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「株屋政治」を嘆く
ここ一週間ほど、新聞やテレビを見ていると株価の乱高下を伝えるニュースが目立つ。発端は中国上海の株が暴落したことだが、それにつれて東京やNYなどの主要な株取引所でも株価は大幅に落ちて、「世界同時株安か?」などと大騒ぎをしている。

その心配は株屋の世界だけに留まらず、中国政府は何をしているのか、日銀は何をしているのか、政府与党は何をしているのか、日銀の黒田総裁を国会に呼べ…など永田町の議員たちの間でも声高に語られているという。与党のある人は、せっかく首相の「70年談話」で内閣支持率が上がったのに、今回の株暴落で安倍内閣の支持が下がるのではないかなどと騒いでいるらしい。

要は、世界も日本も、ジェットコースターのような株価の変動に振り回され、蜂の巣をつついたような騒ぎになっているらしい。いわゆるグローバル金融市場になって、株価も経済の実態を反映せず、もっぱら投機筋の利害で動く事態になってきたのをみれば、政治家や政策に株価を委ねるのは、適切ではなく、嘆かわしいと言わざるを得ない。これでは、日本の政治も「株屋政治」に堕したといってもいいかも知れない。

株価で政治が大騒ぎしているその一方で、気候変動による異常な現象は世界各地で猛威を振るっている。アメリカのカリフォルニアなどでの猛烈な山火事などは、気候変動によって乾燥が常態となり、地下水もどんどん下がっている中での気象災害だ。もちろん山火事だけでなく、強力な台風、ハリケーン、干ばつ、竜巻などオンパレードだ。

また、人口の減少、高齢化が進み、その煽りを受けて、地方が衰亡し、消滅していく問題もある。
一方、12、3歳の少年少女が真夜中の閉店した商店街を何時間もさまよっていても誰も保護しないという現実も我々は見せつけられている。学校のみならず、家庭や地域での教育はどうなっているのかという寒々とした風景だ。

これらの中長期の時間を掛けて進行してきた問題は、与野党含め政治家とそれを支持した国民が適切に対応してこなかったツケの典型だ。しかも、それは、株価の急落ほどの目に見えたショックを我々の社会に与えないものの、ボディブローのように、社会の活力とそれに立ち向かう叡智とシステムをボロボロに蝕んでいるのだ。要は、我々は政府という3mから5m先の足元しか照らさない夜間の高速バスに乗っているようなもので、20m先、50m先は最早、照らしもしないし、見ようともしない。

我々1億2,700万の国民は、そんな政治家が運転する高速バスに乗っており、何か事故が起これば、政府担当者には「想定外」で済まされる。気候変動も、地方の衰亡も、教育の荒廃も想定外。女性の地位は依然として低いままであるし、労働者の多くを非正規という身分に留めている。これらの厄介な問題はいずれも今の政治家にとっては想定外で済ませようとしているのではなかろうか。

つまり、本来、与野党の政治が真剣に取り組むべき問題はほどほどにし、「株価」に象徴されるような足元の経済問題ばかりに血道を上げる「株屋政治」の下で我々は生きているという現実の危険さをいわば共犯者である国民一人ひとりが改めて覚悟すべきなのだ。
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by JAES21 | 2015-08-27 14:49 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
東京五輪の開催時期の再検討を
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地として東京が決定したとき、私はこの決定を歓迎するとともに、夏場に開催されることに対して疑問を呈した(『2020年東京グリーンピックはいかが?』環境と文明巻頭言 2013年10月号 )。

その年の夏も猛暑による熱中症が大きな話題となっていたということだけでなく、2020年は京都議定書に代わる地球温暖化対策の新しい法的枠組みの発効が予定される年なので、尚更、地球温暖化への配慮も一つのテーマにしたオリンピックすなわち”グリーンピック”の開催を求めたのである。

