環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

経営者の倫理感覚はどこに?
東芝、シャープ、三菱自動車といったつい先頃までは、日本を代表するような立派な企業が、いずれも経営が傾き、経営者が厳しい苦境に陥っているように思える。

東芝や三菱自動車の場合は、株主やユーザーに数字をよく見せようとするねつ造が問題にされており、シャープの場合は、経営判断を誤ったと言われている。社内で権力を持ち、高給を食んでいた経営者がこのような事態の中でのたうち回るのは仕方がないとしても、直接関係のない従業員や下請けなどの関連企業、さらには立地自治体にまで大きな影響を与えている。責任をどの程度認識しているのであろうか。経営者の不正や判断ミスで人生を狂わされてしまった人の数も多いだろう。

一体、今日本の企業社会に何が起こっているのであろうか。
一口に言えば、モラルの喪失ないしは荒廃と言えるかも知れないが、その背景にあるのはグローバル経済時代の競争の厳しさ、激しさが、経営者の心や目を狂わせてしまっているのではないだろうか。未だにグローバル経済は、いいものだと思っている人もかなりいるようだが、一皮むいて見れば、まさに弱肉強食の仁義なき競争の世界。その酷薄な競争の中に巻き込まれ、あるいは自ら巻き込んでいる経営者の心を支えている価値観や倫理観は一体どうなっているのであろうか。

グローバル競争ということで、原料や労働力コストを出来るだけ引き下げ、また税なども少なく払うことの出来る国へ企業が競って移動し、それも難しくなれば数字をごまかすというところに行かざるを得ないのだろうか。これは、VWの事例が示すように日本の企業だけでない。

こういう事態を眺めていると、経営者たちは一体どういう情報源を持って経営判断をし、また常日頃どういう人たちと交流し、情報を得ているのかと思わざるを得ない。

おそらく同じ経済人で、利益確保に汲々としている人たちとばかり付き合い、情報や意見を交換するが精一杯なのではないだろうか。経済至上主義とは無縁の人や団体、例えば、先頃日本でも有名になった「質素なだけで貧しくない」と公言するムヒカ・ウルグアイ前大統領のような人とは一切関わりがなかろう。そもそもそういう人たちと交流しようとか意見を聞いてみようなどという思いも、余裕も全くないのではなかろうか。

しかし、こんなことを繰り返していると、日本の優良企業の基盤が蝕まれていくようで心配だ。たまには、ムヒカさんのような人とも交流し、心を洗うような話を聞くことも大事だとは思うが、おそらくそんなことは思いつきもしないだろうと思う。
「グローバル経済」時代の経営者は、利益を求め、仁義なき競争地獄をさ迷うしかないのかも知れない。
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# by JAES21 | 2016-05-17 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
強欲は社会を滅ぼす
熊本・大分の地震が続いている。これまでにないほどの余震数で、いつになったら収束するのかわからないことが、人々の苦しみや不安を助長しているように思う。

日本だけではない。カナダ西部のアルバータ州では、大規模な山火事が一週間以上続き、7日の時点で東京23区の3倍にもなる焼失面積で、被害が拡大している。完全な消火まで数か月はかかるという。

地震は自然災害だが、山火事は気候変動の影響も考えられ、一概に自然災害とは言いにくいが、それでも自然の猛威に人間は手の打ちようがないことを改めて思い知らされる。

併せて、地震はもとより、気候変動に伴う自然災害の増加・激化は既に予測されていたにもかかわらず、何故その対応が後手後手になるのか、何故過去の経験が充分に活かされないのだろうか、という疑問がわく。

阪神・淡路から21年、東日本大震災から5年、時間は充分あったはずなのに、
「想定外」のことが起きることも、東京電力福島原発事故で学んだはずなのに、である。

結局は、苦痛からは目を背けたいという人間の本能や心理、
そして、人間の限りなき欲望が、リスクを冷静に予測し可能な限りの備えをするといった人間の理性を鈍らせてしまうということなのかもしれない。

