環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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「パリ協定」は、「環境力」溢れる経営者への祝砲
先週の2月19日、第8回経営者「環境力」大賞の授賞式が行われた。
環境文明21と日刊工業新聞社の共催で(最初の3年間は地球環境基金の助成を受けて)毎年開催しているが、今回も「環境力」溢れる中小企業の経営者の話を聞くことができ、非常に有意義な会となった。

これまでにも約40名の経営者を表彰しそのお話を聞いているが、共通する点は、儲けより会社の持続性を重視している点、従業員や地域を大切にしている点、限られた経営資源の中でそれぞれの技術や経営に工夫を凝らしている点、勉強熱心である点、高い志を持って社会に貢献しようとする点、そしてやり遂げる勇気と信念などである。
毎回、大企業では失われつつあるものを彼らは持っていることに気づかされる。

昨年末にパリ協定が発効した際、当方の会報に西岡秀三先生が「環境文明への祝砲」という、我々の活動を後押しするメッセージを送ってくれたが、パリ協定は、「環境力」ある経営者への祝砲でもあると思う。

経団連などは、「2℃さえも難しいのに、1.5℃など不可能」といった反応を示している。
しかし、それは、これまで様々な分野で、厳しい目標達成に向け、頑張ってきた日本の技術力、日本人の勤勉さを最初から諦めているに等しく、「負け戦」を宣言しているようなものだ。これでは、イノベーションも起きるはずがない。

それに比べて、省エネ・省資源を可能な限り追求し、コストダウンも併せて実現してきた中小企業の「環境力」ある経営者には、その先の取組や工夫に期待が持てる。

確かに、これまでの延長では1.5℃を達成することは不可能であろう。
しかし、だからこそ、そこに新たなビジネスチャンスがあるはずだ。

会社を持続させるためには、この試練にも勇気をもって立ち向かわざるを得ないことを自覚して、これまでの努力に、新たな知恵を加え、従業員、そして地域とも連携して頑張ってほしいと思う。
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by JAES21 | 2016-02-23 17:30 | 藤村コノヱが斬る
廃棄物処理は地球を磨く仕事
しばらく前のこと。
廃棄された冷凍カツなどが転売された事件が、人々の注目を集めた。

何せ、本来は廃棄物として適正に処理されていなければならなかったものが、スーパーなどを通じて、堂々と食品となり人々の口に入っていたというのだから、人が驚くのも当然である。
このニュースに接した時に、私が思ったことは、たった一社の不正行為のために、産廃業者の信頼がまた失墜するのではないかという懸念と共に、まじめに働き、廃棄物処理事業に携わっている多くの人のため息が聞こえるようで極めて残念であった。

実は、私は30年ほど前、3年足らずではあったが、厚生省で廃棄物行政を担当していた。この頃も不正投棄事件などもいろいろあって、廃棄物処理に係る業界に対する社会の目は、とても厳しいものであった。それに加え、汚れ仕事ゆえに社会からのいわれなき偏見や誤解に苦しむ真面目な業者は少なくなかった。

実際、福岡県のある業者が社会の偏見に苦しむ心やまた、社会から投げかけられる心無い言葉やしぐさに対する静かな抗議を込めた詩歌集を出版していた。そこにはこんな句が書き連ねてあった。

清掃夫 悔しき事の多ければ ひたすら求む一杯の酒

職をもて 卑しむ人とされるわれ 幾夜悩みぬ人間の価値

それを読んだ私は、廃棄物処理という極めて重要な仕事に携わる人に対する応援歌をつくろうと思い立ち、次の清掃賛歌を詠んだ。

清掃賛歌
1.清掃は地球を磨く業なるぞ これほど大事な職はあるまじ
2.清掃はかくも貴き仕事なのに なぜひ世間はそれを解さぬか
3.清掃に精を出してるわが友よ いざ誇らかに頭を上げよ

それから30年。
この間、社会で無くてはならない廃棄物処理に携わる人々の人知れぬ努力により、社会からの信頼もずいぶん増してきたのではないかと思われていたこの時期にまたしても不祥事件の発生である。しかしながら、数ある業者のうちの一社が行った不正により、業界全体が悪く見られる謂れはない。これまでと同じように倦まずたゆまず、社会にとって不可欠な仕事を続け、社会の信頼を積み上げていくしかない。また、それが可能なよう、行政も業界中枢としても、様々な制度の改革を続けていく必要がある。
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by JAES21 | 2016-02-16 17:30 | 加藤三郎が斬る
石炭火力発電所新設容認でいいのか??
石炭火力発電所の新設計画にアセスで異議を唱えていた環境省が、建設を容認したことが報じられた。

