環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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トランプ氏の許しがたい無責任発言
アメリカの不動産王ドナルド・トランプ氏は、どうやら共和党の大統領候補としての指名を確実にした模様である。

トランプ氏と言えば、一年ほど前に大統領選に躍り出てからは、メキシコ・アメリカ国境に万里の長城に匹敵するような壁を築き、その壁を作る費用はすべてメキシコに負担させるとか、イスラム教徒の米国入国を一時全て禁止するなどの強硬な暴言を繰り返し、アメリカ国民はもとより世界中の良識ある人々を驚かせてきた。

この人種差別的発言、宗教に対する不寛容といったことで、政治家としての資質が疑われていた。それにも拘わらず、共和党内での数々の論戦を制し、ついに共和党の指名を確実にしたとメディアは報じている。

彼は、日本についてもたびたび言及している。
例えば、「日本が攻撃されたら、我々は直ちに助けに行かねばならないが、米国が攻撃されても、日本は我々を助ける必要はない。不公平である。」「貿易で中国・日本・メキシコを打ちのめす」「日本が米軍駐留経費を全額負担しなければ、米軍を日本から撤退することを厭わない」「北朝鮮が核を持ってるなら日本も持った方がいい」などなどだ。

これらの発言は、大統領を目指すトランプ氏がそれなりの信念を持って発しており、またそれに対し、共和党を支持する多くの米国民が承認している以上、私たちが何を言っても仕方がないが、ただ、見逃せないのは、5月26日に、エネルギー環境政策に関連した演説を行い、大統領に就任したら、「パリ協定」を拒否する姿勢を示し、オバマ政権の環境政策を強く批判していることだ。

オバマ政権は、共和党の温暖化政策に対する理解と支持が極めて低いのを見越して、オバマ氏が大統領である間にパリ協定の批准手続きを済ませようとしているが、トランプ氏は大統領になったら、その協定参加を取り消すという考えを示した。

このパリ協定は、全世界の環境関係者はもとより経済やエネルギー政策を担当している政治家も含めて長い長い協議の末に、やっと昨年12月に190カ国の賛成を得て成立したもの。それを実現するために力を尽くしたオバマ政権の努力を一気に覆すような発言を平気でしているトランプ氏の無責任ぶりは、世界中の温暖化脅威を実感し、予測している多くのまともな人たちの失望というより怒りを買うに違いない。

かつてアメリカは、クリントン政権において署名した京都議定書をブッシュ政権になると直ちに葬り去った苦い過去がある。

そのブッシュ氏が8年に亘って政権にいたために、世界の温暖化対策が足踏みをし、そして、その間に異常気象などが激化するのを許した悪しき前歴が、アメリカの政治にはある。そのためにアメリカ人を含め、どれほど多くの人たちが、竜巻や洪水、海面上昇などの気候変動に悩まされ、苦しんできたのかを知ってか知らずか、トランプ氏の最近の無責任発言は見過ごすことが出来ないし、政治家としての責任ある発言を強く求めたい。
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by JAES21 | 2016-05-31 17:30 | 加藤三郎が斬る
ドイツに大きく遅れた日本
G7を前に、各大臣会合が各地で開催されている。

私たちが注目した環境大臣会合も、これといった成果が見られず、G7会合の意味そのものが問われる。
それでも、後日ドイツの環境大臣が、「電力供給制度の改革はいずれ必要になる。原発の稼働延長は変革の遅れにつながる」「力を入れるべきは再生可能エネルギー。風力や地熱などの活用の条件は、日本はドイツよりよほどいい」と、指摘したことが伝えられた。

私は、環境先進国であり、環境教育、原発や再エネへの率先した取組みを進めているドイツが大好きで、これまで幾度も訪問している。
環境だけでなく、地味だが堅実なところ、論理的思考を重んじるところ、音楽家も多数輩出し、自然も美しい。メルケルさんも好きだ。

第二次大戦の忌まわしい思い出もあるが、それでも過去の反省の上に立った戦後の復興は、見習うべきことも多いように思う。

そして、昨今の気候変動を見据えたドイツのエネルギー政策は、2030年には温室効果ガスを1990年比で55%削減、電力消費に占める再エネ比率を50%、2050年には温室効果ガスを80-95%削減、再エネ比率を80%、とする高い目標を掲げている。(グローバルネット「ドイツのエネルギー転換」松下和夫氏 参照)

環境政策に限らず、財務大臣会合では、ドイツ連邦銀行総裁は、「やるべきは短期的に景気刺激策より構造改革」と述べ、日本が提案する財政出動に反対意見を述べたという。

将来を見据え、本来やるべき事を確実に実施していくそのお国柄、日本もかつてはそうだったように思うのだが、いつの間に、こんなに差をつけられてしまったのか。
昨今の政治家のていたらく、企業の不祥事、投票率の低さ、そんなことから、差をつけられた理由が見えてくる気がする。
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by JAES21 | 2016-05-24 17:30 | 藤村コノヱが斬る
経営者の倫理感覚はどこに?
東芝、シャープ、三菱自動車といったつい先頃までは、日本を代表するような立派な企業が、いずれも経営が傾き、経営者が厳しい苦境に陥っているように思える。