折しも、パナマ文書が公開され、強者の強欲が露見している。
1票1ドルといわれるアメリカの大統領選、経済成長ばかりに目を奪われる政治家は日本だけではないようだ。

対照的に、福島では、復興とは前に進むばかりではなく、先人の歴史を大切にすることとのバランスが大切として、地道に遺跡の保護に取り組む人たちがいる。
被災地石巻でのカーシェアリングの経験を、熊本でも展開しようと奮闘するNPOもいる。
そしてムヒカ大統領は、やさしくも厳しいまなざしで、強欲な資本主義を批判している。

強欲は人類社会を滅ぼすことを自覚し、将来を見通した生き方、後者のような生き方を選択する人が少しでも増えれば、世界は変わる、と信じたい。
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# by JAES21 | 2016-05-10 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
三菱自動車の不正問題について思うこと

今月に入って三菱自動車の燃費データの不正問題が発覚し、大騒ぎになっている。何しろ三菱自動車と言えば過去に何度も不正を働き、経営そのものが危機に陥ったことは未だに記憶に新しいからだ。2000年7月、欠陥隠し問題が発覚し、そして2年も経たないうちに大型車のタイヤが脱落。母子三人が死傷するという痛ましい事故を起こしている。また、同じ年、山口県でクラッチ系統の欠陥により、運転手が死亡…といったように、次々と問題が発覚。リコール隠しも内部通報を受けて騒ぎになったのが、5年ほど前のことだ。

三菱自動車の今回の不正問題が、どのように展開するかは、まだ分からない。報道によれば、部門長の一存で、データ不正が為されたとなっているが、当該部長だけの問題なのか、企業ぐるみなのか、それが三菱自動車のどの車種までに及ぶのか、さらに言えば、三菱グループ全体に対する信頼問題へ発展するのか、いずれにしても日本を代表する企業の一つで、このような不正事件が起こったのは甚だ遺憾だ。

この問題は、三菱自動車だけに留まらない。昨年には、東芝の不正会計問題、さらにその前はフォルクスワーゲンのデータ不正問題も出ており、いずれもまだ火は消し止められていない。しかも、このような問題は、大企業だけでなく、ダイコーという産廃処理業者が廃棄すべき食品を消費者に提供する形で転売した問題もある。

このように、日本だけでなく海外の大きなブランド会社に至るまで、意図的な、しかも経営トップを巻き込むような不正がなされ、消費者に大きな損害を与える事案が相次いでいる。企業社会全体が病に侵されているのであろうか。改ざんし不正を行うという誘惑を断ち切れない状況にあるのは、何故なのだろうか。おそらく利益至上主義、そして、成長至上主義が大中小の企業を問わず、このような不正に駆り立てているのではなかろうか。

不正は一体どこから出てくるのか、現代の教育から道徳、倫理、そして人として生きるべき規範といったものが欠落してしまったからなのだろうか。これだけはしてはいけない、この一線は越えてはいけないという教育が、子供の頃からきちっとなされていたのであろうか。おそらく、倫理とか道徳とかそんな綺麗ごとを言っていたのでは、この熾烈なグローバル競争時代を生き残ることができないという思いが、つい不正に手を染めてしまうのではなかろうか。

三菱や東芝の不正を見ていると、経営者や会社の幹部は、一体どういう人と付き合っていたのだろうか、例えば私たちのような貧しくとも高い志を持ったNPOとも付き合っていただろうか。多分、NPOとまともに付き合うなどということは今の日本の経営者の多くには、思いもよらぬことだろう。しかし、「経済」にまみれ切っていない人たちの生き様に多少なりとも触れていたら、こんなことにはならなかったのではないかと思うのは、我々のうぬぼれであろうか。

経営者の視野が頓に狭くなって、利益至上主義に目がくらんで、それ以外の価値に目が入らなくなった社会の怖さを思わせる事件である。
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# by JAES21 | 2016-04-26 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
「心を寄せる」
熊本・大分で地震が続いている。
実家は別府、高校時代は竹田で過ごし、大分県内には親戚・知人も多くいる。
いまだ大きな揺れが続いており、心配でならないが、遠く離れて暮らす身では、これ以上、被害が広がらないことを祈るばかりである。

