環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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本気度が試される地域活性化
連休後半、長野県伊那市長谷・高遠で、恒例のエコツアーを開催した。
これは、環境文明21が10数年前から毎年開催しているイベントで、目的は田植えや稲刈り体験、長谷の中尾地区に伝わる中尾歌舞伎などの文化体験、さらに地元の人との交流等を通じて、都市と農村の交流を深めることである。

今回は従来の稲刈り・歌舞伎体験に加え、森林資源を家業(家具作り)やバイオマスエネルギーに活用している方を訪ねるコース、高遠の歴史を学ぶコースを設けた。そして、二日目は、この地域のファンを増やす方策について考えるワークショップを開催した。

それは、激変する社会状況の中で、この地域も、食料や再生可能エネルギーも含め、様々な地域固有の環境、文化・歴史、人的資源を持ちながら、それらを十分に活かしきれず過疎への道を辿っている現実。そして十数年、この地域の人や自然から様々な恵みを頂いてきた私たち“長谷・高遠”のファンとしては、少しでも、この地域の活性化(持続性)に役立ちたいという思いからである。(この詳細は当会の会報をご覧ください)

こうした類の試みは、おそらくいろんな地域で行われていると思う。
しかし、真の活性化に成功している地域はまだまだ少ないのではなかろうか。

その要因は、幾つかあろうが、やはり一番のポイントは、地元の人の“本気度”にかかっているのではないかと思う。例えば、
①どこか都会のコンサルタントが描くきれいで金太郎飴的な将来像ではなく、住民自らが自分達の地域をどんな地域にしたいのかを真剣に考えているか
②地域にある環境資源、文化・歴史資源だけでなく、地元には“凄い人”がいることなど、地元の価値に気付き、それを徹底的に活かそうとしているか
③訪れる人だけでなく、地元にも継続的なメリットが得られる “win-win”型のエコツアーなど、地域の人に持続的な生業を提供するコミュニティビジネスを生み出せているか
などであろう。

残念ながら、長谷・高遠にも、まだまだ地元、特に行政に本気度が感じられないのは事実であり、熱心なのは、Iターン・Uターン組、そして私たちのようなよそ者である。

それでも少しずつ、この地域にも“凄い人”が生まれつつあるという。
温暖化の危機が迫る現実、グローバル経済の波が押し寄せる世界の中で、そんな人たちとも繋がりながら、温暖化時代を生き延び、グローバル経済につぶされることなく生き残る方法を、考え実践していくことが求められる時代になってきたと思う。
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by JAES21 | 2013-09-24 13:07 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
20周年を迎えて 活動のご紹介
環境文明21をご支援くださる会員の皆様、企業、財団などの力強いご支援により、今月20周年を迎えました。
私どもが何をしてきたかの経年的な変化の詳細につきましては、20年誌『認定NPO法人環境文明21の20年』にまとめましたが、私たちのしてきたことをコンパクトで分かりやすく一表にまとめると次のようになるかと思います。
今後とも私たちの理念や活動をご理解いただき、一層のご支援をいただければ幸いです。

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by JAES21 | 2013-09-17 11:50 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
オリンピックは、生きるに値する社会を作るきっかけに
2020年、オリンピックの東京開催が決まった。日本中、大騒ぎである。

“それより先にやることが山積している”と思う私は、どちらかという反対の立場だが、約70%の日本人が喜んでいるこの結果に、あえてもの申すつもりはない。確かにスポーツの持つ力は素晴らしいし、これをきっかけに日本が再生すればいいことだと思うから。

とはいえ、やはり、複雑な思いは残る。
第一に、安倍総理の、“東京は世界一安全な都市である、そして福島に関しては政府が全面的に解決にあたる、全く問題ない”と言う趣旨の発言である。
そもそも、海外メディアが注視しているという理由で、突然、汚染水問題に熱心になった安倍総理。その後発表された対応策もその言葉を裏付ける科学的・技術的根拠はないと言われる。そして、日本人の多くが不安を抱え、何より福島の人は今なお様々な困難に苦しんでいる状況にある。そんな中での、あの発言である。政治家なら、誘致の為なら、あのような言葉も許されるというのだろうか。(世界に向け発信した以上、責任を持って言葉通りの対応を強く望むが。)

