環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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気候異変が招く紛争
昨30日付の毎日新聞は、アフリカのナイジェリア北東部におけるイスラム過激派ボコ・ハラムの現状と何故彼等が狂暴化しているかの記事を載せている。

ボコ・ハラムと言えば、昨年5月に学校の女生徒約270名を拉致し、奴隷市場で売り払うという声明を出したことでも世界を震撼させた。

私はボコ・ハラムという名は、この事件で初めて知ったが、アフリカを中心に激しく残忍に動き回っており、最近では、例のISとの連携が深まっているとの報道がしばしば出ている。毎日新聞の記事の中で私の注意を引いたのは、ボコ・ハラムが台頭した一因として住民の貧困があり、しかもその貧困は最近の気候変動とくにアフリカのこの地域における降水量の減少などによって、農地や水産資源に大きな影響を受けていることが一因であるとのことである。

記事によれば、チャド、ナイジェリア、ニジェール、カメルーンの4か国にまたがっているアフリカ有数の大湖チャド湖が、1972年時点と比べ、現在はその面積が3分の1以下になってしまったと指摘されている。その理由は、降水量が減り、湖への水の流入量が減少したことだ。その結果、10年前に比べると、大幅に漁獲量が減り、収入が減ってしまったので、家族を養うのが難しいという漁師の言葉を掲載し、このような状況では、1日に1回でも美味しい食事を約束すると言えば、簡単にボコ・ハラムに参加する戦闘員を見つけることが出来る旨報道している。

要は、環境異変が貧困をもたらし、貧困のなかで食べられなくなれば、ボコ・ハラムであろうがISであろうが加わって生き延びるしかないという主旨の記事となっている。

気候変動などの環境の悪化は紛争の原因になるということは、ずっと前から指摘されていたことである。例えば、氷河を水源とする河川流域で温暖化によって氷河の融解が加速されれば、まず洪水が頻発し、氷河が消え去れば、水源も消えてしまい、上流と下流の間に深刻な紛争が起こる事象などはしばしば言われてきた。

イスラエルとパレスチナの間の紛争にもこのような水を巡る環境の変化が一因であるということもつとに知られている。しかし、環境の悪化が今後も続いて行けば、日本にいては考えられないような環境災害のみならず、人が生き延びるため暴力を伴う激しい紛争に至るのだということを改めて思い起こさせた昨日の記事であった。
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by JAES21 | 2015-03-31 17:30 | 加藤三郎が斬る
環境権の行方
自衛隊の海外活動の拡大に関する議論が加速され、法案提出も間近になり、日本の安全保障政策が次の世代に大きな禍根を残すのではないかと、気がきではない毎日が続く。

その一方で、もう一つの安全保障の要である環境の悪化、特に気候変動対策に関して、現政権は全く関心を示さず、このままでは、本当に人類社会の将来が危ぶまれる状況にある。

そうした中、昨日付毎日新聞で、公明党が選挙公約で掲げている環境権の加権を除外する検討に入った旨報じられた。
環境権とは、「国民が良好で快適な環境で健康に生活するための権利」であり、新たな人権として掲げられていた。
公明党が除外する理由は、経済成長への支障の可能性、個人主義を助長する恐れなど、社会的秩序混乱への懸念だという。

実は、環境文明21では、十年来、公明党の言う環境権とは異なる、より広い視点から人類社会の持続性を確保するための「環境原則」を憲法に、という運動を展開してきた。しかし、安倍政権の下でこれを進めることは非常に危険であるとの判断から、現在は積極的な働きかけはしていない。

前述の安全保障に関して、「本当に平和の党なの?」と思うほど自民党に譲歩してしまった公明党が、これ以上、早期の憲法改正を目指す自民党に取り込まれまいとして、「環境権」の除外を検討しようというのであれば、納得も行く。