今回の経験で、改めて思ったのは、当事者意識というのは、災いなどが、自分の身に、あるいは親族や友人など自分と関わりの深い人に降りかかってこなければ、なかなか持てない、ということ。

実際、地震の怖さは何度も体験しているので、14日の熊本の地震の際にも、大変だろうな、怖いだろうなと思ったが、今思えば、まだ他人事だったように思う。
しかし、その後故郷大分・別府でも同様の大きな揺れがあったことを知った16日の早朝は、家族、親せき、次いで友人の安否が心配で確認せずにはいられなかった。その時点で他人事ではなくなっていた。東京に住む同郷の仲間にも連絡した。
大分以上に大きな被害が出ている熊本の方には本当に申し訳ないと思いつつ、やはり身内のことが心配だった。

そして日頃、気候変動などに、なかなか当事者意識を持ってもらえないことを残念に思っている私だが、多くの人が、自分との関係が深いことから順に関心を持ち行動するのは、当然の事。気候変動などはまだまだ自分事として考えられないんだと改めて思った。

それでも、実家にも、私にも、「実家は大丈夫?」「他人事ではない」など心配する電話やメールが入った。有り難いことである。
また各地で募金運動なども始まり、「以前の災害の折に応援してくれたから」「うちも同じ被災体験があるから」と、思いを寄せる人も増えている。

地震列島の日本、いつわが身に降りかかってくるかわからない、
それでも、こんな災害時には、当事者意識は持てなくても、「心を寄せる」、それだけでいい。
そう思いながら、一刻も早く収束することを祈っている。
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# by JAES21 | 2016-04-19 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
浄化槽という優れもの

私たちの家庭からでも事務所からでも、旅館・ホテルからでも、トイレや台所、風呂場などから生活排水が出てくる。それを処理する方法は、大きく二つある。

一つは、公共下水道を通じて処理するもの。もう一つは、「浄化槽」と言われる生活排水処理システムで処理するものだ。

下水道は、言うまでもなく、地下に長い管渠を埋め、その管渠を通じて多数の家々や事業所、工場などからの排水を集め、最終処分場で処分し、川や海に浄化された水を流していく。しかし、これは相当大がかりな公共事業となり、もちろん時間も掛かるし、作った後も維持管理にかなりのお金が掛かる。

一方、浄化槽というのは、公共下水道が敷設されていないところ、典型的に言えば都市の郊外、農村部、そういったところで、各戸の庭などに個別に埋設して、そこで個別に処理をし、排水を流すシステムだ。これは、数戸集まって処理することも可能だが、原則として、発生源の近くで分散して処理する生活排水システムだ。

私は30年程前、この浄化槽システムを発展・普及させる行政を担当した。当時、厚生省の環境整備課というところで、これのための全国システムを作る作業を3年間ほどやり、これがなかなか優れものであることを実感した。

どう優れているのかというと、コンパクトな施設で、汚いトイレ排水なども十分にきれいに処理が出来るし、下水道と違って長い管渠がいらないので、道路を掘り起こしたり、事業に多額の費用が掛かったりしない。さらに、規模が小さくて済むので、維持管理にも多額の費用がかからず、財政に優しいシステムである。かつては安かろう悪かろうと言われた時期もあったが、合併浄化槽の開発など技術の発展で、処理効率は公共下水道に決して負けるものではない。

この施設は、日本では人口が減少局面に入り、地方の都市で高齢化や過疎化が進む中では、環境にも地方財政にもやさしい優れものの生活排水処理システムと言える。

今、世界を見ればアジア、アフリカ、中南米など、人口が増加し都市化が進み、生活排水処理に困る沢山の地域がある。国連では昨年9月に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(いわゆるSDGs)が採択され、その中で「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」ことが課題とされている。私は、日本で開発された浄化槽システムこそ、この課題に応えられる有力なシステムであると確信している。

