環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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本物の乱気流に突入した世界

今世紀に入るとすぐに、ニューヨークやワシントンで、イスラム過激派集団アルカイダによる同時多発テロが実行され、アメリカの富や軍事力の象徴となる建物が攻撃にさらされ、甚大な人的、物的被害を被った。当時のブッシュ大統領はこれを新たな戦争と呼び、「テロとの戦い」を宣言し、アフガニスタンやイラクでの本格的な軍事侵攻に繋がった。

それから十数年。先進国では、アメリカの都市だけでなく、ロンドン、パリ、マドリード、ブリュッセルなどの大都市とそこに生活する普通の人々がイスラム系テロリストの標的にされた。欧米の先進国では、いつ、どこで何が起こるか分からない不安が人々の心に忍び込んでいる。

過去15年間の特色は、西洋の民主主義・資本主義国が数世紀に亘って大事にしていた価値に対し、そこから疎外されていたイスラム系の過激派が攻撃対象とする類の戦いであった。しかし、去る6月23日、キャメロン首相が仕掛けたEUへの残留か離脱かの国民投票は、わずかな差とはいえ、離脱が上回ったために、イギリスのEUからの離脱が事実上決定してしまった。この衝撃は極めて大きく、イギリス国内だけでなく政治的に経済的に世界中を巻き込む大津波となって、各国を襲いつつある。日本にとっても例外ではなく、円がドルやユーロに対して高騰し、株価が下がるといったようなことが生じている。

この出来事の特色は、イスラム過激派が仕掛けたものでも何でもない。ヨーロッパの資本主義や民主主義の本流中の本流にいる人が仕掛けた政治的試みが、思わぬ結果を引き起こしたものだ。世界の政治経済が、まさに歴史的な乱気流に見舞われていると言っていい。まず、イスラム過激派によって引き起こされた21世紀の乱気流が、これまで数世紀に亘って、西欧社会のメインストリームを形作っていたエリート達によって増幅された格好だ。その結果もエリートを含め、政治・経済上の様々なシステムを乱気流に巻き込んだものであると私はこの現象を解釈している。

しかしながら、本物の乱気流は、すぐにでもやってくる。それは、「気候変動」という乱気流だ。実際、イギリスで国民投票が行われた日も、ロンドンの一部では1mほど浸水したところもあり、選挙にも行けなかった人が沢山出たという。同じ頃、中国では大竜巻が発生し、アメリカでは、西部では大山火事、南部から東部にかけては大雨による洪水が発生している。この異常気象という乱気流は、先進国、途上国、イスラム諸国を問わず、全てに襲いかかっているが、残念ながら、まだ、これへの警戒感も対処も十分でない。

この気候変動がさらに牙を剥いて人類社会に襲いかかれば、最早、イスラムのテロや株価の乱高下どころの話ではなくなる。この被害を少しでも軽減するために、昨年の暮れに190ヶ国を超す国によって合意されたパリ協定が一日も早く発効され、この人類社会を巻き込む本物の乱気流に備える体制が早急に出来ることを私は強く願っている。
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by JAES21 | 2016-06-28 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
しっかり選んで!!
国内では参院選、都知事選、海外ではアメリカ大統領選、イギリスのEU離脱の可否など、市民の理性が問われるイベントが目白押しである。

そんな中、国内の政治家の体たらく、そして盛り上がらない参院選を見ていると、次の二点は注目に値する。
第一は、アメリカ大統領選で、民主党のサンダース議員は、打倒トランプではクリントン氏との連携を表明したが、最後まで自身の政策を訴え戦い続けている点。
第二は、殺人事件にまで発展したことは許されることではないが、離脱の可否を巡って国民が激論を交わしている点である。

参院選では各党がマニフェストを公表しているが、どれも目新しいものはない。
自民党に至っては、安倍政権の本丸である憲法改正にはほとんど触れず、またしても「景気回復」という常とう手段で乗り切ろうとする姑息さである。

こうした状況に、「何をやっても日本は変わらないとあきらめている」「このままでは日本は確実に沈没する。だから海外に出ようと思う」といった若者の声も聞く。
その一方で、「多くの国の若者が、自分たちで国を変えられる選挙権を待ち望んでいる。」という話を、世界をまわるカメラマンから聞いた高校生が、多くの高校生に投票を呼びかける活動を始めたという話も聞く。

18歳の選挙権、“この国を持続可能な国に変える”そんな思いで、しっかり判断して投票してほしいと思う。

ちなみに、皆が安心・安全に暮らせる持続可能な社会を目指して、日本の環境NPOが結集したグリーン連合では、参院選候補者がどの程度日本の将来を考えているかを知るために、アンケートを実施している。
その結果は明日グリーン連合のWEBで公表する。

