともに程度はもっと深刻になるであろう。

まさに、IPCCに参加した科学者たちが予測した通りの出来事が世界中で起こっている。そして悪いことにこのような異常気象の時代はグローバル経済の時代と重なっている。日本の企業だけでなく世界の企業が有利な生産場所や消費地を求めて世界中を動き回り、進出してゆく。日本の企業についていえば、中国、東南アジアに少しでも有利な条件を求めて動き回っている。

昨今は、電力不足の日本は心配なので、そら外国だと外国に出ようとしている企業も多いようである。しかし、今回のタイの状況が示しているように、外国に出ていったから天国が待っているというものではなく、むしろ電力不足は中国など新興国ではしばしばおこる現象だ。そしてそれよりも怖い自然災害がおこる。やがて貧富の差が激しくなればテロや暴動が発生し、日本では経験したことのない治安の悪化、武装集団などとの戦いも待ちうけているのだ。

日本企業にとって「前門の狼、後門の虎」ということになることをしっかり認識するべきだ。そのうえで、結局、環境を守らなければ人の生命だけでなく、企業活動をも極めて不安定にし、危ういものにしてしまうことに気が付いてほしい。その目でみれば、日本はまだ治安の点でも、人間の質の点でも、気候変動の点でも、諸外国に比べればマシだということが分かる。だから、温暖化など地球規模の環境破壊に先頭切って挑戦しいくことこそが、企業にとっても安全な未来を引き寄せることになることを認識すべきだ。

「良薬は口に苦し」という言葉もあるが、温暖化などの環境対策をしっかりやらなければ遠からず企業の上にも途方もないツケが落ちてくる。それは何もNPOや科学技術者の警告に真剣に耳を傾けることをせず、必要な対策を避けた東京電力の話だけでないことを悟るべきだろう。
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by JAES21 | 2011-10-20 17:35 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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