環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

<   2016年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧
三菱自動車の不正問題について思うこと

今月に入って三菱自動車の燃費データの不正問題が発覚し、大騒ぎになっている。何しろ三菱自動車と言えば過去に何度も不正を働き、経営そのものが危機に陥ったことは未だに記憶に新しいからだ。2000年7月、欠陥隠し問題が発覚し、そして2年も経たないうちに大型車のタイヤが脱落。母子三人が死傷するという痛ましい事故を起こしている。また、同じ年、山口県でクラッチ系統の欠陥により、運転手が死亡…といったように、次々と問題が発覚。リコール隠しも内部通報を受けて騒ぎになったのが、5年ほど前のことだ。

三菱自動車の今回の不正問題が、どのように展開するかは、まだ分からない。報道によれば、部門長の一存で、データ不正が為されたとなっているが、当該部長だけの問題なのか、企業ぐるみなのか、それが三菱自動車のどの車種までに及ぶのか、さらに言えば、三菱グループ全体に対する信頼問題へ発展するのか、いずれにしても日本を代表する企業の一つで、このような不正事件が起こったのは甚だ遺憾だ。

この問題は、三菱自動車だけに留まらない。昨年には、東芝の不正会計問題、さらにその前はフォルクスワーゲンのデータ不正問題も出ており、いずれもまだ火は消し止められていない。しかも、このような問題は、大企業だけでなく、ダイコーという産廃処理業者が廃棄すべき食品を消費者に提供する形で転売した問題もある。

このように、日本だけでなく海外の大きなブランド会社に至るまで、意図的な、しかも経営トップを巻き込むような不正がなされ、消費者に大きな損害を与える事案が相次いでいる。企業社会全体が病に侵されているのであろうか。改ざんし不正を行うという誘惑を断ち切れない状況にあるのは、何故なのだろうか。おそらく利益至上主義、そして、成長至上主義が大中小の企業を問わず、このような不正に駆り立てているのではなかろうか。

不正は一体どこから出てくるのか、現代の教育から道徳、倫理、そして人として生きるべき規範といったものが欠落してしまったからなのだろうか。これだけはしてはいけない、この一線は越えてはいけないという教育が、子供の頃からきちっとなされていたのであろうか。おそらく、倫理とか道徳とかそんな綺麗ごとを言っていたのでは、この熾烈なグローバル競争時代を生き残ることができないという思いが、つい不正に手を染めてしまうのではなかろうか。

三菱や東芝の不正を見ていると、経営者や会社の幹部は、一体どういう人と付き合っていたのだろうか、例えば私たちのような貧しくとも高い志を持ったNPOとも付き合っていただろうか。多分、NPOとまともに付き合うなどということは今の日本の経営者の多くには、思いもよらぬことだろう。しかし、「経済」にまみれ切っていない人たちの生き様に多少なりとも触れていたら、こんなことにはならなかったのではないかと思うのは、我々のうぬぼれであろうか。

経営者の視野が頓に狭くなって、利益至上主義に目がくらんで、それ以外の価値に目が入らなくなった社会の怖さを思わせる事件である。
[PR]
by JAES21 | 2016-04-26 17:30 | 加藤三郎が斬る
「心を寄せる」
熊本・大分で地震が続いている。
実家は別府、高校時代は竹田で過ごし、大分県内には親戚・知人も多くいる。
いまだ大きな揺れが続いており、心配でならないが、遠く離れて暮らす身では、これ以上、被害が広がらないことを祈るばかりである。

今回の経験で、改めて思ったのは、当事者意識というのは、災いなどが、自分の身に、あるいは親族や友人など自分と関わりの深い人に降りかかってこなければ、なかなか持てない、ということ。

実際、地震の怖さは何度も体験しているので、14日の熊本の地震の際にも、大変だろうな、怖いだろうなと思ったが、今思えば、まだ他人事だったように思う。
しかし、その後故郷大分・別府でも同様の大きな揺れがあったことを知った16日の早朝は、家族、親せき、次いで友人の安否が心配で確認せずにはいられなかった。その時点で他人事ではなくなっていた。東京に住む同郷の仲間にも連絡した。
大分以上に大きな被害が出ている熊本の方には本当に申し訳ないと思いつつ、やはり身内のことが心配だった。

そして日頃、気候変動などに、なかなか当事者意識を持ってもらえないことを残念に思っている私だが、多くの人が、自分との関係が深いことから順に関心を持ち行動するのは、当然の事。気候変動などはまだまだ自分事として考えられないんだと改めて思った。

それでも、実家にも、私にも、「実家は大丈夫?」「他人事ではない」など心配する電話やメールが入った。有り難いことである。
また各地で募金運動なども始まり、「以前の災害の折に応援してくれたから」「うちも同じ被災体験があるから」と、思いを寄せる人も増えている。

地震列島の日本、いつわが身に降りかかってくるかわからない、
それでも、こんな災害時には、当事者意識は持てなくても、「心を寄せる」、それだけでいい。
そう思いながら、一刻も早く収束することを祈っている。
[PR]
by JAES21 | 2016-04-19 17:30 | 藤村コノヱが斬る
浄化槽という優れもの

