環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

<   2013年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧
石原環境大臣、どこで何をしておられるのですか?
石原環境大臣、どこで何をしておられるのですか?

安倍内閣が発足して3か月。
アベノミクスとやらのおかげかどうか、株価が上がり円安が進み、経済界では大喜びのようである。

そして、最近のマスメディアには、安倍首相はもとより、経済関係閣僚が頻繁に登場し、威勢よく発言している。そのような中で、日本と世界の将来にとって極めて大きな責任を有する石原伸晃環境大臣は、どこで、何をしておられるのだろうか。政府の外にいる人にはさっぱり姿は見えない。

言うまでもなく、メディアに登場して夢をばらまくだけが閣僚の仕事ではない。最も大事なことは、日本の真の国益(短期的だけでなく、中長期も含め)にからむ政策を作り、そしてそれを国民に説明し、国民の支持を求め、国会内で与野党の支持を得る努力をすること、これこそが閣僚の仕事であり、閣僚にしかできない仕事だろうと思う。石原さんはメディアから遠いところで地道なこの作業をしているのかも知れないが、私にはそうとはどうも思えない。

例えば成長戦略の議論にも、環境技術や環境ビジネスの重要性を石原さんの口からは聞いたことがない。甘利経済財政担当大臣からは時々聞かれるが、石原さんからの発言は、私は聞いたことがない。また、成長戦略よりもっと重要な中・長期的な温暖化政策、気候変動政策についても、これはと思うような発言を聞いたことがない。

先日、安倍内閣として取りまとめた「地球温暖化対策推進法」の改正案においても、温暖化対策の重要性、緊急性などについての問題意識を国民と議論する姿勢すら見せず、目標も書き込まないまま、国会に上程している。
これは、鳩山元首相が、同様に国民の意見を十分に聞かず、そして何よりも自分自身の覚悟がないまま、安易に2020年25%削減と書き込んだことと無責任さにおいてはほとんど同じである。政策手段についても、例えば韓国では、温室効果ガスを削減するための排出量取引制度をすでに法制化し、15年1月から実施しようとしており、中国でも同様の制度を北京などで実績を積み重ねつつあるなかで、日本では、議論さえ出てきていない。

石原大臣の父である石原前都知事が、自動車業界の反対を押し切り、ディーゼル規制を条例化し、国の政策をも変えさせた大きな業績に加え、排出量取引制度についても経団連あたりの猛烈な反対を押し切って都が実施したことをよく知っている私としては、石原環境大臣のやる気のなさ(そのようにしか私には思えない)が非常に気になる。

先ほどまで、自民党の幹事長を務め、安倍さんと総裁選挙を戦ったお方なのかと思うと、大切な時間を浪費しているようにしか思えない。自民党内の「大物」である石原さんに安倍さんから与えられたポストが環境大臣というのが気に入らず、やる気が出て来ないのかとは思いたくもないが、私のような人間にも目の覚めるような、そして、日本の将来と世界の将来にとって、真に重要な政策を大胆に打ち出してくれる日がくるのを待ち望んでいる。
[PR]
by JAES21 | 2013-03-26 16:28 | 加藤三郎が斬る
安倍総理がTPP交渉への参加を表明した
安倍総理がTPP交渉への参加を表明した。

私自身、T PPの中身や国際交渉の専門家ではないが、環境の視点から見て、やはり農業に関しては、もっと議論が必要だと考えている。

一つは食料自給率の低下である。昭和40年代には70%あった食糧自給率が、一時は40%をきるまでに低下。それが何とか40%まで持ち直したが、今回の政府試算によると、TPPで関税撤廃された場合は27%まで低下するという。先進国の中でこんなに食料自給率の低い国は他にない。

加えて、今後地球温暖化に伴う異常気象は多発するとされており、世界中で食料生産に大きな影響が出ることは確実である。その場合、どの国も自国の食料供給を最優先することは確実であり、日本の食の確保など考えてくれるはずがない。
自国で食べるものは可能な限り自国で賄う、これが食の安全保障の原則であろう。

また、農地には生産地としての経済的価値だけでなく、気象緩和、水源涵養、洪水防止、酸素供給、CO2吸収、物質循環など、環境の視点からも多様な価値を有している。農業が衰退すれば、こうした価値も失われることになり(今回の試算では1兆6000億円の損失)、安心・安全で心豊かに暮らせる持続可能な社会とは程遠い姿になりかねない。

但し、こうしたことはTPPに始まったことではない。
従来より、農家の高齢化や農業人口の減少など農業の衰退は指摘されてきたことであり、私たちも、持続可能な社会づくりに向けて、農業の大切さと、それゆえの農業の転換をずっと主張してきた。

しかし、補助金漬けになった多くの農家の人たちは、「持続する農業」へと変わろうとする努力を怠ってきたようにも思う。
実際、私たちの懸念と忠告を、「よけいなお世話」と言われたこともある。
自ら変わろうとしなければ、応援のしようがないのも事実である。

