環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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通すべき法律を早く通して
環境教育推進法の改正案が先週金曜日に衆議院環境委員会を通過した。今週参議院での審議を無事通過すれば、2年越しの私たちの願いがかなうことになる。

もともと、この法律は私たち環境文明21が骨子案を作成し、議員立法を働きかけて成立したもの。しかし、当初の法律は、私たちの提案とは程遠いものであったことから、改正に向けては、環境政策形成過程への市民団体の参加の保障、学校における「環境科」の設置、環境保全活動を行う市民団体への支援強化などを要望していていたが、改正案ではその多くが取り入れられる形になっている。これが成立すれば、環境教育も環境保全活動もより進むはずだ。「『環境教育推進法』の改正に向けた要望書2008年11月18日」

しかし、一寸先は闇、が国会である。
2年前も与野党合意ができ、あと一歩のところで国会解散となり廃案になった経緯がある。それ以来、内容的には殆ど変化はない。要は、本来の議員の使命より、政局重視にあけくれて、2年という時間だけが過ぎたということだ。

政局・政争に明け暮れる国会には国民はうんざりしている。
そんなことより、災害復興、原発の鎮静化、そして通すべき法律をいち早く通してほしいものだ。
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by JAES21 | 2011-05-31 13:55 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
「原子力村」は他にも

東京電力福島第一原子力発電所の大災害を巡る報道によって、多くの人が「原子力村」の存在を知らされたようだ。

この「原子力村」とはどんな村かと、私なりに想像してみると、東京大学工学部原子力工学科を卒業した人たちが中心となって、原子力技術者が芯を固め、その周辺に巨大な原子力予算に群がる業界、族議員、学者、メディアなどが形成するかなり閉鎖的な組織のようである。この組織の特長は、原子力推進を「国策」と位置付け、その名の下に多くの国民の安全への疑問や批判を許さず、この地震列島の上に54基もの原子炉を作るのに大きな役割を果たした。同時に今回の大崩壊の原因を自ら作った。

しかし、考えてみると、日本の社会には何も「原子力村」だけがあるわけではない。他にも、いろいろな「村」がある。「県人会」「学閥」などもその小さな一例ではなかろうか。

私が今、もう一つ気になっているのは、「リニア新幹線村」のことである。震災・原発事故のどさくさにまぎれたわけではなかろうが、去る5月12日、国土交通省の交通政策審議会小委員会は、JR東海のリニア中央新幹線建設計画に対して、ゴーサインを出した。

しかし、その内容を見ればみる程、疑問点、しかもかなり深刻な問題点が沢山見える(4月26日付ブログ)。関係者の間だけでの検討や議論は長いことなされただろうが、この計画そのものに素直に疑問を感ずる人を含めて、国民規模の大規模な検討がなされたとは寡聞にして知らない。このやり方を見ていると、JR東海周辺に「リニア村」と呼ぶべき、排他的で強固な集団があるのでは、とつい想像してしまう。リニア中央新幹線の建設計画はJR東海という一企業の事業計画案とは言え、それが実施されれば国民の多くに影響を与える。私たちが懸念するように、それが失敗をしたら、結局、最後は料金の上昇や税金で国民が面倒を見るということになる。そのことを思うとやはり、心配でならない。

「原子力村」の今回の無残な結末を見れば、リニア中央新幹線計画についても「リニア村」の住人だけに任せず、様々な方向からの議論をして事業を固めて(廃止や変更も含め)しかるべきだと思う。今、ここでしっかり議論をしておかないと後になってとんでもないツケが国民に降りかからないとも限らない。

最後に一言付け加えておくと、私はリニアという技術そのものを拒否しているわけではない、例えば、羽田・成田間をリニアで結ぶというアイデアは検討に値するのではなかろうか。
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by JAES21 | 2011-05-26 13:32 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
脇を固めないと・・・。
発電・送電分離論が出ている。