是非それも投票の参考にしてほしい。
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by JAES21 | 2016-06-21 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
オバマの苦悩

去る5月27日、当初、オバマ大統領の広島訪問においては、数分間の所感を発表するだけと思われていたが、実際には、改めて核兵器廃絶に向けての17分に及ぶ格調の高い演説があった。

広島・長崎市民だけでなく日本はもとより世界でこの問題に関心を持つ多くの人々の注目を集めた歴史に残る名演説であった。私などは英文と日本語の訳を見比べながら、何度も精読したものだ。読後の感想は、これはオバマ氏の“戦争と平和”論なのだと納得した。

その演説から一か月も経たない6月12日の未明。オバマ大統領の足元アメリカ・フロリダ州のオーランドという地方都市で銃器による大惨事が起こった。報道によると同性愛者が集まるナイトクラブに、アフガニスタン出身の両親を持つ29歳の男が一人で乗り込んで、なんと49人を殺し、53人にケガを負わせ、その男は、警察によってその場で射殺されたという。

銃による乱射事件が頻繁に起こっているアメリカでも、たった一人で自動小銃と拳銃だけでこれだけ多くの死傷者を出した事件は他に例が無いと言う。この事件を受けて、オバマ大統領は、早速声明を出し、アメリカにおける銃の規制を強化する必要性を改めて強調している。

広島では彼は、次のように述べている。「普通の人々は、戦争はこりごりだと考えている。彼等は、科学は生活をよりよくすることに集中するべきで、生活を台無しにすることに集中してはならないと考えるであろう。各国の選択が、あるいは指導者たちの選択が、この素朴な知恵を反映すれば、広島の教訓は生かされる。」と。

こう述べたオバマ大統領にとっては、核兵器どころか通常の兵器すらもアメリカでは未だに有効に規制することが出来ないでいる政治の現状に対し、恥じ入るばかりであろう。

銃の規制問題はアメリカにとって一筋縄ではいかぬ難しさを持っていることを私は理解しているつもりだ。それでも、やはりアメリカは、核兵器の国際的管理そして廃絶を目指すだけでなく、アメリカ国内においては通常の銃器をしっかりとコントロールすべきことをこの悲劇からの教訓とすべきではなかろうか。そうでないと、多数の犠牲者の霊は浮かばれなかろう。オバマ大統領の苦悩のほどが偲ばれるが、同時に政治家として銃器のコントロールへの道を敷いてほしいものだ。
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by JAES21 | 2016-06-14 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
日本メディアの使命を問う
BS放送を見ていると、連日、世界各国から異常気象による被害が伝えられている。
セーヌ川の氾濫で、パリが大洪水に見舞われ人々の暮らしに大きな被害が出ており、ルーブル美術館、オルセー美術館では閉館が続いているという。また、ドイツ南部でも数時間に数か月分の雨量を記録し、大きな被害が出ているとのこと。そして、アメリカ中西部でもミシシッピー川が氾濫し、農作物にも大きな被害が出ているという。
一方、インドでは異常高温と干ばつで、300人以上の死者が出ているという。

以前から、多くの賢明な科学者が警告し続けてきた事態が、現実のものとなってきたことを実感する毎日である。

昨年末、「パリ協定」が採択されたパリで、そして気候変動対策に熱心なドイツで大きな被害が出ていることは、気の毒であり、皮肉にも思える。

一方日本では、「パリ協定」後、政府でも目立った動きが見られず、そのためか、メディアでも気候変動に関する記事が減少しているように感じる。

月曜日の朝の番組では、珍しく異常気象を取り上げていたが、あるコメンテーターが、「あまり異常、異常と言わない方がいい。地球の長い歴史の中でみれば、大したことではない」旨発言しており、これにはびっくりした。
今言われる温暖化は、産業革命後のおよそ200年の間の気温上昇と、それに伴う気候変動と異常気象を問題にしているのに、こうしたことさえ理解していない人がコメンテーターとしてメディアに登場すること自体、メディアの勉強不足と言わざるを得ない。

先日、日本初の市民版環境白書を発行した。政府の白書では伝えられていない事実も多く含まれていたにもかかわらず、メディアで取り上げてくれるところは僅かだった。

政治家の不正や政争に明け暮れるその実態を報じることも必要だろう。
しかし、そんな人間界の些細なこととは別に、気候変動の脅威は差し迫っている。

目立たなくても、人々の関心が薄くても、真実を伝え続けるのがメディアの役割。
人を責めるだけでなく、メディア人も、自らの役割と使命を問い直す時期ではなかろうか。
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by JAES21 | 2016-06-07 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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