今後のTPP交渉は、日本政府の交渉力が米国議会を上回るかどうかも含め、安倍総理の思惑通りに進むかは不透明である。

しかし、この機会に、経済だけでなく、異常気象の多発、農地の環境価値といった視点からの議論も含め、“命を育む農業”を如何に持続可能なものに転換していくか、農業関係者だけでなく、私たちみんなの問題として考える必要がある。
[PR]
by JAES21 | 2013-03-19 16:22 | 藤村コノヱが斬る
貧して鈍していないか、民主党
昨年暮れの総選挙とその結果の政権交代によって、民主党はまた元の野党の座に滑り落ちた。しかも、衆議院選挙でぼろ負けしたために衆議院の陣容は極めて貧弱なものになってしまった。民主党は今後どうなるのか、多くの人が民主党の立ち居振る舞いに注視している。もちろん、私もその一人だ。そのような中で、先月24日、民主党は初めて綱領を制定した。

早速見てみたが、一言で言えば、無味無臭。民主党が何をしようとしているのか、さっぱり分からない情けない綱領と言わざるを得ない。例えば、前文に続く「私たちの立場」では、民主党は「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つと述べている。

これを見て、民主党がどういう立場に立つのか、誰が分かるだろうか。

なぜなら、大金持ちも失業者も「生活者」だ。
そしてもちろん、両者は「納税者」だ。貧乏人だって物を買えば必然的に消費税を払うので否応なしに誰しも「納税者」となる。「消費者」でない人は誰もいない。
今日、生まれた赤ん坊も明日死ぬかもしれない病人も何らかの形の「消費者」である。そして、経団連の会長も非正規雇用者も一様に「働く者」だ。

民主党は誰の立場に立って、頑張ろうとしているのか。
金持ちのためか、貧しい人のためか、老人のためか、若者のためか、全く見えてこない。

同じことは憲法についても言える。

憲法の9条や96条を改正しようとか、私たちのように憲法に環境原則を入れようとか、いろいろ意見が飛び交っているのに、この綱領では、「国民とともに、未来志向の憲法を構想していく」としか書いていない。

単なる構想だけなのか、つくらないのか、さっぱり分からない。

こう見てくると結局これは、綱領という党を規定する文書の文章能力の問題ではない。
民主党に属する政治家たちがどういう日本をこれから創ろうとしているのか、それが明確になっていないから、方向の定まらない綱領を作ってしまうのだ。

民主党に限らず、日本の政党に最も問われるのは、10年後、20年後に日本をどのような社会にしようとしているのかについての方向性と戦略性と、そして何より覚悟だ。

それはこれまでと同様、市場経済至上主義なのか。それとも経済成長はほどほどであっても、平和で持続する心豊かな社会なのか。そのためにはどのような政策手段が必要なのか。
それらに対する政党の立場が全く確立されていないので、このような綱領でお茶を濁すしかないのだろう。

民主党は党内の意見の対立を恐れず、党外の人も交え、ある程度時間が掛かってもよいから、徹底的に議論し、無味無臭、無害無益な綱領ではなく、明日の日本を正しい方向に導ける綱領を高く掲げた政党になってほしいと思うのは、ないものねだりだろうか。日本の未来のために、貧して鈍した姿は、いい加減にやめてもらいたいものだ。
[PR]
by JAES21 | 2013-03-12 11:36 | 加藤三郎が斬る
TPPで日本は持続可能な国になるのか?
安倍総理がオバマ大統領と会談したことから、TPPが現実味を帯びてきた。

もともとTPPは、シンガポール、ブルネイなど太平洋を囲む四つの国のささやかな地域経済協定に過ぎなかったが、2008年にアメリカが参加表明したことで、その姿は一変した。

TPP交渉参加国9か国と日本のGDPが占める割合は、アメリカが約70%、次いで日本が約20%、オーストラリアが約5%、残り7カ国で約5%であり、これがTPPは実質日米間の自由貿易協定(FTA)と言われるゆえんである。

TPPの賛否議論では、反対派は農業分野での不利益をあげ、推進派は自動車・家電等耐久消費財の輸出での利益をあげる。しかしこれに関しても、農業等一次産業の対GDP比は1.5%、耐久消費財輸出の対GDP比は1.6%と双方で大差はなく、誰が得して誰が損するといったレベルの問題ではないのではないかと思われる。

では、何が問題なのか?

反対を唱える専門家の間では、上記の農業と食の問題の他に、医療、そして、TPPはアメリカの雇用増進策で日本の雇用を奪うものである、アメリカの狙いは、「金融」と「投資」分野であり、日本国民の金融資産(ゆうちょ・かんぽ生命等)の収奪である、といった意見も根強い。

しかし、原発ゼロ政策の見直し、武器輸出三原則の特例が拡大されようとする今、
市民である私たちが考えなければならないことは、日本を「安心・安全で心豊かに暮らせる持続可能な国にする」という視点に立ってTPPを考えることである。

そして、金科玉条のように言われるグローバル化とは、歴史・文化・風土・国民性の異なる国々を均一化するものではなく、まして、世界中をアメリカ化する事でも決してないことを心に留め、本当のグローバル化の意味をしっかり考えてみることではないだろうか。

そうでなければ、日本はますます持続不可能な社会になってしまいそうだ。
[PR]
by JAES21 | 2013-03-05 13:43 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
カテゴリ
全体
会報巻頭言『風』
加藤三郎が斬る
藤村コノヱが斬る
共同代表が斬る
はじめにお読み下さい
未分類
以前の記事
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