環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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気候変動は決定的、それなのに・・・

先週の春分の日、横浜市とNPOの共催、協力によるシンポジウム「だめじゃん、地球温暖化。異常気象が日常に!?」が横浜で開催された。これは、IPCC総会横浜会議のサイド・イベントとして開催されたものである。

当日は午前に学生によるワークショップ、午後は研究者やNPO、さらに農業や水産業に関わる現場から科学的なデータを裏付ける海や陸での異変の現状が発表され、科学的にも、実際の生活の場でも、気候変動の影響は疑う余地がないことが示された。

当日は、200名の定員を大きく上回る申し込みがあり、会場は満席であった。
しかし、その多くが中高年であり、若者の参加はわずかであったことが、この問題への世間の関心の低さと相まって、私をより暗い気分にさせた。

気候変動の影響が決定的に表れるのは2050年頃と言われる。
しかし、既にその影響は出始めており、緩和策と適応策の双方を今すぐに始めなければ、手遅れになることも科学は警告している。

まさに、20台前後の若者は、否応なしにこれからの生涯をずっと気候変動と付き合っていかなければならないことになるのだが、その準備や心構え、覚悟を持った若者がどれほどいるだろうか???

以前と比べて、環境問題について学ぶ機会は増えている。だから、今の若者は環境問題についての知識はあると言われる。しかし、それが実際の暮らしや社会・経済活動の中で役立つ「知恵」に深化できているだろうか???

長年、環境教育に携わってきた者として、忸怩たる思いである。

この日、同じ時刻に、安倍総理は民放のバラエティ番組に出演していた。
17日、石原環境大臣は参院環境委員会に遅刻した。
昨日24日に開催された「気候変動立法イニシアティブ国際会合」(地球環境国際議員連盟主催)では、現職議員の途中退席が目立った。

自ら反省する点もあるが、それでも政府のリーダーと言われる人たちの、気候変動に対する意識の低さが、国民、特に若者の意識の低さにつながっていることも、また確かではなかろうか。
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by JAES21 | 2014-03-25 11:46 | 藤村コノヱが斬る
二国間クレジットの危うさ
省エネなどの技術がある国とその技術が十分でない国との間で、技術や資金のやり取りを通して、CO2などの温室効果ガスの排出削減量を技術のある国に付けるスキームは、地球全体からの排出量を低減することにつながり、一定の合理性がある。

例えば、高効率発電の技術を持つ日本が、途上国の石炭火力発電所に技術と資金を提供して、CO2等の排出量低減に寄与した分の全てないしは一部を日本が削減したこととするということがあり得る。実際、京都議定書の下では、先進国のみが削減義務を負っていたので、そこでの温室効果ガスの削減をしやすくする手法として、このクレジットのやり取りは正式に認められており、日本の政府と企業はそれを大いに活用していた。

しかし、2012年度で終了することになっていた京都議定書を2020年まで引き延ばすことに国際社会が合意したとき、日本はロシアなどとともに事実上、この延長京都議定書には不参加を決めてしまった。そうすると、京都議定書で使っていた技法が使えなくなるわけで、今や日本とモンゴル、日本とベトナム、日本とインドネシアなどと言った二国間だけの協定でなんとか日本の排出量削減努力を軽減したいという動きが、経産省においても環境省においても盛んである。これは「二国間クレジット制度」と称して、今や日本政府が最も熱心に行っている温暖化対策ということになっている。

しかしながら、例えばベトナムの病院に最新式のエアコンを取り付けてあげるとか、あるいはメガ・ソーラーパネルをモンゴルの草原に付けてあげ、それでもって日本の削減義務量の一部をカバーしてもらおうという類のことが、先進国の正当な削減対策として国際社会で認められるだろうか。日本政府は認められるべく奮闘しているようであるが、私自身は極めて怪しいものと思っている。

本来努力すべきは、日本国内で、まずは省エネ、そして再生エネルギーのより強力な開発・普及にお金と精力を使うことである。つまり、2050年に向けての明確な排出削減目標を決め、それを達成するための排出基準を設定し、さらに税制や補助制度などの経済的手法を国内で導入することである。日本が国際社会に貢献する道として、技術の足りないところに支援することは結構であり、やるべきことであるが、自国で努力せずに、外国から金で買う削減枠の獲得に血道をあげているのは本末転倒であり、このような動きを国際社会も歓迎しないのではなかろうか。
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by JAES21 | 2014-03-18 13:24 | 加藤三郎が斬る
あの日から三年がたつ
日常的な報道は少なくなったものの、今日が近づくにつれ、被災地の様々な状況が頻繁に伝えられ、様々なコメントや評価も聞こえてくる。
そんな中で、私自身、思いは色々とあるものの、何をこの日に記すべきか、なかなかまとまらない。