温室効果ガスを大量に排出する石炭火力を新設することは、たとえ、効率の良いものであっても40-50年にわたり、CO2を排出し続けることから、世界中の環境NGOは、この新設に対して強く反対してきた。

NGOだけではない。米国政府は石炭火力発電所からのCO2排出に強い規制をかけ、イギリスは同発電所を2025年までに全廃することを決めている。さらに、石炭火力に対する投資の引き上げも始まっており、日本の動きに対して、国際的にも強い批判もある。

にもかかわらず、環境省が温室効果ガス管理強化の条件付きとはいえ、新設容認したことは、電力会社、短期的経済優先の現政権の圧力に屈したことに他ならない。

昨年末採択された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を「2℃を十分に下回るレベルに抑え、1.5℃に止めるよう努力する」と明記された。これは、世界が脱炭素社会へと舵を切ったことを意味するものであり、これからの気候変動対策は従来の延長線ではなく、中長期視点での厳しい対策が不可欠となった。

しかし、国内では、早くも「1.5℃など無理」といった消極論が産業界から出ている。
それを反映して、昨年12月22日に開催された地球温暖化対策推進本部(本部長は安倍首相)の会合では、「2℃目標が世界の共通目標となり」という説明文を添えた地球温暖化対策の取組方針を決定するなど、世界の動きに反するものばかりが目立つ。

「1.5度は無理」などと言っている業界に、将来はない。
そして、石炭火力の新設容認や1.5℃を消してしまった取組方針は、まさに短期的経済優先の現政権の意向を反映したものであり、それに屈した環境省にはがっかりである。

それでも、私たちには、将来世代への責任がある。
日本の環境政策の中心を担う環境省には、善良なる国民、次世代の若者、そして私たちのような環境NPOを味方に付けて、その使命を全うしてほしいと強く願う。
そうでなければ、その存在価値さえ危うくなってしまうのではなかろうか。
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by JAES21 | 2016-02-09 17:30 | 藤村コノヱが斬る
「無電柱化推進法」成立の期待
本日、2月2日付の毎日新聞によると、全国245人以上の首長からなる「無電柱化を推進する市区町村長の会」が昨日首相官邸にて安倍首相と会談し、電線の地中化を推進化する法案の成立と自治体の負担軽減のための予算確保を要請したという。

記事によると首相は、「国民誰もが賛成する話だ。2020年の東京五輪・パラリンピックまでにスピードを上げ、頑張って進めましょう」と前向きな姿勢を示したという。私自身は、この問題に随分前から関心を持って見てきた。

若いときに三年間、パリにあるOECD代表部で環境担当の書記官として過ごしたあと、東京に戻ると、都市景観が電線電柱、野外広告などが一杯で、本来ならもっと美しい街の景観が損なわれていることに心が痛んだ。また、ひとたび地震や台風などの災害があったときは、電柱・電線は復旧を妨げる大きな原因であると見ていたからである。

今から37年程前、当時、環境庁の若手職員が自主的に立ち上げた、アメニティ研究会の座長であった私は朝日新聞の論壇に「電線を地下に埋めよう~美しく安全な都市を作るために(昭和53年10月14日付)」と題して投稿したことがあった。すると、すぐに東京電力の担当者が、環境庁の私のところにやってきて、電線電柱の地中化は無理だということを強調して行った。その時の理由は、地中化はコストが極めて高いこと。また、停電の際には、地中にあるとどこで停電したか分からず復旧が遅れるなどを強調していたように今でも覚えている。

この二つの理由のうち、地上に比べコストが高くなることは、当時も今も理解しているが、どこで停電したか分からないというのは、未だに理解出来ない。
なぜなら、ヨーロッパなどでは地下化は早くから進められ、どこで停電したか分からないという話は聞いたことがないからである。

それはさておき、37年前とは異なり、今の日本は、高度経済成長期ではない。人口は減り、高齢化が進み、ある意味、落ち着いた社会になりつつある。そのようなときに、都市を中心にかつて日本の街がもっていた品格を取り戻すには、電柱・電線の地中化はちょうどよい。電柱・電線が地中に入ると、屋外の広告物の乱雑さも目に直接飛び込むようになり、これもなんとかしなければ、という動きになるだろう。この他、電柱があると、歩行者や自転車の交通にもかなりの差し障りがあるので、この観点からも地中化が望ましい。

オリンピックがあろうとなかろうと本来、もっと早く進めてしかるべき対策であるが、心ある地方の首長さんたちも立ちあがったようで、この動きは大歓迎だ。

記事によれば、自民党は昨年「無電柱化推進法案」を取りまとめており、今国会に提出する予定であるという。野党の協力も得ながら、ぜひ早期に成立させてほしいと思う。
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by JAES21 | 2016-02-02 13:41 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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