環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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やるのか?やらないのか? それが問題
今月末からパリで開催されるCOP21。テロの影響で世界各国のNGOが連携して行う予定であったアースパレードは、パリでは中止になったが、会議自体は開催の予定である。

いうまでもなく、COP21は人類社会にとって重要な会議であり、この場で世界中が気候変動問題に真摯に向き合い確実に温室効果ガスを減らす方策と仕組みについて合意することが強く望まれる。しかし、気候変動との戦いはその後も続くわけで、これが終わりではない。むしろ、その後、如何に確実に温室効果ガスを削減していくかの方策が重要である。

日本の、2013年度比26%削減という2030年目標値が低いことは言うまでもない。
しかしこれさえも、実現するにはありとあらゆる手段を講じなければならず、並大抵のことでは実現しないことも事実である。

環境税・炭素税をもっと充実させ、頑張る企業や市民にインセンティブを与える仕組みも必要である。
アメリカのようにCO2を大気汚染物質ととらえ、大気汚染防止法のようなもので規制していくことも不可欠であろう。
東京都では、排出権取引で効果を上げていることを考えれば、それを全国に広げることも考えられる。
また、“温暖化対策は経済に悪影響を及ぼす”などと言った間違った認識を、早急に払拭するような広報活動も重要である。

こうした行政主導の方策だけでなく、市民にできることもある。
家庭での省エネに加えて、環境配慮型・省エネ型の商品を買ったり、来年4月からの電力自由化に合わせて、再生可能エネルギーなどのグリーン電力を買うこともできる。
個人レベルでの取組に限界を感じているならば、地域での取組に参加することもできる。
例えば、地域の交通手段を自動車から、公共交通や自転車、歩くことに転換していく方策を皆で提案して実現する。食べ物だけでなく、エネルギーの地産地消を地域全体で進めていく。そうした地域づくり、まちづくりの弊害になるような既存の制度は地域の条例などで変えていく、などなど。

環境文明21では、環境文明ブックレット8「生き残りへの選択」と題して、政治、経済、技術、教育といった大枠だけでなく、食・農、住む・街、働く、子育て、移動、消費、社会への参加、楽しむといった暮らしの中での実現策についても提案している。これを参考にして頂くことも大歓迎である。

温室効果ガス削減の方策は既に色々出ている。要はやるかどうかである。

今週末、東京と京都でパリでは中止になった「アースパレード」が開催される。
是非、世界の仲間と一緒に歩いて気候変動時代を乗り越える行動のきっかけにしてほしい。
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by JAES21 | 2015-11-24 17:44 | 藤村コノヱが斬る
明日に背を向け続けるのか、経団連”主流派”
今月の30日から始まるCOP21の舞台であるパリでは、大規模かつ無差別のテロによる惨劇がまた発生した。

その背景は複雑であろうが、私の頭にすぐ思い浮かんだのは、本年6月、ローマ法王が環境回勅なるものを発し、そのなかで地球環境問題の悪化と貧困、格差、差別などの社会問題とは同根であると指摘していることが思い浮かんだ。

まさに、グローバル規模で展開される人間の飽くなき経済の追求により発生した地球気候の大異変と、今回の残忍なテロとは、大きな目で見れば、ともに人間社会を破壊に導く同根の問題であるように私にも思われる。

その温暖化問題に対し、経団連の主流に位置する人たちの後ろ向きの姿勢は相変わらず続いているようだ。先月末に開催された関東経済産業局主催のセミナーにおいて、経団連環境本部の統括主幹は、パリで合意されるべき文書には拘束力のある新たな国際的枠組みを設定することに消極的な姿勢を示すとともに、日本での温暖化対策についてはキャップ&トレード型の排出量取引制度や炭素税、再生エネの固定買取制度のような規制的手法は導入すべきでないと強調していると言う(『エネルギーと環境』11月5日付)。

経団連の中でも、特に鉄鋼、電力、製紙、化学などの主流派は、CO2を環境アセス項目から外せと主張している。このような動きを見ていると、一体、経団連主流派は、気候変動時代に日本の産業界が向かうべき方向性や政策の在り方などに対しては、相変わらず後ろ向きで、現時点での利益確保に汲々としているように見える。これだと環境分野の日本の競争力の低下は否めないのではないか。

その一方で、経団連の有力な加盟会社であるトヨタは、本年10月に「環境チャレンジ2050」というポリシーを発表し、その中で、新車CO2ゼロ、ライフサイクルCO2ゼロ、工場CO2ゼロなど環境負荷ゼロチャレンジを高らかに発表している。

日刊工業新聞(11月13日付)によると、“環境負荷ゼロ”へアクセルを一気に踏み込んだ理由を内山田竹志トヨタ会長は、「今の変革ペースでは追いつけないスピードで、地球環境が失われている。高いレベルでのチャレンジが必要になった。」と説明しているという。

同じ経団連のなかでも専ら後ろをむいて日本の産業の健全な前進を邪魔するのに汲々としている業界と世界の規制の流れとマーケット動向を視野に入れ、早目早目に手を打っているトヨタのような会社との差が鮮明になっている。

どちらの方向が明日の日本社会を牽引するのに役立つか、遠からず歴史が証明するであろう。
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by JAES21 | 2015-11-17 17:30 | 加藤三郎が斬る
人間の知恵と行動で、二つの危機は乗り越えられる!
4日、原子力規制委員会は、日本原子力研究開発機構(JAEA)は高速増殖炉もんじゅの運営主体として不適当であり、文部科学大臣はこれに代わる主体を明示すべきとの勧告を出した。

勧告の直接の原因は、2012年に約一万件の点検漏れがあり、それ以降も新たな点検不備が繰り返されたことによるという。2012年と言えば、既に福島事故が起きた後である。にもかかわらず、である。しかももんじゅには、この20年に一兆円の税金が投入され、現在も維持管理と安全対策のために一日約5千万円もかかるという。さらに、1500tものナトリウムが冷却剤として保管されているらしく、爆発による大きな危険性も抱えている。

この勧告により廃止論が盛り上がることを期待したいが、一方で、“原子力ムラ”が息を吹き返していることも事実である。
相次ぐ再稼働の動きに加え、私たち環境派の身近にいる電力関係者からさえも、温暖化の危機を食い止めるには原発は必要との声が上がり始めている。

国立環境研究所とみずほ情報総研は、持続可能な社会構築に向けた国際的研究機関との連携による国際プロジェクト(DDPP)において、日本を対象とした分析結果「日本における大幅な脱炭素化への道/2015年日本報告書」を取りまとめている。

これによると、2050年までに原子力を完全に廃止しても2050年80%削減は、再生可能エネルギーとCCS設備のある天然ガス火力で実現可能という結果を導き出している。但し、
同報告書では原子力廃止に伴う電力不足を補うために、石炭火力やガス火力を一時的にCCSなしで稼働させることから生じるCO2は大きな課題としているが、それは、技術力と投資により解決できる課題ではないだろうか。

温暖化に伴う気候変動の危機も、原発事故に伴う危機も、両方とも避けたい。
そのためには、常時莫大な費用のかかる、そして一度事故が起きれば長期間にわたり取り返しのつかない悪影響を及ぼす原発は早期に廃止する。
そのかわり、そこに投入される莫大な費用と知恵を温暖化防止のための技術や整備、教育や支援などのソフトにも投入すればいい。

簡単なことだと思うのだが、権力と既得権益に固執する人たちには、なかなか通じない。
両方の危機を回避するための知恵と行動を、どうすれば多くの人に伝えられるか、悩ましい毎日である。
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by JAES21 | 2015-11-10 17:30 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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