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AIの光と影
AIの光と影

最近は、新聞を見ても雑誌を見ても、AI(人工知能)という文字を見ない日はない状態だ。AIそのものは、かなり早くから注目され、各国の技術者らによって、いわば、夢の技術として開発されてきたとのことだが、ここ最近では、人間の能力に比べ、AIの優秀さが目に見える形で、私たちの眼前に立ち現れ始めた。

例えば、世界トップクラスの棋士をAIが打ち負かしたり、AIが自ら運転する完全自動車が2020年代には街中や高速道路を走り回る勢いだという。確かに、安全運転に不可欠な反射神経などが鈍くなる高齢者や目の不自由な人にとっては、AIによる車の自動運転は大いに助けとなるだろう。しかし、将来は、鉄道車両の運転手はもとより、タクシーやバスの運転手まで、不要になるだろうと言われている。このように、AI技術の進歩により、自動車などの運転手だけでなく、清掃、会社の受付、介護、医療診断など極めて広範な職場でAIを装備したロボットに人間が追い出されるという深刻な問題にならぬかとかねてから懸念していたが、このままでいくとその懸念は、一層深まるようである。

8月24日付の毎日新聞は、一面トップで、イスラエルがAI搭載の軍事用ロボット開発で世界の最前線に立っているとの記事を掲げ、詳しく紹介している。これによると、今や軍事の面で、無人の飛行機、軍用車、戦車など、まさに人殺しのための武器が人間の判断と手を離れ、AIそのものの手に移ろうとしている。戦場などで人格なきAI武器の前に立たされた人の恐怖や絶望を想像しただけで私の心は凍り付く。

英国の著名な宇宙物理学者ホーキング博士らは、2015年7月、殺人ロボット(致死性自律型ロボット)の開発の禁止を求める公開書簡を発表したというが、私も同感だ。室内の掃除をするくらいのロボットなら、まだ許せるが、人が乗っていない戦車や飛行機などの殺人兵器が人間による遠隔装置によってではなく、AI自身の判断で人間に向かってくるという状況を考えると、最早AIの光と影などという表現すら甘い気がする。

皆さまはいかがお考えだろうか。


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by JAES21 | 2016-08-30 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
オリンピック報道の陰に隠れて・・・
日本選手の活躍で盛り上がったリオ・オリンピックだが、その間にも世界では戦乱が続き、日本を取り巻く環境も刻々と変化している。

そうした中、北朝鮮や中国の海洋進出への危機感からか、防衛庁は来年度予算の概算要求で、過去最高の5兆1685億円の計上を決めた。前年度当初予算に比べ2.3%増で5年連続の増額だという。また本日付の報道では、政府は2016年補正予算として4兆円ほどを計上し、その多くを経済対策に充てるという。
日本政府の赤字国債は1000兆円にも上り、財政再建は緊急課題であるにもかかわらず、こうした施策を見ていると、現政権は、財政再建は既に諦め後の政権にお任せなんだと思えてくる。

一方、今年の夏も西日本では連日35度を超える猛暑日が続き、以前は梅雨や台風とは無縁と考えられていた北海道では台風による暴風雨が続いている。今後、農業被害等の深刻化が予想され、私たちの暮らしにも野菜の価格高騰など直接的な影響が出るだろう。10年20年前から、我々NPOや科学者が警告してきたことがまさに現実の脅威となっており、この流れは、激化こそすれ、今すぐに対策を講じない限り、改善することは全く期待できない。

しかし、気候変動に対する危機感はまだまだ低く、猛暑や暴風雨が頻発する中でも、これらと気候変動とを結び付けた報道はほとんど見られないし、政治家の口から語られることもない。仮想敵国に対する備えも必要かもしれない。しかし、気候変動に伴う異常気象は、多くの人々の生命・財産を脅かし、既に被害が続出していることを考えると、日本政府の対応は、「危機感の欠落」という言葉では済まないほどの「無責任の極み」である。

「国家100年の計」が重要と言われるが、近年は、政治家も官僚も企業家も、そして国民の間にも、近視眼的見方が蔓延している。
教育は国家の礎、環境は生命と社会経済活動の基盤である。同じ経済対策への投資であればグリーンな経済活動に予算を投じるなど、中長期的視点で、私たちの大切な税金、限られた予算の投資先を何にすべきか、もう少し知恵を絞るべきである。


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by JAES21 | 2016-08-23 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
多様な若者像
ここ2週間ほど、新聞やテレビなどのマスメディアから流れてくる情報は、オリンピックと高校野球などスポーツ関連一色の感が深い。悲惨な戦争や卑劣なテロの流血ニュースがトップを占めるよりは遥かにましであり、大歓迎である。

