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オバマ政権の気候変動政策に本腰が入ったか
オバマ政権が、2009年1月の発足から6年目に入った。環境対策に関しては、第一期目は率直に言って、見るべきものは何もなく、私など環境関係者は皆がっかりした。ノーベル平和賞を授与したノーベル平和賞委員会も同様であろう。しかし、オバマ大統領は、結果は出せなかったが、第一期から気候変動をプライオリティの上位に置いていた。

昨年1月、二期目が発足すると、就任演説や一般教書演説でも気候変動について、かなりのスペースを割いている。(日本の報道機関は全く報道しなかったが・・・)
それを見ると、オバマ政権は、温暖化に伴う気候変動はあるかないかの問題ではなくもはや厳然たる事実であり、これに対応することは、現世代のみならず将来世代への義務であり、かつ省エネや再生可能エネルギーの開発利用に奮闘することが、アメリカの産業競争力と雇用を強化することになると見ている。そのような認識のもとで、一期目は控えめであった、気候変動外交に二期目からは積極的に乗り出している。

昨年末のCOP19においてもアメリカが主役になったが、今年に入って、そのテンポはかなり高まってきたように思う。ケリー米国務長官は、今月16日、インドネシア・ジャカルタの文化センターで、学生などを相手に演説し、気候変動は今や世界で最も恐ろしい大量破壊兵器となる可能性があるとまで言ってのけた。

彼は人類を脅威としては、テロや伝染病、貧困、そして、核兵器などの大量破壊兵器の拡散もあるが、今や世界中を無差別に襲い始めた気候変動の脅威(タイでの大洪水やフィリピンでの台風30号による大災害など)が、大量破壊兵器になる可能性があるというのは、注目に値する。

丁度同じころ、イギリスでは、野党労働党のミリバンド(元エネルギー・気象変動担当大臣)党首は、気候変動問題は今や重大な安全保障上の問題だと演説をしたそうだ。イギリスは昨年末以来、異常気象に悩まされ、洪水騒ぎがあちらこちらで今でも起きている。イギリスでは、スコットランドの独立が今、ホットなイシューだそうだが、それよりも気候変動という安全保障問題の方に力を入れたい考えなのかも知れない。

いずれにしてもイギリスとアメリカはこのように動き始めている。日本の安倍首相は、二期目に入ってからは、気候変動問題の重大性については全く触れておらず、政策は止まったまま。アベノミクスと靖国神社で国民の支持を得るつもりらしい。
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by JAES21 | 2014-02-18 17:15 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(2)
「財政の崖」より「環境の崖」
大接戦が予想されていたアメリカ大統領選挙であったが、蓋を開けてみるとオバマ現大統領のほぼ圧勝となった。しかしながら、アメリカ国内においても、日本のメディアなどを見ても、2期目のオバマ政権はまず年末から年明けにかけて、いわゆる財政の崖に立たされ、大苦難するであろうと指摘されており、オバマ氏の第2期が順調にスタートできるか危ぶむ声が多いようである。

もちろん「財政の崖」も重要な政治マターであるが、私から見れば、第2期におけるオバマ大統領には、むしろ「環境の崖」の回避に挑戦してもらいたいという思いが強い。

というのも「財政の崖」なるものは、アメリカ経済そのものが大失速してしまったというより、議会における民主党と共和党とのねじれ現象によって政策が進まない可能性があることに起因している。つまり、政治のねじれがこの苦境を生み出しているわけで、政治のねじれさえ何等かの形で克服出来れば、崖は消えるわけである。

しかし、環境の崖は、アメリカ、日本をはじめとする先進国や、途上国も含め、環境の悪化を食い止めることよりも経済成長にあまりにも比重を置きすぎたために生じた崖である。これは議会における妥協や調整で克服できるものではない。人類社会全体の貪欲さがつくりだした崖であるが、その中でもアメリカ政府はブッシュ政権以来の大きな責任があり、第1期のオバマ政権でも、その大きな崖を克服する施策を打ち出すことが出来なかった。

ブッシュ政権は完全に京都議定書から離脱することによって、温暖化政策にはその8年の間、背を向けてしまったが、その後の4年間、オバマ政権は京都議定書に戻る努力もし得ず、漫然と時を過ごしてしまった。また、生物多様性条約についてもパパブッシュの時代からアメリカは背を向け、その状態は今日まで続いている。第1期のオバマ政権は議会との関係や大統領選での再選を目指していたため共和党や共和党支持者を刺激できずに、環境対策に対しては積極的な政策を打ち出し得なかったが、そのこともあって、環境悪化は日に日に加速している。

2期目のオバマ政権には、ぜひこの「環境の崖」回避へ果敢に挑戦していただきたい。
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by JAES21 | 2012-11-12 17:34 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
非常に問題なアメリカの不在
来月中旬から下旬にかけて、名古屋において生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催されることがきっかけとなり、日本のメディアは生物多様性問題を様々に取り上げている。ポスト2010年目標や名古屋議定書の締結が出来るかどうか、途上国と先進国との遺伝資源の利用に伴う利益配分を巡る対立は極めて深刻といったような記事が並んでいる。しかし、この生物多様性条約にアメリカが参加していないことの意味と人類社会の未来への影響についてしっかりと議論しているものは、私の知るところほとんどない。

考えてみると、アメリカは1960年代から70年代にかけて、世界の環境運動のリーダーであった。環境アセスメント法の施行、情報公開、森林減少問題、捕鯨禁止、そしてウィーン条約、モントリオールプロトコルと言われるオゾン層破壊に対する積極果敢なアメリカの環境外交は目を見張るものがあった。私自身は若いときからそのような輝かしいアメリカを尊敬の眼差しで見つめていたものだ。ところが、80年代の後半から地球温暖化問題、すなわちエネルギー問題が出てくると、それまでの積極果敢な取り組みとは全く違った消極的な対応を取るようになった。2001年ブッシュ政権の成立直後、京都議定書を離脱したことはよく知られている。しかし、92年の地球サミットの時に成立した生物多様性条約については、当初からアメリカは自国の製薬・食品企業等の利益を慮って、参加しなかった。
以来、20年近くそのポジションを崩していない。

オバマ政権は、ブッシュ政権と違って、温暖化に熱心な姿勢を示していたが、私の知る限り、生物多様性条約に参加をしようという積極的な動きはない。京都議定書離脱も生物多様性条約への不参加も、その理由は「アメリカの経済に悪影響を及ぼすから」ということであった。いわば、自国の経済に対する配慮を人類社会の中長期的な安全保障より優先したのだと言っても過言ではない。

アメリカ全体としてみれば、科学者や企業の中で、温暖化防止にしても生物多様性にしても、積極的にリーダー的活動をしている部分は大きい。しかし、政府、連邦議会を含む国としてみると、極めて消極的であることが残念でならない。私自身はアメリカがこの問題にどう対応するのか、名古屋でも注視していきたいと思っている。
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by JAES21 | 2010-09-29 13:33 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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