環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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国内の温暖化対策がまた後退してしまった
26日、安倍政権は石炭火力発電所を作りやすくするため、従来のアセス基準を緩めた新基準をまとめた。原発の稼動停止により膨らむ火力発電所の燃料費を少しでも抑えるため、石油、天然ガスより価格の安い石炭火力発電をより推進しようというもので、温暖化政策をそっちのけにした、経済性のみを重視した政策である。

石炭は、石油や天然ガスより多くのCO2を排出するため、温暖化防止のためには石炭火力発電を止めることが最も効果的であり、必須であるといわれている。
そして、早期の脱原発を目指すが、再生可能エネルギーで全てを賄うにはある程度の年数が必要なことから、その間は天然ガスによる火力発電で賄うのが温暖化防止の観点からもよりよい方法と考えられている。

しかし、今回の新基準は、そうした温暖化防止の観点はほとんど配慮されておらず、とにかく安い燃料で、という電力業界だけに配慮したものといわざるを得ない。これにより東京電力の火力発電所新設の見通しもたったことになる。

温暖化政策に関して、安倍政権は、2020年に1990年比で25%削減するという目標も撤回してしまった。京都議定書を生んだ国であるにもかかわらず、京都議定書の第一約束期間が終った現在、延長された議定書にも実質的には参加していないも同然の状況である。

一方、世界を震撼させる大事故を起こし、核廃棄物が増え続けている原発に関しても、国民的議論の結果も無視して、脱原発の見直しに方向転換した。

国際的には、唯一の被爆国であるにもかかわらず、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」への参加を見送ったという。

現政権は、環境、脱原発、そして平和への貢献という、日本が最も得意とする、そして世界が日本に期待する政策の全てに後ろ向きである。

私たちは、全ての政策を自民党に委ねたわけでは決してない。
そして、将来世代への責任をどう果たして行くのか、本当に心配でならない。
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by JAES21 | 2013-04-30 14:52 | 藤村コノヱが斬る
「成長」よりも「持続」する経済を
昨年暮れに成立した安倍政権は、アベノミクスとやらで大変な賑わい。
明らかに株価は上昇し、円安も進み、輸出型の企業は大喜びのようである。

その上、日銀の総力を使って物価を2%上昇させると豪語している。兜町界隈は大賑わいだし、株などの資産を持つ金持ちは大喜びのようである。その一方で金融資産も持たず、非正規の不安定な職場の中でぎりぎりの生活を強いられている多くの人は、安倍政権の賑わいとは全く無縁の世界に住んでいる筈だ。

経済が賑わうのを疎ましく思っているわけでは決してないが、問題はこれが、有限な世界の中でいつまで続くかということである。世界の人口も未だ増加し続け、燃料や鉱物資源の限界もはっきりと見えてきて、我々の命や経済活動の基盤である地球の環境はただならぬ悪化を続けている。この地球の有限性に、貪欲に基づく経済の成長はどう折り合いをつけられるのか。

NPO環境文明21は設立以来、この問題に注目し続け、微力ながらもこれまで何度私たちの経済への考え方を発信し続けてきた。有限な世界の中で無限の成長は不可能であり、一刻も早く持続する経済に転換するべきだと主張してきた。

最近多くの専門家の間でも私たちの主張と同様の意見が目立ってきた。
かつてならマルクス経済を信奉する人たちが資本主義を攻撃していたが、今はむしろマルクス経済とは無縁の人々が真剣にこの問題に取り組んでいるようだ。

例えば、中谷巌氏の『資本主義はなぜ自壊したのか―「日本」再生への提言―』、『資本主義以後の世界』さらに、ステイグリッツの『世界の99%を貧困にする経済』、また、最近では水野和夫氏と大澤真幸氏との対談本『資本主義という謎―「成長なき時代」をどう生きるか―』などで、現在の日本を含む資本主義経済の行く先が論じられている。

私たちにとってみれば、かつて経済の中心にいた人もこのような考えを持つに至ったのかという思いが深い。環境文明21は、今後も「貪欲」を基盤とする経済ではなく、安全・安心を旨として皆が元気よく生きられる持続可能な環境文明社会を探求する。

出来れば私たちと一緒に活動していただけるとうれしい。
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by JAES21 | 2013-04-23 15:50 | 加藤三郎が斬る
「環境」を主軸に据えた社会像をみんなで描こう

環境省が、質的な豊かさの追求に重点を置いた「環境・生命文明社会」の将来像を描き、それに基づく政策立案や制度設計に乗り出す旨の報道が、4月5日付日刊工業新聞で報じられた。