もう15年程も前になるが、ドイツのフライブルグ郊外にあるシェーナウという人口2,500人の小さな町を訪問した。ここは、チェルノブイリ事故を受け、「原発のない未来のための親たちの会」を地域の女性たちが結成し、最終的には市民発電所を創り上げたことで知られていたからだ。当初は省エネの啓発活動を行っていたが、持続可能な未来のためには、節電だけでなく、太陽・水・風力・コジェネなどの持続可能な電力供給が必要と考え、グループのメンバーがドイツ全土の国民の支援と寄付を得ながら、電力会社とも闘い、市民独自の電力供給のための「シェーナウ電気供給網買収組合」、そして「シェーナウ電気事業所」を設立したのだ。

この活動がうまくいった理由として①原発被害を心配する親たちの中に活動をリードするリーダーがいたこと、②活動を支える市民の環境意識が高かったこと、そして③団体への寄付が税金控除の対象であり活動資金が得やすく、連邦自然保護法によりエネルギー政策に関して市民団体の発言が法的に認められており、住民投票が法的拘束力を持っているなど、まさに市民の力を活かす社会システムが整備されていたことが挙げられよう。

それに比べて、日本では10電力が独占的に電力供給権を握っているうえに、エネルギー政策に対して市民はもとよりNPOにさえ法的に保護された発言の場はなく、一部の利害関係者により全てが決定されている。NPO・市民社会への理解と支援もまだまだである。

脱原発、発電・送電分離論の方向はいいし技術力ある中小企業の発展につながると思うが、それを実現するには、市民社会を強くするための政策も併せてやっていかなければ、たちまち従来のエネルギー関連利権グループ(特に「原子力村」)に打ちのめされてしまいかねない。

脇を固めることを忘れないでほしい。
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by JAES21 | 2011-05-19 13:46 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
悲劇なくしては、基本政策は変えられないのか
本来ならば政策は、特に国民の命運に関わるような重要な政策は、常に合理的で冷静な雰囲気の中で、厳しい批判的見解も含め、あらゆる角度から検討が加えられ、必要な修正が加えられて、決定されることが必要だ。決定された後も、そのプロセスは長期に亘って繰り返され、絶えず点検を受けることも不可欠だ。

我が国の原子力エネルギー政策についての最近の政策変更決定は、どうだったのであろうか。5月6日に菅直人首相は、中部電力浜岡原子力発電所の全面停止を決め、中部電力にそれを要請し、中部電力も9日に停止を受諾した。

5月10日には、菅首相は、原子力重視を強く打ち出していたエネルギー基本計画(これは、菅民主党内閣自身が昨年末に決めていたものであるが)を白紙に戻す政策を決定した。菅政権として、「脱原発」を決めたわけではないが、脱原発に向けての第一歩にもなり得るエネルギー政策の重要変更であった。

ここで問題は、このような重大な政策変更は、冒頭に述べた合理的で冷静な雰囲気の中で、あらゆる検討が加えられて出された訳ではないということだ。

変更の第一のきっかけは言うまでもなく、3・11の津波による東京電力福島第一原発のあの大災害であり、浜岡原発でも再び地震・津波に襲われたら取り返しが許されないという危機感から出たものであろう。菅首相の決断に対し、菅さんにしては見事な英断だ、いや浅慮に基づく政策決定だ、やれパフォーマンスだ、といろいろな意見がやかましく出ているが、私自身は、政策変更そのものは評価するが、問題は、その決定に至る政策プロセスである。

なぜそれを問題にするかというと、私たちが長く関わっている温暖化対策は、地震・津波のように体感できる劇的な変化や被害がないだけに、いつまで経っても政策が進まないからである。政策が全く進んでいないのは、政策決定のプロセスをきちっと踏んでいないだけでなく、津波被害のように目に見える悲劇がないからではとすら、言われている状況なのだ。

通常、温暖化の影響は、一夜にして何か起こるわけではない。しかし、05年にニューオリンズを襲ったハリケーンカトリーナ並みの巨大台風が、いつ東京や大阪を直撃するかは分からない。この夏にだって、起こり得ることである。