日本には、和食、日本酒、カラオケ、柔道、空手といった優れものがいくつもあり、世界に広がっている。同様にこの生活排水処理システムも、日本だけで使われるのはもったいない。海外でも大いにその力を発揮してほしいと思っている。
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# by JAES21 | 2016-04-12 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
質素なだけで、貧しくはない

「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことです。」

 これは1992年の「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年後、同じブラジルのリオデジャネイロで開催された「リオ+20」において、南米ウルグアイのムヒカ大統領(当時)が述べた演説の一節だ。この演説は大量生産・大量消費型の現代文明を続ければ、地球がもたないことは明らかで、人類が生存し続けるには、今の生き方を変えるしかないことを強く訴えたもの。あまりに感動的な演説だったために、その後、「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本で出版もされている。

 この大統領の初来日を前に、4月1日付朝日新聞に彼のインタビュー記事が掲載された。内容は、前述の内容を踏まえた上で、政治家のあるべき姿や格差についても述べている。詳細は記事をご覧頂きたいが、特に心に響くのは、次のような発言だ。
 例えば、“政治家は世の中の大半の国民と同じ程度の暮らしを送るべきで、一部特権層のような暮らしをし、自らの利益のために政治を動かし始めたら、政治への信頼は失われる”、また“格差の集中は次々と規制を撤廃した新自由主義経済のせいであり、格差を解決するには、政治が介入して公正な社会を目指すことが政治の役割であり、国家には社会の強者から富を受け取り、弱者に再配分する義務がある”旨、述べている。
 “こんな政治家が日本に一人でも現れてくれたら、未来も見えてくるのに”といった取材記者の後書きも、本当にその通りだと思う。

 日本の政治家は、既にすっかり選挙モードである。
 それを意識して、経済界が嫌がる環境税の拡大には慎重、消費税増税も後回し、待機児童問題は大人の論理ばかり優先して保育の質の低下につながりかねない規制緩和で対応するなど、これまで以上に、目先の、経済優先の、甘い話ばかりである。

 来日を前に、日本で何をしたいかの問いかけに、“経済も技術も大きな発展を遂げ、その結果、皆さんは幸せか、と問いたい”と答えたという元大統領は、今のこの日本の現状をどう見るだろうか。
 
 「特権層のような暮らし」に浸る多くの政治家には失望するかもしれないが、大統領と同じ志で、日本の将来を見据えて闘っている私たちのような市民がいることも、是非知ってほしい。
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# by JAES21 | 2016-04-05 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
大混迷時代が訪れるか?

昨日、時事通信社から『繁栄と混迷の戦後70年~日本と国際社会の歩み』と題する一冊の本が送られてきた。これは、戦後70年経ったということで昨年、過去70年の変化を通貨「円」、冷戦終結と新たな戦争、少子高齢化と社会保障、戦後スポーツの軌跡、女性の社会進出など全部で20項目に分け、概観したものである。

私は、この第6パート「経済成長と環境保護」というところに登場しているので、この本を贈られたのである。
戦中に生まれた私としては、戦後70年は、繁栄と混迷の時代であったというのに異論はない。

しかしながら、今起こりつつある大混迷の時代に比べれば、はるかに幸せな時代であったように思われる。第二次世界大戦の終了とともに東西冷戦が厳しくなり、日本はアメリカを盟主とする西側陣営について、民主主義と経済成長をひたすら追求し、平和と人権の保護と物的豊かさを一人一人に届けるという政治環境の中にいたわけで、混迷があったとしても、今から考えれば、「小」混迷であったと言っても過言ではなかろう。

21世紀に入って動き出した大きな変化は、それ以前の1、2世紀に亘って常識とされ、大前提とされた様々な原理原則が崩れつつある。議会制民主主義もその本家である欧米でも揺らぎ始めている。人は生まれながらに自由で平等といった理念もヨーロッパ諸国に押し寄せる難民に対する対応を見てみれば、決して、生まれながらに自由で平等でないことがはっきり分かる。過去には物の豊かさを一人一人に、出来るだけ格差のない形で届けることが出来たが、今はそれも滞り、格差と貧困が、豊かであったと思われるアメリカ、ヨーロッパ、日本などでも目に付くようになり、そのような貧困と不平等に対する明確な異議申し立てが、信じられないようなテロや人権破壊行為に見て取れる。

