環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

<   2014年 10月 ( 5 )   > この月の画像一覧
深刻な停滞

ドイツのボンで開催されたCOP20の準備会合の様子が報じられた。
産業革命後の気温上昇を2℃未満に抑えるには、各国が意欲的な温室効果ガスの削減目標を設定することが重要であり、その目標案の妥当性や公平性を相互に検証する会合を来年6月に開催するという議長案をまとめ閉幕したという。

こうした世界の流れの中で、日本はと言えば、原発の今後が不透明な中で電源比率の割合が決まらないことを理由に、削減目標はもとより、目標提出時期のめどさえ立っていない。
実際に、2020年以降の国内の削減目標づくりは議論が始まったばかりで、しかもその議論も、いつもながらの経済団体出身委員の後ろ向きな発言により、遅々として進まない様子である。

現政権が気候変動問題に消極的なことをいいことに、このまま国内議論が滞り、低い削減目標しか日本が示すことができなければ、世界からの失望と非難はもとより、京都議定書を取りまとめた日本政府の頑張りは過去の栄光となり、この分野で日本がリーダーシップをとることは絶望的となる。

加えて、既に世界の企業は気候変動への対応は不可欠のこととして受け止め、積極的に企業戦略に組み込んでいる中で、日本政府の煮え切らない態度が続けば、経済活動においても日本の企業は大きく出遅れることになる。

IPCC第五次報告、そして何より世界中で頻発する気候変動の状況を見れば、温暖化の危機が迫っていることは疑う余地はない。
世界の政治も企業も、この気候変動の危機をチャンスととらえ、いかにして先頭を走るかを競い始めている。

「温暖化対策を進めると、経済が・・・」などという昔話を繰り返し、足踏みしているのは日本だけである。
[PR]
by JAES21 | 2014-10-28 17:00 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
危うし、生物多様性
世界も日本も危機を告げる話が最近多すぎる。

株価の急落など経済の不安定、エボラ出血熱の爆発的な増加、イスラム国と称する過激派集団の中東での大暴れ…こんなことを書き出したらきりがない。
そのせいか人々は、何が起きても驚かないような不感症に陥りつつあるのではないだろうか。

そのような中にあっても、スーパー台風や竜巻、ゲリラ豪雨などによる土石流被害などは、日本はもとより世界中で頻発しているので、最近の天候は異常だと危機感を抱くようになっている人は多い。しかし、生物の多様性の方はどうだろうか。

先日発表された内閣府の世論調査によると「生物多様性」という言葉自体を聞いたこともないという回答が半数を超えた。
生物多様性に関する締約国会議(COP10)を4年前に大々的に開催した国の国民が、その会のタイトルである生物多様性について知らないというのは、私にとっては驚きだ。

韓国で開催されていた生物多様性に関する後継の国連会議(COP12)が先日、閉幕したが、日本のメディアは、先進国が途上国に対する支援を倍増することになったという程度の記事しか書いておらず、関心の低さを見せつけている。

しかし、生物多様性を巡る現実そのものは、極めて深刻である。
国際自然保護連盟(IUCN)が、本年7月に発表した最新のレッドリストによると、調査した7万4千余種のうち約30%にあたる2万2千余種が絶滅の恐れにあるとしている。さらに、9月の末に世界自然保護基金(WWF)が発表した数字は、もっと身の毛のよだつものである。それによると1970年から2010年までの40年間で、世界に生息する野生生物の個体数がなんと半減(52%)したという。最も影響が大きかったのは、淡水生物で、8割近くが減少。海洋や地上に生息する生物も、約4割近くが減少だったという。

異常気象と違って、普通の社会人にとって生物多様性は関心の外にあるのではなかろうか。昆虫や植物の種が一つや二つ減ったからといって、また個体数が5%や10%減ったからといって、それが自分や孫子の生活にとってどういう意味を持つのかという疑問すら抱かずに日々忙しく生活しているのだろう。しかしながら、この結果は、遠からぬ将来に大きなツケとなって、私たちの生活に思わぬ形で襲ってくるだろう。まさに「危うし、生物多様性」である。
[PR]
by JAES21 | 2014-10-21 14:13 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
ノーベル賞受賞に思うこと

先週は日本人三名のノーベル物理学賞受賞のニュースで、日本中が盛り上がった。

研究内容そのものが素晴らしいことは言うまでもないが、私としては、原理を発見した赤﨑教授、それを実験で裏付けた天野教授、そして実用化した中村教授、その各氏の果たした役割と努力の積み重ねが正当に評価され、科学者として最高のご褒美が与えられたことが、他人事ながらとてもうれしかった。