その時になって初めて、温暖化対策を慌てて進めるというのであれば、結局、日本は目に見える悲劇が起こらないと政策が変えられない国になってしまう。
大災害という悲劇を待つことなく、政治家も国民も、科学に基づく危機認識と構想力を持って、温暖化対策を正しく推進していくべきであろう。

それが今回の3・11からのもう一つの教訓となるだろう。
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by JAES21 | 2011-05-16 13:50 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
ソーラーと風力だけが再生可能エネルギーではない

この夏の電力不足が、特に深刻になりそうだということで、その対応策が真剣に議論されている。

つまり、どうやって電力供給を補うか、また省エネの徹底によって、いかに需要を減らすかが課題になっている。このうち、供給を増やすものとして、再生可能エネルギーの増強が常に話題になるが、メディアなどで取り上げられるものは、ほとんどがソーラー(太陽発電)と風力が中心で、たまにバイオマスや地熱などが出てくるだけ。大雑把に言えば、現時点での日本の再生可能エネルギーは、ほとんどソーラーと風力に限られていると言っても過言ではない。

それに付随して常に出てくるのは、この2つで、電力供給力のアップはごく限られたものという話である。

しかし、私自身はかねてから、再生可能エネルギーは、何もソーラーと風力だけではないと主張している。

具体的には、ソーラーと言っても発電だけではなく、熱利用をもっと追求してしかるべきだし、また風力も大規模な風車だけでなく、小規模の風力発電装置ももっと利用していい。しかし、特に重要なのは、小水力と海洋エネルギーの利用だ。

国土が急峻で、河川水量が比較的豊かな日本においては、小水力を活用するポテンシアルは非常に大きいと思われる。しかしながら、これまで、小水力による発電を試みても、河川法や水利権、電事法などがんじがらめの規制や慣行に阻まれ、あまり進んでいない。

同様に海洋エネルギー(波力・潮力・海水温の温度差発電)なども極めて有望であり、日本のように四界を海に囲まれている国では、膨大なポテンシアルを持つ海に向かわない手はない。

挑戦してこなかった理由は、技術の困難性ではない。むしろ、このような試みを支援する体制(技術開発の助成や補助金などの仕組み)、あるいは、漁業補償といった既得権益との本格的な調整、そういったものを当局も電力会社も怠ってきたからに他ならない。

日本が本格的な省エネ大国になり、電力不足対策だけでなく、温暖化防止の最先端を行く国になるとすれば、原子力に注いだものと同程度の人も資金も配置すれば、道が開けてくることは明らかだ。過去長い年月に亘って毎年5千億円前後の国費が原子力に使われてきたことを考えれば、例えその半分でも再生可能エネルギーの開発・普及に投資しさえすれば、再生可能エネルギーは、量的にも急速に進展するはずだ。
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by JAES21 | 2011-05-12 13:16 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
懲りない人たち

自民党の原発推進派が、連休明けから新しい政策会議を発足させるという。主なメンバーは元経産大臣の甘利明氏、通産省出身の元官房長官の細田博之氏、さらに東電元副社長の加納時男元議員。

国益と言う名のもとに、政治家は一部役人と共に電力会社に多大な(制度的)支援を行い、電力会社からは献金や天下り先が提供されるという癒着構造の中で、原発事業は進められてきた。今回の甚大な事故でそうした裏の事情も明らかになってきた。にもかかわらず、自らの非を認めることもなく、こうした会議を発足させるとは、厚顔無恥も甚だしい。

経済性、電力の安定供給、温暖化防止に役立つなど、彼らが主張してきたことがいかに理にかなわない主張であったかは、原子力委員会専門委員なども歴任した、吉岡斉九州大学副学長の著『原発と日本の未来』を見ると明らかである(この方は御用学者ではないことが読めば良くわかる)。

自らの過去と利害に固執した無用な議論はいい加減やめてほしい。
今私たちが求めているのは、将来世代にわたる安全性、経済性、環境影響、技術的課題、そして何より必要性を考えた、まっとうな議論である。
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by JAES21 | 2011-05-09 11:41 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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