東芝や三菱自動車の場合は、株主やユーザーに数字をよく見せようとするねつ造が問題にされており、シャープの場合は、経営判断を誤ったと言われている。社内で権力を持ち、高給を食んでいた経営者がこのような事態の中でのたうち回るのは仕方がないとしても、直接関係のない従業員や下請けなどの関連企業、さらには立地自治体にまで大きな影響を与えている。責任をどの程度認識しているのであろうか。経営者の不正や判断ミスで人生を狂わされてしまった人の数も多いだろう。

一体、今日本の企業社会に何が起こっているのであろうか。
一口に言えば、モラルの喪失ないしは荒廃と言えるかも知れないが、その背景にあるのはグローバル経済時代の競争の厳しさ、激しさが、経営者の心や目を狂わせてしまっているのではないだろうか。未だにグローバル経済は、いいものだと思っている人もかなりいるようだが、一皮むいて見れば、まさに弱肉強食の仁義なき競争の世界。その酷薄な競争の中に巻き込まれ、あるいは自ら巻き込んでいる経営者の心を支えている価値観や倫理観は一体どうなっているのであろうか。

グローバル競争ということで、原料や労働力コストを出来るだけ引き下げ、また税なども少なく払うことの出来る国へ企業が競って移動し、それも難しくなれば数字をごまかすというところに行かざるを得ないのだろうか。これは、VWの事例が示すように日本の企業だけでない。

こういう事態を眺めていると、経営者たちは一体どういう情報源を持って経営判断をし、また常日頃どういう人たちと交流し、情報を得ているのかと思わざるを得ない。

おそらく同じ経済人で、利益確保に汲々としている人たちとばかり付き合い、情報や意見を交換するが精一杯なのではないだろうか。経済至上主義とは無縁の人や団体、例えば、先頃日本でも有名になった「質素なだけで貧しくない」と公言するムヒカ・ウルグアイ前大統領のような人とは一切関わりがなかろう。そもそもそういう人たちと交流しようとか意見を聞いてみようなどという思いも、余裕も全くないのではなかろうか。

しかし、こんなことを繰り返していると、日本の優良企業の基盤が蝕まれていくようで心配だ。たまには、ムヒカさんのような人とも交流し、心を洗うような話を聞くことも大事だとは思うが、おそらくそんなことは思いつきもしないだろうと思う。
「グローバル経済」時代の経営者は、利益を求め、仁義なき競争地獄をさ迷うしかないのかも知れない。
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by JAES21 | 2016-05-17 17:30 | 加藤三郎が斬る
強欲は社会を滅ぼす
熊本・大分の地震が続いている。これまでにないほどの余震数で、いつになったら収束するのかわからないことが、人々の苦しみや不安を助長しているように思う。

日本だけではない。カナダ西部のアルバータ州では、大規模な山火事が一週間以上続き、7日の時点で東京23区の3倍にもなる焼失面積で、被害が拡大している。完全な消火まで数か月はかかるという。

地震は自然災害だが、山火事は気候変動の影響も考えられ、一概に自然災害とは言いにくいが、それでも自然の猛威に人間は手の打ちようがないことを改めて思い知らされる。

併せて、地震はもとより、気候変動に伴う自然災害の増加・激化は既に予測されていたにもかかわらず、何故その対応が後手後手になるのか、何故過去の経験が充分に活かされないのだろうか、という疑問がわく。

阪神・淡路から21年、東日本大震災から5年、時間は充分あったはずなのに、
「想定外」のことが起きることも、東京電力福島原発事故で学んだはずなのに、である。

結局は、苦痛からは目を背けたいという人間の本能や心理、
そして、人間の限りなき欲望が、リスクを冷静に予測し可能な限りの備えをするといった人間の理性を鈍らせてしまうということなのかもしれない。

折しも、パナマ文書が公開され、強者の強欲が露見している。
1票1ドルといわれるアメリカの大統領選、経済成長ばかりに目を奪われる政治家は日本だけではないようだ。

対照的に、福島では、復興とは前に進むばかりではなく、先人の歴史を大切にすることとのバランスが大切として、地道に遺跡の保護に取り組む人たちがいる。
被災地石巻でのカーシェアリングの経験を、熊本でも展開しようと奮闘するNPOもいる。
そしてムヒカ大統領は、やさしくも厳しいまなざしで、強欲な資本主義を批判している。

強欲は人類社会を滅ぼすことを自覚し、将来を見通した生き方、後者のような生き方を選択する人が少しでも増えれば、世界は変わる、と信じたい。
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by JAES21 | 2016-05-10 17:30 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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