また、『東北復興のきっかけに』という目的で進められたはずの今回の誘致だが、決定するやいなや、まず多くのメディアが報じたのは経済効果である。東京で開催することが、東北の復興にどうつながるのか、結局東京の大企業だけがその恩恵を受けることになるのではなかろうか。

さらに、異常気象がますます深刻化する中での真夏の開催予定であることや、首都直下型地震がいつ来てもおかしくない東京の、しかも沿岸部で施設新設が目白押しというのも心配である。

一方、この発表の数日前、宮崎駿監督が引退を発表した。
彼の仕事のスタートは、“経済は勝手に賑やかだが、人間の心はどうか?”と言う思いからだったという。そして、彼の作品には、一貫して、人間中心的な考え方は間違いであること、人間のあくなき欲望への強烈な警告が込められていたと思う。その監督の引退は、同志(と勝手に思っている)として残念だが、引退後も、「子どもたちに、この世が生きるに値することを伝える」ことは続けるという。

「危機の時に人間は団結する」と言われるが、あの大震災でも、結局、日本は変わることができなかった。
オリンピック開催で、日本が変わることができるかどうかは分からない。しかし決定した以上、子どもたちに「生きるに値する」社会を残すために、前回のような「戦後復興」とは異なるが、人の心や生命の“復興・再生”のきっかけにしなければと思う。
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by JAES21 | 2013-09-10 15:56 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
大きな雇用力がある製造業を創ろう
ここ数年のこと、年に2回は必ず、NECの玉川事業場に出かけていく。朝、9時少し前に工場に入るのだが、驚くほど多数の従業員の姿が目に入る。実際の数は存じないが、さっと見たところ、数百人ではなく数千人が働いているように思う。低層階、中層階、高層階用のエレベーターの前に整然と並び、粛々とエレベーターの中に消えていく光景はまさに圧巻である。

なぜ、そのようなことに関心を持つかというと21世紀の経済問題の中で、雇用は最大の問題の一つであると思うからだ。雇用は経済問題であるだけでなく、まさに人権問題であり、人間の尊厳を維持する最も重要な問題である。日本だけでなく世界中で若い世代が、失業しているというニュースほど心悲しませるものはない。彼らが20代、30代の段階で、十分な職を得られないということは、その人たちが、50代、60代、70代とこれから先どういう未来が待ち受けているのか、まことに心配である。

世界第2位の経済大国となった中国でも若者の雇用は非常に深刻な様子だ。8月29日付の朝日新聞には「中国の学生、超就職難」と見出しに書いてある。既卒を含め、中国の大学を出た人が300万人職がないという記事である。経済が大きく発展しているとみられる中国でさえ、この状態で、これが、もう少し古い経済圏のヨーロッパでは、もっと深刻で、例えばスペインなどでは若者世代の約半数が失業中であるという。

農林水産業には雇用力があると多くの人が期待し、私も期待している一人である。しかし、現実は、機械化が進んで人がはじかれている。
私たちは毎年、長野県伊那市郊外に田植えと稲刈りに出かけているが、田植えのシーズンといっても、耕運機と一人の労働者だけ。稲刈りのときもそうだ。かつてのように家族総出で田植えをし、稲刈りをするという風景はない。田畑に出ているのはごく少数だ。また、植物工場というのがあちらこちらに出来つつある。ICで温度・湿度を管理し、収穫も機械的に行う。必然的に人手はごく少なくなる。林業にしても、きこりなどは最早いない。チェーンソーさらにはロボットがそれに代わろうとしている。こう考えるとかつて、多くの働く場を提供していた農林水産業も期待薄である。

そのようななか、製造業は、未だにたくさんの雇用をする力を保持している。日本は世界と違い、人口は減りつつある。とはいえ、失業問題はこれからますます大きな問題になる。雇用を生み出す最も重要な源泉の一つが製造業であるとすると、製造業を維持することは、日本の人の働く場を確保することにもつながる。そういう意味で大量生産・大量消費のためではなく、環境負荷が小さく資源効率性の高い21世紀型の製造業が伸びていってほしいといつも願っている。
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by JAES21 | 2013-09-03 14:23 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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