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持続可能なエネルギー環境対策推進のための国際研究センターを福島に創設しよう
3.11の東京電力福島第一原子力発電所の未曽有の大事故は、有数の科学技術国である日本で発生しただけに世界にも大きな衝撃を与え、原子力政策にも様々な波紋が未だに続いている。

世界は日本の原子力事故への対応とその後のエネルギー環境政策の進展に注視している。すなわち、事故原因の科学技術的な究明(損害賠償や責任追及のための解明ではない)、事故直後から今日に至るまでの官民の対応、かつて大幅な原子力依存を打ち出していたエネルギー政策を将来的には原子力ゼロを目指した政策に大転換した際の様々な課題、原子力エネルギーの供給が細くなる穴を埋める省エネや再生可能エネルギーの技術開発や普及促進、そしてこのような課題に対応できる高度な専門家の在り方、さらには一般市民のエネルギー環境政策形成への参画など様々な課題が浮き彫りにされた。

考えてみるとこのような課題は何も日本に限ったことではない。原子力を今、現に持っている国においても、また持とうとしている国にとっても他人ごとではなく極めて切実な問題であろう。

東北の原子力災害を含め、震災・津波からの復旧、復興を目指して巨額の政府予算が組まれ、そしてそれが適切に使われているかどうかが最近厳しく問われている。数兆円規模の予算がどうも適切に使われていないのではないかというような記事に接するにつけても、私は脱原発に関わる先ほど述べたような諸解題の解決策を世界の有識者やエネルギー環境政策担当者らと共有することが重要であり、それは日本がこの事故を引き起こした日本の世界に対する責務であると共に貢献でもあると考える。

従って、是非、福島(FUKUSHIMA)に日本の呼びかけで国際的な研究センターを創設し、世界から人材を福島に集め、世界に発信出る国家的なプロジェクトとして推進してはどうだろうか。これが福島でおこった悲劇を悲劇だけで止めることなく、人類の共有財産として活用できるプロジェクトを是非立ち上げてほしいと思う。これこそが復興資金を正しく使うことであろう。
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by JAES21 | 2012-09-26 11:47 | 加藤三郎が斬る
早くも骨抜き、「原発ゼロ」
国民的議論を経て多くの国民が指示した「原発ゼロ」政策が、早くも骨抜きになりそうな気配である。

9月19日付朝日新聞ほか各紙の報道によると、野田内閣は「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す革新的エネルギー・環境戦略そのものの閣議決定を見送る方針を固めたとのこと。

経済が持たない、政策の一貫性がない、安全保障上の問題、そして原発ゼロに向かう政策が見えない等の理由から、原発ゼロに異論を唱える、経済界、地元自治体、アメリカなどに配慮したものと思われる。

確かに、国民の間にも、即原発ゼロなのか、早い時期に原発ゼロなのか、2030年なのか、2030年代なのか、その時期についての意見の違いはある。
また、それを達成するには、政府の言うあらゆる政策投入とともに、私たち国民も智恵を絞り、議論を重ね、達成に向けた最大限の努力が求められよう。

今回の国民的議論のやり方に問題がないわけではない。
しかし、それでも、多くの国民は、「脱原発との長い付き合いが始まった」という覚悟を決めて、遅くとも2030年代には「原発ゼロ」の国にしようという意思を表したのが、今回の国民的議論である。官邸前で続く、デモもその象徴である。

その大多数の国民の声よりも、一部反対勢力に押された政府の姿勢は、まさに、統治能力の欠如であると共に、民主主義の危機を意味する。

国会はすでに選挙一色である。
民主党なら、少なくとも、「原発ゼロ」政策は保持されるかという期待も、骨抜き閣議決定で本当に見送られてしまったら、完全に失せてしまう。

やはり政治家だけには、任せておけない!!
私たち国民が、科学的視点、経済的視点、中長期的視点、そして倫理的視点を培って、真剣に考え、議論し、次世代にツケを残さない政策を創り上げるしかないように思う。
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by JAES21 | 2012-09-19 13:38 | 藤村コノヱが斬る
原発ゼロでも日本経済は破綻しない。むしろ元気になる。
原発ゼロでも日本経済は破綻しない。むしろ元気になる。