かつてなら、そのような蛮行に対し、欧米の民主主義勢力は、十分にコントロールする力を持っていたが、その力が失われつつあるのが、ヨーロッパでの極右勢力の伸張や最近のアメリカ大統領選挙におけるトランプ候補の発言を見ると分かる。過去の原理原則が至る所で破られつつある現状を見ると、最早、2030年、2050年に向けての世界は大混迷となり、そして、残念ながら恐らく大流血を伴うような時代になっていかざるを得ないかと危ぶまれる。

日本は現状では、平和で安全な暮らしを辛うじて保っているが、それも一つ二つの激しいテロが日本で起これば、恐らくガラス細工のように大きく崩れていくだろう。私には、戦後70年が歪んではいても人類最後の「繁栄」の時代であったように思われ、これからは危険一杯の大混迷時代を迎えざるを得ないと思えてならないが、この見方は悲観的過ぎるだろうか。
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# by JAES21 | 2016-03-29 17:32 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
選挙のための増税延期!?
安倍総理が消費税の10%増税を見送るのではないかという見方が強まっている。

アベノミクスも日銀の対応もあまりうまくいかず、そうした中での増税は選挙結果に響くという判断であろうが、海外から著名な経済学者を招き、増税先延ばしの舞台づくりを進めるなどの姑息なやり方は、目に余るものがある。

勿論増税は、国民生活への負担をさらに増す。
しかし、10日に財務省が発表した2015年末の「国の借金」は、1044兆5904億円、国民1人当たり823万円の借金を背負っているという現実を考えると、将来世代にこれ以上のツケを残すことは許されないという思いがする。

増税に国民が反対するのは何故か。
それは、税金が私たちの生命や暮らしを守るために使われているという実感が、全く持てないことによるのではなかろうか。

仕事の関係で何度か訪れたことのあるスウェーデンは、消費税25%。
しかし、充実した福祉制度があり、歳をとっても病気になっても安心だから幸福度は高い。私の日本人の友人もスウェーデン人と結婚し離婚したが、老後はスウェーデンで過ごすという。
貯蓄がなかなかできず、若者の起業が難しいという話もスウェーデン人の若い男性から聞いたことがあり、そうした面もあるなと思ったが、それでも本当に困った時に助けてくれる制度があるのは羨ましい限りである。

それに比べて日本は、病気、介護、貧困、一人親での子育て、などなど、本当に困って助けてほしい時に助けてくれる制度は全く不十分である。

将来世代にツケを残さないために国の借金を減らす道筋と、困った時に頼れる福祉制度の充実のための道筋が明確に示されれば、増税に反対する人は少なくなるはずである。

そうした明確な方策もないままに、目先の選挙の為だけに、増税する、しないの議論は、政治家として無責任極まりなく、恥ずかしい行為としか言いようがない。
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# by JAES21 | 2016-03-22 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
やはり、脱原発しかない
東日本大震災から、ちょうど五年経ったこともあって、3月11日前後に新聞もテレビも、この事故が何だったのか、今後どうなるのかといった内容の特集が続いている。私自身も注視しているが、やはり、津波もさることながら原発事故の重さは、5年経ってますます重大になってきている。

私自身は、原発については、事故の前からゆるやかな脱原発論者であった。その理由は簡単で、使用済みの核燃料についても、放射性廃棄物についても処理処分の目途が全くついていない段階で、原発を動かすことは将来世代にツケを残すだけの極めて無責任な政策であり、原発依存は出来るだけ早い時期に止めるべきだと思っていたからである。しかし、現実に3.11で、東電福島第一原発があのような事故を起こして、しかも5年経った今も、本質的には何ら解決していないことを見るにつけ、それまでの私の見方は軽すぎたと思うようになった。

