環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

<   2014年 05月 ( 4 )   > この月の画像一覧
頑張れ!!司法
頑張れ!!司法

大飯原発の再稼働に対する運転差し止めの判決について、この国の現在および将来を憂う多くの人々から称賛の声が高まっている。

私自身、環境文明21会報5月号で「倫理なき日本の原子力政策」と題して、ドイツの倫理委員会の報告内容を引用しながら、この問題に触れたばかりだったので、この判決にはわが意を得たりという思いでいっぱいである。

判決内容については、既に公表されているので、それをご覧頂きたいが、“全ての人が安心・安全で心豊かに暮らせる持続可能な社会”を築きたいと常に願い活動している私が注目したのは、おおよそ次の点である。
①我が国の法制下においては人格権を超える価値を他に見出すことはできないと断言した点
②使用済み核燃料の危険性に触れた点
③CO2排出削減に役立つとする主張は運転継続の根拠としては甚だしい筋違いだと断じた点
④将来世代への現世代の責任に言及した点
⑤人の生命と発電コストを並べて論じることは法的には許されないと断じた点

そして、
⑥「たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と明言した点である。

この判決に対して、早々に、政府、規制委員会は「これまでの方針と全く変わりない」との見解を発表した。

一票の格差是正は後回しにしたまま(違憲状態のまま)、特定秘密保護法の成立、憲法解釈の変更提案など、民主主義の根幹を揺るがすような政権運営が続いているが、この発言も、司法・立法・行政が互いに牽制し合って権力の濫用を防止するとする憲法の三権分立の精神に大きく反するものだと思う。

今後、二審、最高裁でどのような判決が出されるか注目されるが、法の番人として、正義の味方として、政治家などからの圧力に屈することなく、今回のような世界と将来世代に誇れる判決を心から期待している。
[PR]
by JAES21 | 2014-05-27 11:55 | 藤村コノヱが斬る
安倍首相、異次元の異常気象から国民の生命と暮らしを守るのも首相の責任ではありませんか?
5月15日、安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(いわゆる「安保法制懇」)」が、集団的自衛権の行使容認を求める報告書を安倍総理に提出したのを受けて、総理は記者会見を行い、本件に関する政府対応の基本的方向性を示した。

その中で、首相は繰り返し安全保障に関連し、「私たちの命を守り、平和な暮らしを守るのが、総理大臣である私の責任である」と強調しており、記者との質疑応答の最後の部分でも次のように述べている。

「内閣総理大臣である私はいかなる事態にあっても国民の命を守る責任があり、想定外は許されない。現実に起こりえるあらゆる事態に対して切れ目ない対応を可能とするため、万全の備えをしていく。」

私はその記者会見をテレビで見、また翌16日の各紙報道を読み、安倍さんにとって、国民の生命と平和な暮らしを守る責任を感じる対象は、軍事的な衝突だけなのかと改めて残念だ。

このブログで繰り返し指摘しているように、今や、気候変動に伴う異常気象はかつてに比べ、文字通り異次元のパワーを見せつけている。それは日本においても山崩れ、洪水、竜巻など今までに経験したことのないような様々な被害が各地で発生しているが、より大規模なものは世界のいたるところで起こっている。昨年11月の台風30号によるフィリピン・レイテ島の惨状は未だに記憶に新しい。これによって多くの人命と平和な暮らしは奪われた。

本年2月16日、米国のケリー国務長官はジャカルタで気候変動は”大量破壊兵器”の域に達した旨、発言し、また英国の首脳は気候変動の脅威は安全保障問題と捉えて繰り返し発言している。つまり、国民の生命や暮らしを脅かしているものは、ミサイルや潜水艦だけでなく、ゲリラ豪雨や竜巻など気候変動もだ、との認識は世界の政治指導者の間では共有されつつあるのだ。

安倍さんは想定外は許されないと述べている。
しかし、異常気象が日本を含む人類社会にもたらすインパクトは最早想定外ではない。四半世紀を越えるIPCCの地道な活動によって、その驚異がますます明らかとなり、それを予測する精度は飛躍的に上がっている。このように想定外どころか想定されているにも関わらず、安倍内閣は真剣な対応を取ろうとしていない。

安倍さんに再び問いたい。内閣総理大臣であるあなたには、いかなる事態にあっても国民の命を守る責任があると言うのであれば、何故、軍事的な脅威よりも、ある意味、より切迫している異常気象の脅威に対応しようとしないのか。

同時にまた石原環境大臣をはじめとする環境行政にあたる責任者たちは、何をしようとしているのか、その責任を強く問いかけたい。
[PR]
by JAES21 | 2014-05-20 11:50 | 加藤三郎が斬る
正々堂々の憲法議論を
集団的自衛権の憲法解釈の修正に向けた動きが活発化している。
憲法96条改正が裏口入学と批判されたが、それにも勝る、国民不在の横暴なやり方ではないかとの非難が高まっている。