原発がゼロだと電力コストが大幅に上がって日本経済は国際競争力を失い、失業者が増え、産業は空洞化するという議論がまことしやかに行きかっている。

私は、この議論ははなはだ間違っているとかねてから思っている。
その理由として、次の概念図を見ていただきたい。即時ではないまでも、ある程度の時間をかけて原発がゼロになっても、その分省エネで補えばいいのだ。日本は人口が減りつつあり(2030年では現状より約1割減る)、その構成も高齢者が多くなってくる。その間に、産業構造も少しずつ変わってくる。この相関図では、省エネを現状から2割3割と考えているが、人口の変化やこの間の技術の進歩を考えるとむしろ控えめな数字で無理のない省エネである。

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2030年までの間、今回導入されたFIT(固定価格買取制度)の力を借りて、ソーラー・風力、未利用エネルギーや海洋エネルギーなど、それ以外の再生可能エネルギーも導入していけば、現在使われている化石燃料を大幅に削減できる。

現時点では確かに再生可能エネルギーは高コストであるが、技術開発と普及が進んでいけば、急速にコストは下がるに違いない。現にFITではkW当たりソーラー42円で買い取ることにしているが、2、3年もすればこの数字はかなり下がる可能性は大きい。もし、この図の通りに進むとすれば、化石燃料の使用量は現状の6割から8割ほどになる。

化石エネルギー価格の傾向は上昇している。また一面では、シェールガス・オイルは低下傾向であり、天然ガスやオイルの価格に乱高下をもたらしている。

いずれにしても、化石燃料の価格は、今考えられているほど急速に上昇するわけではない。しかも、化石燃料に依存する割合は、現状の6割から8割に下がっているはず。その点だけでも重要であるが、もっと重要なのは、化石燃料の輸入代金である。
2011年度だけ見ても約22兆円の輸入代金は、当然ながら全て海外に出てしまうお金である。例えばこのうち2割を節減しただけでも、4兆円が生み出される。この4兆円を省エネや再生エネルギーの技術開発や普及など国内で使えば内需と雇用がその分だけ増えてくる。

どこから出てきた話か知らないが、原発ゼロだと日本の産業が衰退し、GDPが減るというのは根拠がなく、70年代の公害防止の苦闘とそれゆえの日本経済の発展からも全く学んでいない、取るに足らない議論だと言わざるを得ない。そろそろこの程度の議論からは卒業したいものである。
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by JAES21 | 2012-09-12 14:24 | 加藤三郎が斬る
原子力規制委員人事に示された政治の無責任
やはり恐れていたことが現実になるようだ。

例の原子力規制委員会の人事の問題である。

私は6月14日のブログで原子力規制委員人事について幾つかの懸念を表明し、特に「少なくとも、国会同意人事の段階で政争の具となることは、絶対に避けていただきたい。」と述べたが、それから3カ月近く、まさに政争の具となり、政治家、政党そして政府の無責任の結果、原子力発電所を持ってしまった国の責務として当然なすべきことを放り投げてしまうようである。

報道各誌が伝えるところによると、野田首相は今国会には同意人事の判断を求めないことにしたようで、国会閉幕後に原子力規制委員会設置法の規定に基づき、首相が田中俊一氏以下の政府が国会に提案している人事を実行するようである。

この人事をしたところで、国会が再開されれば(10月に臨時国会を開会するとの由が伝えられている)速やかに首相任命による人事を改めて衆参両院の同意を求めなければならない。もしここでも同意が得られないということになると、野田首相によって任命された人事はほんのつかの間のつなぎ人事になってしまう。原子力規制委員会は、仮免許というよりはむしろ無免許に近い状態で国民の生命財産そして最悪の場合には周辺諸国にも多大な影響を与えるかもしれない原子力発電所の重大事故に対処しなければならない。

この委員会にはわざわざ強権を与えているが、そのことはこの五人の規制委員は大変な責任を負うことを意味する。難しく、責任の大きい国会同意人事に対して、このようなかりそめの姿で委員就任を頼むほうも頼むほうだし、もし田中俊一氏以下が受けるとすれば、受けるほうも受けるほうだと思わざるを得ない。おそらく、政府によって提案されている五人はそういうことは百も承知で、文字通り国のためにお引き受けしようとしているのであろうが、彼等が引き受けようとしている責任の重大さに対して示された政府をはじめ与野党、そして政治家の無責任さは現代の政治世界の無責任さを劇的なまでに示していると言わなくてはならない。

自ら言うのもおこがましいが、私ならとても受けられるような人事ではない。
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by JAES21 | 2012-09-07 17:26 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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