復興を最優先に、と言いながら、原発再稼働を急ぎ、経済界優先の姿勢で弱者を置き去りにするような政治には強い怒りを覚える。
復興予算も結局は、地元ではなく、首都圏の大企業を活気づかせるだけだったのではないかという疑念も深い。

地元の声を最優先に、と言いながら、期限付き予算や既存の制度、縦割りの壁が立ちはだかり、復興を遅らせている行政システムにはもどかしさも感じる。
こんな時こそ、NPOや市民組織を活用してほしいと思うが、三年前と比べると支援の動きも減っている。

3年が経過し、被災地もそして被災地を取り巻く私たちの状況も変化している。
復興に向けては住民合意が重要と思う反面、置かれた状況も考え方も変化する百人百様の考え方をまとめることの難しさを思うと、こんな時には強力なリーダーシップが必要なのかもしれないと感じることもあり、民主主義のむずかしさも改めて思う。

住民の間の格差や摩擦も顕在化していると聞くと、あの直後の「絆」「絆」の大合唱は何処へ消えてしまったのかとさびしい思いもする。
時が解決してくれることもあれば、時が経てば経つほど解決が困難になることもある、人間社会の複雑さも痛感する。

私自身、三年経っても、あの時の恐怖は忘れないし、これから起きるであろう大地震への不安はいつもある。「被災地で出会った彼らが、今日も元気で!」と願うことも毎朝続けている。それでも、日常的には便利で快適な生活を取り戻し、家がある、仕事がある、家族がいることが、平穏な毎日が、決して当たり前ではない、有り難い状態であることを忘れてしまいそうになることもある。

あの日から三年。
様々な思いはあるが、今年も3月11日は、亡くなられた方々への慰霊、そして被災地の人たちに思いを寄せ、様々な教訓を与えてくれたこと、そして普通に生活できることへの感謝の日にしたいと思っている。
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by JAES21 | 2014-03-11 18:14 | 藤村コノヱが斬る
2013年度経営者「環境力」大賞顕彰式及び発表会を終えて
去る2月28日(金)、当会が主催する経営者「環境力」大賞顕彰式及び発表会を盛況のうちに終えることが出来た。
これも協賛いただいた各企業、団体のお力添えと、当会会員の皆様のご支援の賜物と深く感謝するばかりである。

NPOが経営者の「環境力」を顕彰するというのは、ある意味、大変僭越なことであると企画段階では考えたが、幸い、経営者の皆様から一定の支持を得、また3年前からは日刊工業新聞社も主催に加わり、今回で6回目の大賞顕彰事業となった。全国各地で「環境力」を発揮している一際ユニークな6人の経営者を今回、顕彰できることは、私たちの喜びであり、光栄でもある。

今回の東京都知事選挙に見られるように、環境の悪化に対する市民の関心は今一つだ。しかし、世界各地での異常気象の頻発や生き物の絶滅危惧などが示すように、全ての生命と経済活動の基盤でもある地球環境は、極めて厳しい状況に陥りつつある。

それ故に、国も国際社会も環境対策を強化しようとしているので、企業活動に対してもある種の制約となる。しかし、その制約をむしろチャンスと捉える経営者も少なからずいる。すなわち、環境への取り組みを通して負荷を削減し、資源効率を高め、コスト削減や効率向上につなげることで、事業の持続性を高める経営力である「環境力」がもの言う時代になりつつある。

私は10年ほど前から「環境力」という言葉を使い始めたが、それは企業が環境を維持・改善しようと本気で尽力すると、経営力も合わせ高めてしまう力があることを「発見」したことによる。今回の受賞者たちもそのことを雄弁に証明して下さっているのがうれしい。

尚、受賞されたエネルギー溢れる6名の経営者の方々のスピーチの模様は、会報『環境と文明4月号』にて、掲載予定である。
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by JAES21 | 2014-03-04 17:24 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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