加えて、3人三様ではあるが、学者・科学者の一般的なイメージ(少々頑固で世間には疎いけれど、まじめで清廉で研究一筋の努力家)に違わぬお人柄が、(メディアを通じてしかわからないが)にじみ出ていて、そのこともとてもほほえましかった。

というのも、最近は学者・科学者の中にもその本分を忘れ、名声や権力におもねたり(いわゆる御用学者)、研究費欲しさに企業の研究開発支援や軍学共同研究(防衛省技術研究本部と大学、研究機関とが共同で行う研究)にばかり熱心な学者・科学者も見受けられるからだ。特に安倍政権になってからは、軍学共同研究が増えているという。

一方、社会も、“ニュースになる”あるいは“儲け”に直結するような研究を期待し、そこには多額の資金も投じるが、先の見えない基礎的研究には冷たいというのが最近の傾向といえよう。学術の分野にも、経済至上主義、成果主義が蔓延しつつあるようだ。

こうした事態を見越してか、1950年日本学術会議は「戦争を目的とする科学研究には絶対従わない決意」を表明している。また、科学と科学的知識の利用に関する世界宣言(ブダペスト宣言、1999年)では、「科学は人類全体に奉仕すべきものであると同時に、個々人に対して自然や社会へのより深い理解や生活の質の向上をもたらし、さらには現在と未来の世代にとって、持続可能で健全な環境を提供することに貢献すべきものでなければならない」としている。

2012年に山中伸弥教授が受賞した折も、その人間性に感動したが、今回の三氏の受賞も、改めて、科学そして科学者のあるべき姿を示してくれたように思う。
そして、30年後も彼らの姿を見て、真の科学者として世界に誇れる人財が出てきてほしいと願う。
[PR]
by JAES21 | 2014-10-15 17:00 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
つながろう!!日本の環境NPO
日本で、NPOという市民団体が法律に基づいて存立するようになって、15,6年の時を経た。この間、環境分野で活動しているNPOは、当会環境文明21をはじめとして数千になると思われる。

しかしながら、そのほとんどが会員の数も、事務局スタッフの数も、また、活動資金も小さなNPOである。大企業経験者たちに「一つ一つのNPOはそれなりに真剣に活動しているが、あまりにも小さく、そして、同じようなことをやっている。それなのに団体同士での連携も乏しい。なぜ、大きくまとまろうとしないのか。」と、繰り返し言われてきた。

しかしながら、NPO活動をしている団体はいずれも、独自のミッションを持ち、唯我独尊とまでは言わないまでも、独自性を大事にしているので、寄り集まることには抵抗が強い。またNPOに関わる人たちは、小さくとも、一国一城の主であることが居心地よく、大きくして誰かに牛耳られる結果になることを嫌がる傾向も強い。そういった事情からこれまでは、つながろうとしなかったのだが、ここにきて、このままでいいのかという思いや反省をあちこちのNPOが感じ始めたようである。

環境文明21では、2年前から三井物産環境基金の助成を受けて、日本のNPOが、社会の期待に応えられるようパワフルになるにはどうしたらいいかの調査検討、つまり「環境NPOのエンパワーメント戦略」を検討してきた。

その検討の最後の段階で、やはり今のように環境分野のNPOが小さくバラバラで、果たすべき必要なミッションを十分に果たしていないのは、何としてももったいない。それぞれの団体のミッションや理念は尊重しつつも、環境NPOに共通する問題もいくつもあり、それを解決するためにも、環境NPOは繋がるべきではないかという意見が、日本NPOセンター顧問の山岡義典さんなどから出てきたのに呼応し、去る9月26日、環境文明21の集会の場を使い、表題にある「つながろう!!日本の環境NPO」と銘打って、シンポジウムを開催した。

これに先立ち、私たちと同じ思いでいるであろうNPOに声を掛けたところ、とりあえず12の団体*が名乗りを上げ、仮称「グリーン連合」設立のための呼びかけ人になってくれたので、当日、正式に設立の意志を表明した。グリーン連合の活動内容などを詰めていくことになるが、環境NPOに共通する問題の解決を目指すだけでなく、市民版の環境白書を定期的に発行するとか、環境NPOの全国集会を開催して、市民社会に盛大にアピールしようとか、さらには環境派の議員がもっと活躍できる場をつくっていこうとか今は考えられている。