まさか、「環境政策が経済に悪影響を及ぼす」などという時代錯誤の間違った認識はないと思うが、もし仮に、経済成長への懸念という理由だけで、1990年代から掲げてきた象徴的政策を断念するようであれば、かつて環境政策に熱心で様々な環境政策を実現してきた公明党の存在価値はますます薄れてしまう。

野党が情けない現状では、日本の平和も環境政策も、政治の世界では公明党に頑張ってもらうしかない。自民党に取り込まれることなく、与党ボケすることなく、将来世代に対して重要な使命を課せられていることを肝に銘じ、公明党の真髄と気概を見せてほしいと切に願う。
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by JAES21 | 2015-03-24 17:25 | 藤村コノヱが斬る
安全装置の外れた世界に生きる
私だけの感想ではないだろうが、今、世界で起こっている様々な出来事を見ていると、人間社会の安全装置が外れてしまったと思わざるを得ない。
ISなるイスラム過激派集団の暴行は、人間に対する暴虐に留まらず、1000年も2000年も伝わった文化財の破壊にも及んでいるようだ。

シリア、イラク、パキスタン、パレスチナなどで生じている紛争、暴力、人権無視・・・こういったものは、人間として許容されるものではない。ウクライナで起こっている出来事を見ると、追い詰められると人間もここまでやるのかと言った思いが深い。

このような物理的な暴力以外でも、富める者はますます富み、貧しいものは坂道を転がり落ちるように貧しいまま。格差はますます激しくなっている。伝えられるところによると、アメリカの大企業の経営者は通常の従業員の200倍以上の報酬を得てもなお足りないと思っているらしい。中国などでは、金のために幼児を売り買いし、人倫も道徳もどこにいったやらという状況である。このような人間社会の暴走現象を見ていると、人類の歴史のなかで培ってきた様々な安全装置がほとんど機能を失いつつあるように見えてくる。

かつては法令が放縦になりがちな人間を規制し、また、精神面では、宗教、倫理、道徳、あるいはその家に伝わる家訓や、掟の類、さらには、コミュニティの慣習といったものが、人間にタガをはめ、秩序をなんとか保ってきた。

私が子供の頃は、義理人情にまつわる物語をよく聞かされ、その美しさや重要さを知らず知らずのうちに学んだものだ。これも人間社会の安全装置の一つであった。しかし、今から2世紀ほど前に、ヨーロッパで確立されてきた個人の自由、人権、また、民主主義といった理念や原則は、人間社会にとって普遍的な価値であり、保持すべき項目として尊重されてきたが、自由というのはタガが外れれば放縦となり、自由競争はあっという間に弱肉強食の世界に転じてしまう。

民主政治にしても、情報や生活基盤がほぼ共有されている人の間では、価値があっても、その条件を欠けば、金や暴力によって票を買うことが、当たり前となってしまう。

人間社会が2世紀余に亘って、大事にしてきた原理、原則が崩れていけば、もはや、弱肉強食の世界がすぐにでも出現し、それを抑える宗教も倫理も、義理人情もなくなれば、この世界はトラやライオンやヘビが横行する荒涼たる危険な世界になる。

人間のタガが緩んできたことの結果が、今見ているような世界なのかもしれない。
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by JAES21 | 2015-03-17 17:30 | 加藤三郎が斬る
4年がたって
あの日から4年がたちます。
改めて犠牲になった多くの方のご冥福をお祈りします。

そうした中、またしても、東電が、福島原発の汚染水流出を1年以上も隠していたことが発覚した。
私たちでさえ、またかと思うのだから、地元、特に漁業者の怒りと失望はいかばかりかと察する。

それにしても、当時あれほど隠蔽体質が指摘されたにもかかわらず、何故いまだに隠すのか?その理由について、あるテレビ番組で、片山元鳥取県知事が、現政権の意向に反することは言えないという意識があったのではないか、ということを語っていた。