2030年の環境文明社会の社会像と実現方策について提案している私たちとしては、名称も似ているのでどんなものになるのか興味津津であるが、「環境」を新しい社会や新しい豊かさの創出のキーワードにしている点、これまでのようなフォアキャスティングの政策立案・制度設計の限界を踏まえ、バックキャスティングの手法で考えてみようという点は、期待できる。

これまで政治家も政府も、日本が目指すべき社会の方向性や社会像について、あまり示すことがなかった。というより、これまで示されてきたのは、経済成長を前提とした、まさに経済軸を主軸に据えた社会像であった。
そして、安倍政権も、相変わらず経済の拡大成長をめざし、「強者」の為の経済戦略を繰り返しているように思える。

しかし、異常気象の多発、経済格差の拡大、雇用不安など、社会の不安定要素は増大し、ますます持続不可能な社会が近づいている。
そうした中で、全ての生命と全ての社会経済活動の基盤である「環境」をキーワードに、新しい社会像を創り上げていこうとするこの試みは、持続可能な社会のためには不可欠なことであり、むしろ遅すぎるくらいではないかと思う。

既に、国立環境研究所などが、2050年の低炭素社会について提案している。
そして私たちも、2030年の環境文明社会(=「環境」を主軸に据えた持続可能な社会)として、地球の有限性を共通認識とし、社会の持続性と豊かな人間性を探求をめざし、政治・経済・技術・教育などの社会基盤と「食と農」「働く」などの暮らしのあるべき姿とその実現策について提案している。

目先の経済成長や物的豊かさは確かに人々にとって魅力的なのかもしれない。
しかし、ぬるま湯の中で、見せかけの豊かさに甘んじるよりむしろ、子や孫の時代にどんな社会を残していくのか、全ての生命基盤である「環境」をこれ以上破壊することなく、そこから仕事や雇用、技術、豊かさを見出していく知恵を働かせ、新しい社会づくりに挑戦していくことこそ、大人の責任であり、喜びの一つではないだろうか。

既に研究者や私たちNPOも将来の社会像を提案している。
環境省の提案も出て、社会全体で日本の将来像を語れる日が待ち遠しい。
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by JAES21 | 2013-04-16 16:00 | 藤村コノヱが斬る
「環境」を主軸に据えた社会像をみんなで描こう

環境省が、質的な豊かさの追求に重点を置いた「環境・生命文明社会」の将来像を描き、それに基づく政策立案や制度設計に乗り出す旨の報道が、4月5日付日刊工業新聞で報じられた。

2030年の環境文明社会の社会像と実現方策について提案している私たちとしては、名称も似ているのでどんなものになるのか興味津津であるが、「環境」を新しい社会や新しい豊かさの創出のキーワードにしている点、これまでのようなフォアキャスティングの政策立案・制度設計の限界を踏まえ、バックキャスティングの手法で考えてみようという点は、期待できる。

これまで政治家も政府も、日本が目指すべき社会の方向性や社会像について、あまり示すことがなかった。というより、これまで示されてきたのは、経済成長を前提とした、まさに経済軸を主軸に据えた社会像であった。
そして、安倍政権も、相変わらず経済の拡大成長をめざし、「強者」の為の経済戦略を繰り返しているように思える。

しかし、異常気象の多発、経済格差の拡大、雇用不安など、社会の不安定要素は増大し、ますます持続不可能な社会が近づいている。
そうした中で、全ての生命と全ての社会経済活動の基盤である「環境」をキーワードに、新しい社会像を創り上げていこうとするこの試みは、持続可能な社会のためには不可欠なことであり、むしろ遅すぎるくらいではないかと思う。

既に、国立環境研究所などが、2050年の低炭素社会について提案している。

そして私たちも、2030年の環境文明社会(=「環境」を主軸に据えた持続可能な社会)として、地球の有限性を共通認識とし、社会の持続性と豊かな人間性を探求をめざし、政治・経済・技術・教育などの社会基盤と「食と農」「働く」などの暮らしのあるべき姿とその実現策について提案している。

目先の経済成長や物的豊かさは確かに人々にとって魅力的なのかもしれない。
しかし、ぬるま湯の中で、見せかけの豊かさに甘んじるよりむしろ、子や孫の時代にどんな社会を残していくのか、全ての生命基盤である「環境」をこれ以上破壊することなく、そこから仕事や雇用、技術、豊かさを見出していく知恵を働かせ、新しい社会づくりに挑戦していくことこそ、大人の責任であり、喜びの一つではないだろうか。

