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広瀬新社長さん、原発リスクがそんなに大きいなら、なぜ「脱原発化」を決断しないのですか。


本日の各新聞は、昨27日に就任した東京電力広瀬直己新社長へのインタビュー記事を掲載している。内容は少しずつ違うが、私が注目したのは、読売新聞が行ったインタビュー記事における広瀬新社長の発言だ。原発事故に伴う廃炉や除染にかかる費用についての記者の問いに対し、新社長は次のように答えている。

「やり方によっては兆円単位の資金が必要と言われており、民間会社1社で持ちきれないのは事実だ。原子力損害賠償法では電力会社が背負うことになっており、リスクが高すぎる。今は国の負担がない。国の負担をどうするのか明確にしないと、原発運営は民間会社では困難だ。原発の国有化も一つの方法かもしれない。」

深刻な原発事故に見舞われたら民間1社では持たないとおっしゃっているが、就任の時点でそれほど大きなリスクを見越しているのであれば、原子力発電は、少なくともお金の面だけを見てもリスクが大きすぎて、東電が運営するのは困難だと、なぜ明言しないのであろうか。

新社長の言う「国有化も一つの方法かもしれない」が、大事故がもう一度起こったとしたら、未曽有の財政難に苦しむ政府は耐え得る力を持っているのだろうか。そんなことまでして、原発を維持する合理性があるのだろうか。すぐにやめろとは言わないが、危険性の高い原発から順に廃炉にし、そして、その間に省エネと再生可能エネルギーの普及に全力を注いだらよいではないか。つまり、目指すは「脱原発」と言明すべきではなかったか。

再生可能エネルギーは国産エネルギーである。
石油や天然ガスを使えば、その分だけ高い燃料費を海外に差し出すことになる。規模でいうと日本の輸入化石燃料費だけでも確か20兆円前後となり、それが毎年海外に流れている。そのうちの1割でも2割でも、国内でまわす仕組みを電力会社も国も、そして国民も考えるべき時ではなかろうか。
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by JAES21 | 2012-06-28 15:58 | 加藤三郎が斬る
意味ある国民的議論のために
政府は、原発やエネルギー政策について、国民的な議論を行うことを約束していたが、朝日新聞の報道によると、その一つの方法がやっと示された。

賛否分かれるテーマについて、討論を通じて意見がどう変化したかを見る世論調査手法の一つである、「討論型世論調査」を導入するらしい。

報道によると、その流れは、まず①無作為抽出で通常の世論調査を実施した後、②調査回答者から討論参加を募集、③討論の前に参加者の考えを調査した上で、④参加者によるグループ討議や専門家との質疑応答をした後、⑤改めて参加者の考えを調査し、⑥討論前後で考えの変化を見て政策決定の参考にする、というもの。

利害関係者からしか意見が集まらなくなっているパブリックコメントや、やらせが問題になったタウンミーティングと比べて、無作為抽出であれば参加者から利害関係者が排除される可能性は高いし、やらせも通用しない。また公平で中立な情報が提供され、専門家とも質の高い質疑応答がなされれば、参加者が真剣に考え自ら判断する可能性は高まる。

そうした意味で、今までのやり方よりはましだし、こうした新たな方法を導入すること自体は賛成だ。

しかし、全国3000人に世論調査し300人で討論、しかも一回限りの実施では、到底国民的議論とは言えない。せめて、全都道府県で、この規模で実施すれば、国民の関心も高まり、参加意識も高まるのではないかと思われるが、一回限りでは、アリバイ作りのそしりは免れまい。

加えて、政策決定の参考にする程度では、国民的議論の意味が薄いし、そもそも「結論ありき」だったのではないかという疑いも招く。

この方法を全国各地で展開し、その結果が、エネルギー・原発政策のどの部分にどのように反映されたか、あるいはされなかったかを明確に説明する。その上で、プロセスを透明にして政策決定を行う。
それくらいやらなければ、国民的議論とはいえないし、やるからには、それくらいの覚悟を持ってやってほしい。
しかし、政府が政策を決めるとしている8月まで時間はあまりない。
悪くすると、またしても、アリバイ作りに国民が利用されるのでは・・・。
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by JAES21 | 2012-06-20 16:31 | 藤村コノヱが斬る
新しい原子力規制組織への懸念

報道各社が伝えるところによると新しい原子力規制組織の在り方について、自公民の間で合意に達した模様である。

その詳しい内容は現時点ではわからないが、これまでの報道なども勘案すると、いくつもの深刻な懸念が残る。

3条委員会にして、5人の委員を国会同意人事で決めると言うが、果たしてどんな人がこの委員に就任するのだろうか。就任したとしても、国民の期待に背かず、重責を全うできる人がいるのか、という懸念だ。

原子力の事故やテロを含む不測の事態には、同じ3条委員会の公正取引委員会などとは違い、1分1秒を争う緊急時が起こり得る。本案によると、政府から独立して、原子力規制委員会が責任を持つという。そんな責任を持つことの出来る人がどれだけいて、仮にいたとしても、A党やB党からは好意を持って受け止められても、C党からは強く忌避されるというようなことが十分にあり得る。国会で人事がスムーズに同意されるのかという懸念がある。その上に、寸刻を争うときに、この5人がどのように意思決定をし、それをすぐ下に伝えて実施できるのであろうか。私の見るところ、原子力問題に精通している日本の専門家は、そのような訓練を受けた人材はごく少ないように思われてならない。スポーツの世界ではないが、委員長になるべき人は、海外の専門家を雇うというぐらい視野を大胆に広げないと、とても国民が安心して任せられるような原子力規制委員会を組織出来るとは思えない。

少なくとも、国会同意人事の段階で政争の具となることは、絶対に避けていただきたい。
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by JAES21 | 2012-06-14 11:46 | 加藤三郎が斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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