連日、賑わせているオリンピック競技では、日本の若者の活躍振りに、スポーツには縁遠い私まで、大いに興奮させられ、喜ばされている。これまでのところ、今回のオリンピックでは、おそらく大方の日本人の期待以上に多くの競技で、若者たちは好成績をあげているのではないだろうか。頼もしい限りで、日本もまだまだ大丈夫かなという思いを強くしたのは、高齢者の私にとってこの夏のうれしいプレゼントだ。

そのような最中の13日付の読売新聞は、全国の18、19歳を対象に先月の参議院選挙に関連した世論調査の結果を報じている。スポーツ関連記事のなかで埋没してしまった感もあるが、私にとっては興味深い結果を示している。特に感じ入ったのは、参院選で重視した争点への回答(3つまでの複数回答)である。高い順にあげれば、「景気や雇用」が52%、「医療や年金など社会保障」が34%、「憲法改正」26%、「教育問題」25%であるのに対し、「環境問題」9%、「人口減少対策」7%、「エネルギー政策」6%と、この3つの項目は、各段に低い評価となっている。

私にとってこの結果は、若者にとっても足元の景気と社会保障問題は重視するが、中長期的にみれば、今の若者世代に極めて影響を与える環境問題・人口減少・エネルギー問題に対する関心がかなり低いことが気になる。

若者に限らず、現在の日本人は最早政治に中長期的な視点にはほとんど関心を示さず、もっぱら足元の経済問題に関心を寄せる結果、日本の政治はますます短期的な視野となり、本来重要な、時には苦渋を伴う増税のような話は常に先送りされる傾向にある。18、19歳の若者にとっても同じような傾向をこの世論調査が示している。

このような結果が出たのには、我々大人の生き様や教育に大きな欠点があると考えさせられたわけだ。もちろん、この世代だけで200万人を超す若者全てがこのように考えているわけではなかろう。また、大人と一口に言ってもその意識や見方は様々だが、私としては、今回のオリンピックで見られるようなファイティングスピリットやそこに至る精進の重要性と同様、中長期的な将来に向けての視点は特に若者には欠かせないのではないか、その視点が、今回の読売の調査結果を見る限り、弱いのではないかというのが気になったところである。
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by JAES21 | 2016-08-16 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
子どもの今と将来を、最優先に考えて!
2020~22年度から始まる小中高校の新しい学習指導要領案が公表された。高校で「公共」が導入されるなど良い面もありそうだが、一見して「大丈夫か?」という疑問もわく。
例えば、小学校高学年で、これまで「外国語活動」とされていた「英語」が一つの教科に格上げされる。(そのこと自体にも多様な意見があるが、)その結果して、他教科と合わせた総時数は、事実上限度とされる現在の年間980コマ(一コマ45分)を超える1015コマになり、既に、夏休み短縮や土曜授業、休み時間も学習に、といったことになりかねないという懸念も出ているという。
それでなくても、世界で一番忙しい日本の教師はますます忙しくなることが予想され、指導力の低下、健康問題、教員希望者数の減少にもつながりかねない。

一方全国の公立小中学校では、2年後に退職する教員数がピークを迎え、中学校では新卒で学級担任をする教員が6割を超えているという。現場経験の少なさは、単に学習指導力だけでなく、学級運営の面でも懸念される。児童・生徒との関係だけでなく、保護者との関係(モンスターペアレントなど)も以前とは全く異なる状況の中で、教師への負荷は大変なもので、経験不足の教師に乗り切れるかどうか、心配である。

こうした心身ともに大きな負荷がかかる教師のこともさることながら、それ以上に心配なのは、子供たちへの影響である。
教師の質の低下は、教育の質の低下にもつながる。(フィンランドでは、教師は修士号取得を条件とし、その質の維持向上に努めている。)
また、時数の増加は、それぞれの発達段階で必要不可欠な、遊ぶ時間、自らが深く考え学ぶ時間、他者と直接交わり視野を広げる時間などが塾やゲームやSNSなどで少なくなっている現状を、さらに助長し、時間に追われる生活を子供たちに強いることにもなりかねない。時間に追われる生活が決していい結果を生まないことを、大人は既に経験しているはずなのに、である。

日本は、GDPに占める教育への公的支出がOECD加盟国中最下位にある。
「ゆとりの教育」への批判が今回の時数増につながったようだが、教師の現状、子供たちの発達段階への配慮、将来的な影響に対する議論も備えも十分に尽くされないままに、時数だけ増やしても、決していい結果は生まれてこない。
子供たちのために、そしてこの国の持続性の為に、もっともっと、教育に「お金」と「時間」そして「人手」と「愛」をかけるべきである。
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by JAES21 | 2016-08-02 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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