関心のある方は当会事務局まで、お問い合わせいただきたい。

*足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
  ezorock
  オーフス・ネット
  環境市民
  気候ネットワーク
  原子力資料情報室
  サステナビリティ日本フォーラム
  ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
  地球と未来の環境基金
  つくば環境フォーラム
  菜の花プロジェクトネットワーク
[PR]
by JAES21 | 2014-10-07 11:55 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
つながろう!!日本の環境NPO
日本で、NPOという市民団体が法律に基づいて存立するようになって、15,6年の時を経た。この間、環境分野で活動しているNPOは、当会環境文明21をはじめとして数千になると思われる。

しかしながら、そのほとんどが会員の数も、事務局スタッフの数も、また、活動資金も小さなNPOである。大企業経験者たちに「一つ一つのNPOはそれなりに真剣に活動しているが、あまりにも小さく、そして、同じようなことをやっている。それなのに団体同士での連携も乏しい。なぜ、大きくまとまろうとしないのか。」と、繰り返し言われてきた。

しかしながら、NPO活動をしている団体はいずれも、独自のミッションを持ち、唯我独尊とまでは言わないまでも、独自性を大事にしているので、寄り集まることには抵抗が強い。またNPOに関わる人たちは、小さくとも、一国一城の主であることが居心地よく、大きくして誰かに牛耳られる結果になることを嫌がる傾向も強い。そういった事情からこれまでは、つながろうとしなかったのだが、ここにきて、このままでいいのかという思いや反省をあちこちのNPOが感じ始めたようである。

環境文明21では、2年前から三井物産環境基金の助成を受けて、日本のNPOが、社会の期待に応えられるようパワフルになるにはどうしたらいいかの調査検討、つまり「環境NPOのエンパワーメント戦略」を検討してきた。

その検討の最後の段階で、やはり今のように環境分野のNPOが小さくバラバラで、果たすべき必要なミッションを十分に果たしていないのは、何としてももったいない。それぞれの団体のミッションや理念は尊重しつつも、環境NPOに共通する問題もいくつもあり、それを解決するためにも、環境NPOは繋がるべきではないかという意見が、日本NPOセンター顧問の山岡義典さんなどから出てきたのに呼応し、去る9月26日、環境文明21の集会の場を使い、表題にある「つながろう!!日本の環境NPO」と銘打って、シンポジウムを開催した。

これに先立ち、私たちと同じ思いでいるであろうNPOに声を掛けたところ、とりあえず12の団体*が名乗りを上げ、仮称「グリーン連合」設立のための呼びかけ人になってくれたので、当日、正式に設立の意志を表明した。グリーン連合の活動内容などを詰めていくことになるが、環境NPOに共通する問題の解決を目指すだけでなく、市民版の環境白書を定期的に発行するとか、環境NPOの全国集会を開催して、市民社会に盛大にアピールしようとか、さらには環境派の議員がもっと活躍できる場をつくっていこうとか今は考えられている。

関心のある方は当会事務局まで、お問い合わせいただきたい。

*足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
  ezorock
  オーフス・ネット
  環境市民
  気候ネットワーク
  原子力資料情報室
  サステナビリティ日本フォーラム
  ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
  地球と未来の環境基金
  つくば環境フォーラム
  菜の花プロジェクトネットワーク
[PR]
by JAES21 | 2014-10-07 11:55 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
カテゴリ
全体
会報巻頭言『風』
加藤三郎が斬る
藤村コノヱが斬る
共同代表が斬る
はじめにお読み下さい
未分類
以前の記事
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
フォロー中のブログ
最新のコメント
コメントありがとうござい..
by JAES21 at 15:12
アメリカでできることがな..
by 神戸山太朗 at 11:46
(NO3)小生などは、竹..
by 神戸山 at 09:56
(NO2)2日はまた、家..
by 神戸山太朗 at 09:54
小生宅のお正月風景。お正..
by 神戸山太朗 at 09:50
同意です。アベノミクス以..
by 環境問題を憂う者 at 18:35
少し腹が立ちました。宮沢..
by 浅田益章 at 02:08
リニア計画については、私..
by はじめまして at 13:19
エキサイト初心者です ..
by 始めましてsanaeこと 立花早苗です at 15:54
はじめまして。HPの文章..
by 島田敏 at 16:49
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