福島事故の25年前にチェルノブイリ事故があったが、その時、東京電力のある人が、「あの事故はソ連だから起こった。日本では起こり得ない。まして、優秀な社員の揃っている東電では絶対に起こらない。」と言うのを聞いた。随分、自信のある発言だと軽く聞き流していたが、ソ連で起こったことも、アメリカで起こったことも、日本で起こったことも、やはり、原発という今日の人間の手には負えない不完全な技術に付きまとう本質的な事故だったと思う。従って、フランス、中国、韓国、インド等どこの国でも、起こり得ることで、一度、過酷事故が起これば、福島の人が味わったような塗炭の苦しみが起こり得る。

3月12日付の朝日新聞に、福島県浪江町の馬場町長へのインタビュー記事が大きく載っているが、政府が今進めている原発の再稼働について聞かれた町長は次のように答えている。

「事故の究明も検証も出来ておらず、教訓も得ていない中での再稼働は明らかにおかしい。私どものように、すべてのものが壊され、自分の家、地域から離れた広域避難がもう五年。みな、事故で人生を完全に変えさせられた。そんな生活をする覚悟はあるのか。」

こう厳しく問うている。これを読んだときに、現ローマ法王が原子力発電事業について、「人間の傲慢さを示すバベルの塔のようなもの」だと発言したことを思い出した。原子力に限らないが、科学技術で何でもコントロールできるという人間の傲慢さを捨てなければならない。それができないとすると、世界のどこでも東電福島の悲劇が繰り返される。

電気は何も原発でのみ作られるわけではない。風力、ソーラー、波力、バイオマスなどからでも電気は作れる。そういう安全安心な技術で作られた電気で、私たちの生活を照らせばよいのだ。やはり、脱原発しかない。
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# by JAES21 | 2016-03-15 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
省エネに頑張った人が報われるしくみを
昨年末のパリ協定を受けて、政府は2030年度までの温室効果ガス排出量26%削減(13年度比)に向けた「地球温暖化対策計画(案)」をまとめた。その中で、産業部門の削減率がわずか6%であるのに対して、家庭やオフィスには約40%減を求める厳しい内容である。
産業部門はこれまでの削減努力に加えて、今後の経済成長を見込んでの削減率ということのようだが、これでは、脱炭素社会に向けたイノベーションも生まれにくく、ますます海外に後れを取るのではないかと心配である。

一方家庭の削減は、その手段として、省エネやライフスタイルの転換、低炭素製品への買い替え、公共交通利用など低炭素サービスの選択などが考えられるが、個人の取組には限界があり、それを促す制度やシステムの変更が不可欠だといつも思っている。
その最も効果的なインセンティブは、やはり「頑張った人が経済的に報われるしくみ」ではなかろうか。

市民にとって身近な省エネ行動は節電だが、以前からずっと不思議に思っていたことがある。それは、電気を使えば使うほど安いのは何故なのか、ということだ。これでは省エネのインセンティブは全く働かない。
 脱炭素社会に向けての第一歩は省エネの徹底で、それを進めるには、再生可能エネルギー100%になるまでの間は、料金設定の前提を、大量に使う人は安いという設定から、大量に使えば高料金、省エネで頑張れば低料金、という仕組みに抜本的に変えていくことが有効だと思う。そうすれば、もともと電力消費量が少なくこれまでの料金設定では恩恵を受けていない一人世帯でも頑張る気になる。
併せて、CO2をたくさん出す石炭などには高い税を課す炭素税を本格的に導入すれば、火力発電由来の電気を選ぶ人は高額なり、自ずと再生可能エネルギーを選ぶ個人・企業も増えるだろう。

CO2の大幅削減に向けて普及啓発も大切である。しかし、それだけでは限界がある。
経済優先の現政権であるならば、誰もが敏感に反応し効果も出やすい”コスト・料金・税“といった経済的手法をしっかり確立させることで、市民や主に中小企業の省エネ・節電を促進してほしいものである。
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# by JAES21 | 2016-03-08 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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