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政官財のトライアングルに逆戻り
エネルギー基本計画が最終段階を迎えている。
昨年12月に出された経産省審議会の原案では「基盤となる重要なベース電源」とされていたが、与党内も含め様々な異論・反論が各方面から出たことから、「重要なベースロード電源」とやや表現を変えているものの、原案同様、あいまいな表現で数値目標は示されていない。但し、今後の閣議決定の段階でどのように手が加えられるかは不透明である。

エネルギー基本計画は、経産省から上がってきた原案を閣議の場で審議し、決定される。
閣議決定までの間に、パブリックコメントとして国民の意見を聴く機会(今回は12月6日から1月6日まで)があるが、原発推進ありきで進められている今回のような場合は、閣議決定にその意見が大きく反映されることはないように思う。

そのことは、2012年夏の原発をめぐる国民的議論、そしてパブリックコメントで、2030年までに原発ゼロの声を多くの国民があげたにもかかわらず、その後の閣議決定では、2030年までも、原発ゼロも削除された経緯からも、そして政権が交代したことで、前政権の閣議決定さえもいとも簡単に転換されてしまうことからも、明らかである。

いずれにしても、今回のエネルギー計画が、原発推進ありきの計画であることは、茂木経産大臣が再稼働の審査を急ぐように原子力規制委員会に促したことからも明確である。

つい先日も福島で、大量の高濃度汚染水が流出したことが報じられたように、現場は収束どころではないのが実態であろう。
地震大国の日本で、福島同様の事故がいつ起きてもおかしくない状況も変わらない。
世界も厳しい眼で日本を見続けている。

そうした中で、私たちの生命や経済活動の基盤となるエネルギーの将来計画が、短期的な経済の為だけに、一部の人だけでつくられてしまうようでは、福島の経験が、それによって目覚めた国民の意識が、何も生かされないことになってしまう。

オリンピックでは若者が大いに活躍し、新たな息吹を吹き込んでくれた。
しかし、政治の世界は、政官財のトライアングル時代に逆戻りの様相である。
日本は変われない国なのか、と世界の信頼もまた低下しそうだ。
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by JAES21 | 2014-02-25 15:33 | 藤村コノヱが斬る
オバマ政権の気候変動政策に本腰が入ったか
オバマ政権が、2009年1月の発足から6年目に入った。環境対策に関しては、第一期目は率直に言って、見るべきものは何もなく、私など環境関係者は皆がっかりした。ノーベル平和賞を授与したノーベル平和賞委員会も同様であろう。しかし、オバマ大統領は、結果は出せなかったが、第一期から気候変動をプライオリティの上位に置いていた。

昨年1月、二期目が発足すると、就任演説や一般教書演説でも気候変動について、かなりのスペースを割いている。(日本の報道機関は全く報道しなかったが・・・)
それを見ると、オバマ政権は、温暖化に伴う気候変動はあるかないかの問題ではなくもはや厳然たる事実であり、これに対応することは、現世代のみならず将来世代への義務であり、かつ省エネや再生可能エネルギーの開発利用に奮闘することが、アメリカの産業競争力と雇用を強化することになると見ている。そのような認識のもとで、一期目は控えめであった、気候変動外交に二期目からは積極的に乗り出している。

昨年末のCOP19においてもアメリカが主役になったが、今年に入って、そのテンポはかなり高まってきたように思う。ケリー米国務長官は、今月16日、インドネシア・ジャカルタの文化センターで、学生などを相手に演説し、気候変動は今や世界で最も恐ろしい大量破壊兵器となる可能性があるとまで言ってのけた。

彼は人類を脅威としては、テロや伝染病、貧困、そして、核兵器などの大量破壊兵器の拡散もあるが、今や世界中を無差別に襲い始めた気候変動の脅威(タイでの大洪水やフィリピンでの台風30号による大災害など)が、大量破壊兵器になる可能性があるというのは、注目に値する。

丁度同じころ、イギリスでは、野党労働党のミリバンド(元エネルギー・気象変動担当大臣)党首は、気候変動問題は今や重大な安全保障上の問題だと演説をしたそうだ。イギリスは昨年末以来、異常気象に悩まされ、洪水騒ぎがあちらこちらで今でも起きている。イギリスでは、スコットランドの独立が今、ホットなイシューだそうだが、それよりも気候変動という安全保障問題の方に力を入れたい考えなのかも知れない。

いずれにしてもイギリスとアメリカはこのように動き始めている。日本の安倍首相は、二期目に入ってからは、気候変動問題の重大性については全く触れておらず、政策は止まったまま。アベノミクスと靖国神社で国民の支持を得るつもりらしい。
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by JAES21 | 2014-02-18 17:15 | 加藤三郎が斬る
教育改革案に異議あり
通常国会が始まった。
しばらくの間大きな選挙がないことも影響してか、原発再稼働の加速化、秘密保護法の成立など、安倍総理は自らの信念を押し通すかのような政権運営にまい進している。

そうした中、今度は教育制度改革である。
地方教育行政の最終責任を教育委員から首長に移す教育委員会制度の見直し、日本史の必修化、道徳の教科化が大きな柱である。

日本史の必修化は、自国の歴史を知るという意味では必要なことだと思うし、地球環境時代の自助・公助そして公共心を育む道徳教育も必要かなと思う場面も多々ある。
(但し、それは、尖閣・竹島は固有の領土などと指導要領解説書に書き込むことではないし、経済もしかしたら軍事国家の僕を育成する道徳でもないことは言うまでもない。)

しかし、地方教育行政の権限を首長に移行することには大きな危険性があるように思う。

もともと教育委員会は、戦後米国教育使節団の要請で昭和23年に設置されたが、根底には、教育行政の地方分権、民主化、自主性の確保、とりわけ、“人格の完成と平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成”という教育の特性に配慮した安定性、中立性の確保の理念がある。それが、日本の風土に合わないということで様々な変革を経て現在の形になった。

確かに現行制度がうまく機能していない面もあるのは事実であろう。
しかし、だからと言って、首長に権限を移し政治主導になれば、教育の独立性、安定性、中立性は確実に損なわれることになる。子供にとっても、政権、あるいは首長が変わるごとに教育方針が変わったのでは、たまったものではない。

教育水準の高さで注目されるフィンランドでは、教育権限の多くが自治体や現場の教師に任されている。それを可能にしている大きな要因は、教師の質の高さではないかと思う。

教員の養成プログラムや採用・評価・研修内容等を改善したり、NPOや職業人など専門性のある多様な人材を教育現場で活用したり、そもそも基礎教育にお金がかからない仕組みを整備するなど、教育改革としてやるべきことはたくさんある。
NPOと企業・学識者の連携による「環境文明社会」のロードマップ作り(イラスト付概要版)

そうしたことは後回しで、国家権力の介入ともとれる現政権の教育改革案には、大きな問題があると思う。
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by JAES21 | 2014-02-04 14:46 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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