既に研究者や私たちNPOも将来の社会像を提案している。
環境省の提案も出て、社会全体で日本の将来像を語れる日が待ち遠しい。
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by JAES21 | 2013-04-16 15:58 | 藤村コノヱが斬る
それでも石炭火力を推進するのですか?
安陪政権が発電コストの安い石炭火力発電所の新設や増設に乗り出す政策を決めたと4月4日付の読売新聞が報じている。

この場合、石炭火力としては世界最高水準を誇る熱効率技術とのことであるが、それでも温暖化ガスであるCO2の排出はLNG焚きの場合に比べ、8割増であることを明示しながらの記事である。

これは経営再建中の東京電力の手助けになり、電気料金の値上げを押さえられるということを前提にしての話ではあるが、それにしても地球温暖化に対する配慮を欠いた政策であり、もう少しきちっと検討してもらいたかった政策である。同紙の記事の中で電気料金の値上げが相次ぐ中、安倍首相は国民の負担を抑えるためには安い石炭の活用が不可欠であると判断し、石炭火力発電所の新設に必要な環境アセスメントの手続きを緩和するよう指示したと書かれている。

この記事を通して見えてくるものは、地球温暖化に伴う気候変動問題のように今すぐの危機として見えていないものに対しては対策を取らず、足元の経済にばかり配慮している政策姿勢である。もちろん、政治家として足元の経済を立て直すことは、極めて重要ではあるが、同時にその政策をとることによる中長期的な影響についても熟考しなければならないはずだ。

温暖化に伴う異常気象は国内外で頻発しており、多くの人が心配し始めているというのに、危機が目に見えないばかりに、それを無視して経済にだけ配慮するのは、かつて原子力発電が決して安全ではないと主張し続けてきた科学者や専門家の意見を差し迫った危険ではないと無視して原子力にのめり込んだ政策姿勢と同じではないか。その結果、日本の政治経済社会を揺るがす大事故に発展した。このままだと温暖化対策についても同じことが言えるのではないか。

鈍感な人には、温暖化の危機が感じられないとしても、今年の夏にでも大型台風が東京湾を襲い(昨年の秋、NYなどアメリカ東海岸を襲ったハリケーンサンディのように)、浸水などのダメージを受けたとしたら、安倍政権はどのように国民に説明するのであろうか。

経済の重要性を否定するものではないが、少し身を引いて中長期的な視点から全体の経済政策を形成することが政治家の役割であると思うが、いかがだろうか。
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by JAES21 | 2013-04-09 17:23 | 加藤三郎が斬る
原発事故から2年余
原発事故から2年余。
あの当時、なりを潜めていた原発推進派の動きが最近活発化し、脱原発の動きが後退している。

一つに、経済産業省のエネルギー・環境関連会議や中央環境審議会など、政府のエネルギー・環境政策に係る審議会のメンバーから、脱原発派の委員のほとんどが外された。
あれだけ国民的議論を繰り返し、閣議決定までされたことが、政権交代とともに、無きものにされるのだから、審議会の役割はそんなに大きいとは思えないが、それでも、こうした会議は市民の意見を政府に伝える一つの手段である。そこから、脱原発派が体よく外されたのは、政府の横暴であり、民主主義の観点からも問題である。

また、発送電分離の議論も、3月上旬に政府がまとめた改革案では「18~20年をめどに実施する」として、その関連法案を「15年通常国会に提出する」と書かれていたものが、「15年の通常国会に提出を目指す」と書きかえられたようだ(3月20日報道)。電力業界等の圧力を受けて自民党の経済産業部会などで反対が出たためと言われるが、政官財の癒着、「原子力ムラ」の復活を想起させる。

そして国民の脱原発意識も薄らぎつつある。一時は数万人に達した国会前デモも、今では数百人になった。最近の世論調査でも安倍政権の「原発ゼロ政策の見直し」を支持する割合が、脱原発支持を上回ってきている。

寒かったこの冬も、原発なしで電力は足りたのに、(エネルギー価格の高騰があったにせよ)、電力会社の存続と原発維持のために電力料金値上げを受け入れなければならないという不合理。
今なお、科学技術とは程遠いミス(ネズミで停電!)を起こすなど危機的状況が続く福島原発。そして十数万人の人が、避難所で苦しい生活を続けているという現実。

参院選も近づいているが、あの当時の危機感を忘れずに、無責任な政治家の言動に惑わされることなく、虎視眈々と復権をねらっている原子力ムラの人たちへの責任を問い続けていかなければいけないと思っている。
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by JAES21 | 2013-04-02 15:51 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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