憲法と言えば、従来は、「9条」についての「特定の人々による」憲法議論であったが、今年の憲法記念日には、若者や女性が主催する従来型とは異なった集会が各地で開催された。9条だけでない憲法議論が始まったことはうれしい限りである。

しかし国の議論でも、そうした議論でも、日本をどのような国にしていくのかという根本的な議論が欠けているように思えてならない。憲法は極めて重要であるが、一つの手段であり、その目的、目指す国の姿についての議論がなされないままに、憲法議論だけが進むのはおかしなことだと思う。

環境文明21では、目指すべき社会像として「安心・安全で心豊かに暮らせる持続可能な環境文明社会」を掲げ、それを実現する一つの手段として「憲法に環境原則を!」導入することの提案を続けている。
平和国家は誰しもが望むことであるが、気候変動など自然界の異変が続く中で、平和で持続的な国家を築くためには、9条の保持だけでは不十分ではないかという思いからである。

明治憲法制定時も、また終戦後にも、市民の間で憲法議論が高まり、市民草案なるものも提案されていたという。

一見平和ではあるが不安一杯で先行き不透明な今だからこそ、そんな国民的議論の盛り上がりを期待したいが、まずは、国会がその見本となる、正々堂々の議論を展開してほしいものである。そのためにも、私たち一人一人が関心を寄せ続け、発言していくことを忘れてはならない。
[PR]
by JAES21 | 2014-05-13 19:21 | 藤村コノヱが斬る
やっと反応があったリニア新幹線
このブログを見てくれている人は多分、私がかなり前からリニア中央新幹線プロジェクトに対して深刻な疑問を持っていることをご存じだろう。

私たちNPO法人環境文明21の会報(2011年10月号)において意見を述べただけでなく、同種の疑問をJR東海の当時の会長葛西敬之氏、国土交通大臣、国土交通省の鉄道局長及び環境大臣などに宛てて、文書で意見を提出し、また当時、国土交通省が求めていたリニア中央新幹線建設計画に対するパブリックコメントにも応募している。しかし、予期した通り、どこからも全く反応はなく、無視された。

本件に関する私の意見は、このブログにも過去に書いているので繰り返さないが、本年2月6日付の毎日新聞で、森地茂教授がリニア中央新幹線のプラス面を中心に述べている記事を目にし、それに対する反論として私は本年3月31日の毎日新聞に寄稿した。

このように、これまで様々な場面で意見を述べてきたが、特に事業を実施しているJR東海はもとより国土交通省からも何の反応もなく、言いっぱなしの状態であったが、今回、毎日新聞に書いた拙稿に対して初めて、JR東海の中央新幹線推進本部長の宇野護氏から5月1日付毎日新聞(夕刊)紙上で反論を含む反応があった。数年掛かって事業側からの反応があり、私にとってはやっとコミュニケーションの端緒ができたのかなと思っている。この欄では、私の毎日新聞における投稿内容とそれについての宇野氏の反応については繰り返さない。ぜひ紙面をご覧いただきたい。

リニア新幹線に疑問を持っているのは、もちろん私だけではない。例えば、橋山禮治郎氏の一連の言論活動がある。同氏の岩波書店出版の『必要か、リニア新幹線』などその代表例である。私自身があえて、リニア中央新幹線に疑問を感ずる一番の根底にあるのは、「経済至上の価値観の下で、技術を過信し、効率性の追求に明け暮れている20世紀型の文明」の行く末に深刻な懸念を持っているからである。その一つの象徴が原子力発電であり、もう一つがリニア中央新幹線であると直感している。

私たち環境文明21は、この経済価値を中心に据えた文明から、もう少しゆとりのある持続可能な社会に造り替えていかなければならないと考え、20余年主張してきた。20世紀型経済至上の科学技術文明が環境の大規模かつ急速な破壊や資源の枯渇、そして、異常気象の頻発などの災難をもたらしたという認識から、20世紀型文明に替わる文明はどんな姿か、またどうすればそこに至ることができるか追求しているNPOである。

私たちが手探りで探ってきた途中成果は、ブックレット『生き残りへの選択(2013年8月)』や書籍『環境の思想(2010年1月)』に見ることができる。その立場からのリニア中央新幹線批判であるので、この機会に多くの方に見てもらい検討してもらって、私たちが提案するような道に行くべきか、あるいは、例えばリニアについて言えば、JR東海の宇野護氏が主張するような道に行くほうがいいのか真剣に考えていただければありがたい。
[PR]
by JAES21 | 2014-05-02 15:37 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
カテゴリ
全体
会報巻頭言『風』
加藤三郎が斬る
藤村コノヱが斬る
共同代表が斬る
はじめにお読み下さい
未分類
以前の記事
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