実際、東京オリンピックの誘致の際、汚染水漏れを懸念する世界に対して、安倍総理は、汚染水は、福島原発湾内の0.3㎢内でブロックしており、「Under Control」である旨を、IOC総会の場で述べている。そしてその後も、目先の経済性を優先して、あの事故の検証も不十分なままに、再稼働を加速させ、海外への売り込みにも熱心である。

しかし、現状は、汚染水のみならず、いまだに事故により生じた放射性廃棄物は溜まるばかり。廃炉計画や通常稼働から生じる核廃棄物の処理・処分方法など一連のこともほとんど進んでいない。そして何より、福島の人たちに穏やかな日常は戻っていない。

そんな、世間を、そして世界を偽ったままで加速される現政権の原発回帰の意向に、東電も「長いものにはまかれろ」で、「Under Controlではない」とは言えなかったのかもしれない。

特定秘密保護法の施行で、政府の情報の透明性や公平性は失われようとしている。
3月号会報にも書いたが、官僚人事を官邸が主導する仕組みができた(昨年5月)ことで、官僚を委縮させる事態も招いている。

「言いたいことが言えない」「戦前の様相に似てきた」と戦前を知る知識人が語っていたが、戦争を知らない私にも、そのことの意味が分かる気がしてきた。

私の尊敬する政治家、メルケルさんが来日している。
福島をきっかけに脱原発を進め、過去の総括の上に和解による平和を希求する彼女は、こんな日本の状況を、民主主義国のリーダーとして、科学者として、そして女性として、どのように見ているのだろうか。
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by JAES21 | 2015-03-10 17:00 | 藤村コノヱが斬る
タガが外れた世界
昨日今日始まったわけではないが、20世紀末頃から、特に21世紀に入って、世界では、信じられないような出来事が次から次へと起こっている。異常気象や生物界の多様性の喪失はもとよりだが、それだけでなく、世界の各地で民族や宗教の違いによる暴力やテロの発生、さらには貧富の差が極端になり、巨万の富を抱える人がいるかと思うと、食べる物にも事欠き、人間らしい生活すら奪われている人が沢山出現している。
 
昨今、ISなる過激集団が、人質の残忍な殺害をテレビのショーのように見せ、また、アフリカのボコ・ハラムなる組織は、女子生徒らを拉致、「奴隷として売り飛ばす」などと犯行声明を出している(ナイジェリア拉致事件)。さらに、最近では、少女の体に爆薬を巻き付け自爆させる自爆テロといった人間として到底許されないことが次から次へと起こっている。

このように、私たちの目の前で、極端で残忍な行為、非人間的な行動が連日のように報道されているなかで、アメリカや日本の株価は、十数年ぶりの最高値を出し続けているらしい。このような世の中の姿を見ていると、まさに世界はタガが外れ、無秩序化し流動化し始めたと感じざるを得ない。過去数世紀に亘り、曲がりなりにも、数十億人の人間社会を統治してきたもろもろの原理や制度が音を立てて崩れようとしていることを意味しているのであろう。

すなわち、自由とか民主主義、自由主義経済、平等、科学技術の進歩を喜ぶ気持ちや願い、そういった数世紀に亘って通用してきたものが挑戦を受け、そして、もろくも崩れ始めた時代に我々は生きていると考えざるを得ないのだ。
過去において、このような末世的社会にあって人を支える力のあった宗教や社会が持つ道徳感が、極めて無力化された時代においては、最早、頼りにする術も一つ消え、二つ消えていっているようだ。

何から立て直したら良いのか、結局、もう一度教育や宗教や倫理道徳といったものの価値、すなわち人間が人間として生存する基盤を立て直すしかないのではなかろうか。

小学校で株の仕組みを教えたり、英語教育をやったり、そんなことをしている場合ではないと思うが、それも単なる嘆き節をいくら言っても、世の中を変えることは出来ない。組織立って現状をしっかり把握し、戦略を練り、半世紀から一世紀をかけて、人間社会をじっくり立て直すしかないだろう。
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by JAES21 | 2015-03-03 17:26 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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