東京オリンピックに関する最近の関心事は、新国立競技場の建設問題に集中している観があるが、依然として、酷暑での開催に対する多くの人の懸念が消えたわけではない。

実際、東京五輪は、2020年の7月4日から8月9日にかけてがオリンピック、パラリンピックは8月25日から9月6日にかけて開催されることになっている。この時期、東京周辺の夏が酷暑になるであろうことが解っていても、アメリカやヨーロッパでのテレビ放映権を有利に獲得しようとIOCは7月15日から8月末までの開催を求めていたという。オリンピックの全体的な管理をするIOCが、その開催費用や準備費用を賄うためにお金が必要なことは言うまでもないが、猛烈な酷暑が予想されるこの時期に東京およびその周辺でオリンピックを開くことの、選手及び観客、それをサポートする多くの人々の健康と安全を考えると、この時期の開催が適当なのか、今でも極めて疑問である。

今年の猛暑ぶりについては、多々報道されている通りであるが、総務省消防庁の統計によると8月3日から9日までの一週間だけで、11,219人が熱中症による救急搬送を受けたという。そのうち、死亡した人が32名。重症が331名というから、やはり心配である。ついでにいうと、この11,200人ほどの搬送者は、昨年の同期間と比べると2倍強増えている。だからといって、2020年に同じような状況になるとはもちろん分からないが、一般的には温暖化のテンポが加速しており、不幸な場合には、オリンピックのいくつかの競技の取りやめないしは大幅変更せざるを得ないような大混乱になるかもしれない。

ちなみに、2022年にカタールで開催される予定のサッカーのワールドカップは、例年通り6月から7月にかけての開催を予定していたが、この時期だと選手や観客等に対する猛烈な暑さによる影響が心配されたため、11月~12月に変更したと伝えられているが、この変更は賢明な判断だったと思う。

競技者が安心してプレイできる環境を整えることはもとより、観客など多くの五輪関係者の健康保持を考えると、猛暑が発生する可能性がある時期をずらす交渉を今からでも日本は始めるべきではなかろうか。酷暑との戦いで大混乱した五輪として記憶される事態を避けるためにも二の足を踏んでいる暇はない。

その一方で私自身は、このようなことをすれば、地球温暖化の脅威の現実が世界中の人々に否応なしに共有されるまたとない機会にもなるという思いをひそかに抱かないわけではないが、熱中症など人命の心配のない、万全で安全なオリンピックが望ましいことは言うまでもなかろう。関係者の賢明で勇気ある再検討を期待する。
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by JAES21 | 2015-08-18 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
“乾いた雑巾”なんて、とんでもない!!
本当に暑い日が続いている。
暑いだけではない。短時間豪雨、竜巻など異常気象が日本各地を襲い、多くの被害が出ている。

日本だけではない。
ここ数日の間でも、インド、中国、ミャンマーでは豪雨による被害が拡大し、多くの死者が出ている。
アメリカ・カリフォルニア州では、乾燥による山火事で、一万人以上に避難指示や勧告がだされ、州知事は非常事態宣言を発令した。
アメリカでは、冬にはニューヨーク市が猛烈な寒波に見舞われ、その際にも非常事態宣言が出されていた。

日本に限らず世界中で、夏に限らず一年中、暮らしを脅かす異常気象がますます深刻化している。

先週のブログで、加藤氏が、ロシアの北極圏にあるヤマル半島の永久凍土地帯に大穴があき、温室効果の高いメタンが噴出するのではとの懸念が高まっている旨の記事を紹介した。これが現実になれば、事態はますます深刻化することは、科学者でなくとも、想像できる。

にもかかわらず、対策は遅々として進まない。

先日、ある企業研修で「企業は、本当にこれ以上“乾いた雑巾は絞れない”のか?」をテーマに話しあったが、具体例を挙げていくうちに、実は省エネ、省資源などでまだまだできることは沢山あるという結論に達した。それなのに何故できないのか? その要因は、取組強化の必要性に対する認識の甘さ、要は「腹に落ちていないため」とのことだった。
こうした感覚は、この企業に限ったことではなく、おそらく多くの企業にも言えることだろう。まして、取組強化が、実は企業戦略としても非常に有効という認識もあまり浸透していないのかもしれない。

そんな企業の”甘い“言い分を重視して、低い削減目標を設定している日本政府。
安全保障問題で頭がいっぱいの安倍総理だが、口癖の「国民の安心・安全を守る」のであれば、まずは、現実に起きているこの気候変動の危機に向き合うべきだし、力強い経済を目指すのであれば、気候変動を中心に据えた企業戦略こそを支援すべきである。
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by JAES21 | 2015-08-04 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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