私たちの家庭からでも事務所からでも、旅館・ホテルからでも、トイレや台所、風呂場などから生活排水が出てくる。それを処理する方法は、大きく二つある。

一つは、公共下水道を通じて処理するもの。もう一つは、「浄化槽」と言われる生活排水処理システムで処理するものだ。

下水道は、言うまでもなく、地下に長い管渠を埋め、その管渠を通じて多数の家々や事業所、工場などからの排水を集め、最終処分場で処分し、川や海に浄化された水を流していく。しかし、これは相当大がかりな公共事業となり、もちろん時間も掛かるし、作った後も維持管理にかなりのお金が掛かる。

一方、浄化槽というのは、公共下水道が敷設されていないところ、典型的に言えば都市の郊外、農村部、そういったところで、各戸の庭などに個別に埋設して、そこで個別に処理をし、排水を流すシステムだ。これは、数戸集まって処理することも可能だが、原則として、発生源の近くで分散して処理する生活排水システムだ。

私は30年程前、この浄化槽システムを発展・普及させる行政を担当した。当時、厚生省の環境整備課というところで、これのための全国システムを作る作業を3年間ほどやり、これがなかなか優れものであることを実感した。

どう優れているのかというと、コンパクトな施設で、汚いトイレ排水なども十分にきれいに処理が出来るし、下水道と違って長い管渠がいらないので、道路を掘り起こしたり、事業に多額の費用が掛かったりしない。さらに、規模が小さくて済むので、維持管理にも多額の費用がかからず、財政に優しいシステムである。かつては安かろう悪かろうと言われた時期もあったが、合併浄化槽の開発など技術の発展で、処理効率は公共下水道に決して負けるものではない。

この施設は、日本では人口が減少局面に入り、地方の都市で高齢化や過疎化が進む中では、環境にも地方財政にもやさしい優れものの生活排水処理システムと言える。

今、世界を見ればアジア、アフリカ、中南米など、人口が増加し都市化が進み、生活排水処理に困る沢山の地域がある。国連では昨年9月に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(いわゆるSDGs)が採択され、その中で「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」ことが課題とされている。私は、日本で開発された浄化槽システムこそ、この課題に応えられる有力なシステムであると確信している。

日本には、和食、日本酒、カラオケ、柔道、空手といった優れものがいくつもあり、世界に広がっている。同様にこの生活排水処理システムも、日本だけで使われるのはもったいない。海外でも大いにその力を発揮してほしいと思っている。
[PR]
by JAES21 | 2016-04-12 17:30 | 加藤三郎が斬る
質素なだけで、貧しくはない

「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことです。」

 これは1992年の「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年後、同じブラジルのリオデジャネイロで開催された「リオ+20」において、南米ウルグアイのムヒカ大統領(当時)が述べた演説の一節だ。この演説は大量生産・大量消費型の現代文明を続ければ、地球がもたないことは明らかで、人類が生存し続けるには、今の生き方を変えるしかないことを強く訴えたもの。あまりに感動的な演説だったために、その後、「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本で出版もされている。

 この大統領の初来日を前に、4月1日付朝日新聞に彼のインタビュー記事が掲載された。内容は、前述の内容を踏まえた上で、政治家のあるべき姿や格差についても述べている。詳細は記事をご覧頂きたいが、特に心に響くのは、次のような発言だ。
 例えば、“政治家は世の中の大半の国民と同じ程度の暮らしを送るべきで、一部特権層のような暮らしをし、自らの利益のために政治を動かし始めたら、政治への信頼は失われる”、また“格差の集中は次々と規制を撤廃した新自由主義経済のせいであり、格差を解決するには、政治が介入して公正な社会を目指すことが政治の役割であり、国家には社会の強者から富を受け取り、弱者に再配分する義務がある”旨、述べている。
 “こんな政治家が日本に一人でも現れてくれたら、未来も見えてくるのに”といった取材記者の後書きも、本当にその通りだと思う。

 日本の政治家は、既にすっかり選挙モードである。
 それを意識して、経済界が嫌がる環境税の拡大には慎重、消費税増税も後回し、待機児童問題は大人の論理ばかり優先して保育の質の低下につながりかねない規制緩和で対応するなど、これまで以上に、目先の、経済優先の、甘い話ばかりである。

 来日を前に、日本で何をしたいかの問いかけに、“経済も技術も大きな発展を遂げ、その結果、皆さんは幸せか、と問いたい”と答えたという元大統領は、今のこの日本の現状をどう見るだろうか。
 
 「特権層のような暮らし」に浸る多くの政治家には失望するかもしれないが、大統領と同じ志で、日本の将来を見据えて闘っている私たちのような市民がいることも、是非知ってほしい。
[PR]
by JAES21 | 2016-04-05 17:30 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
カテゴリ
全体
会報巻頭言『風』
加藤三郎が斬る
藤村コノヱが斬る
共同代表が斬る
はじめにお読み下さい
未分類
以前の記事
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