環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

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NPOを閉塞日本の風穴としよう

今、日本は、いろいろな意味で閉塞状況にあると多くの人が語っている。閉塞どころか、衰退だ、没落だ、破滅だといった強い言葉も現れてきた。実際、経済は伸びない。雇用、特に若者の雇用は、八方ふさがり状態だ。中国、韓国など海外では、華々しい話があるのに日本の足元を見ると、相変わらず政治は、おもちゃ箱をひっくり返したようなごたごた騒ぎ。十年一日のごとく、小沢だ反小沢だ、予算が通るか通らないか、といったような話ばかり。これでは、日本は前に進めないどころか、ずるずると後退しつつあると言っても過言ではなかろう。どこに脱出口があるのか、皆もがいている。

ある人はスポーツに一種の憂さ晴らしの機会を見出しているようだ。確かにAFCアジアカップでの日本勢の忍耐に忍耐を重ねて勝ち取った優勝などは、もちろん価値があるし、多くの国民をスカッとさせた。サッカーだけでなく、野球やゴルフなど、日本の若者が、世界の舞台で大活躍している姿は、確かに国民にとって希望であり、多くの国民が燃えるものを提供している。しかし、このような興奮から冷めて、足元の現実を見ると、やはり、衰退、停滞、みっともない姿ばかりが目に付く。私はこのような閉塞状況の日本に風穴をあける一つの大きな力は、NPOが持つと信じている。
私たち自身が、「環境文明21」というNPOを立ち上げて、もう18年になろうとしているが、その経験から言っても、「NPOにもう少し力を与えてみろ、日本は見違えるように変るぞ。」と言ってもいい。アルキメデスではないが、「我に支点を与えよ。されば、地球をも動かさん。」そんな気持ちだ。

しかし、NPOは、どこの馬の骨とも知れない人たちが趣味的に活動しているだけ、フリーター然とした人たちが多い、といったネガティブな評価が最近までは多かったが、NPO法が出来て12年経った今の日本では、ネガティブなイメージはかなり払しょくされつつある。
環境文明21の会員を見ても、大学の先生あり、大企業の元経営幹部あり、公務員あり、普通の主婦ありと、多面的であるが、決してオタクの集団ではなく、高い知的レベルで、日本の将来を思う熱い心を持った人が集まっている。

このNPOを使わない手はない。

実際、よく知られているように、アメリカやヨーロッパでは、NPOは、社会的に大きな信頼と力を与えられている。
例えば、イギリスを見てみよう。今から10年以上前に、当時のブレア首相のリーダーシップの下、NPOなどのボランタリーセクターと政府は、コンパクトと呼ばれる合意書を締結している。これによって、お互いに対等な立場で責任を分担しながら、政府はNPOに大きな権限と公的資金を出し、社会に役立つ仕事をしてもらおうとしている。その哲学は、NPOは社会の発展には必要不可欠であるという基本認識であり、利益を求めないNPOは、独自の価値観を社会に展開し、国や市場と異なる役割を果たしてもらおうというものだ。

また、例えば、スウェーデンを見ても、イギリスのコンパクト並みの協定を2年ほど前に結び、NPOの活動を力強く支援している。人口900万人ほどのスウェーデンにNPOに相当する団体が約20万ある。そして、スウェーデン国民の16歳から85歳までの半数以上が、何らかのボランティア活動に従事し、その平均時間は、毎月14時間以上になる勘定だという。
このように、ヨーロッパの国々では、NPOを社会の活性化、発展のために不可欠なセクターとして認知し、彼らが活動しやすいような支援の枠組みや資金を惜しんではいない。日本では考えられないほどの公的資金が、NGO/ NPOの活動に提供されている。その結果、社会の風通しがよくなり、雇用の機会も生まれ、人材の活躍の場を拡げ、将来に向けて活動が出来る。
NPOの活用こそまさに日本に最も欠けているものと言っても過言ではなかろう。
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by JAES21 | 2011-02-22 15:44 | 加藤三郎が斬る
求む!政治家のリーダーシップ

環境NG0議連とNPOとの意見交換会が2月8日に開かれた。議連の正式名称は「環境政策をNGOとともに進める議員連盟」といい、2010年3月に立ちあげられたもので、衆議院議員39名、参議院議員15名が名を連ねている。以前よりとても関心はあったものの、なかなか参加できず、昨日初めての参加となった。参加者は、政策提案型NPOの主だったところから約15名程度、議員9名、その他環境省、政府員など、全体で35名程度。議連としての今年度の活動テーマについての意見交換が目的だったため、例えば、環境文明21としては、環境教育推進法改正案を今国会で成立させてほしい、また個別政策とは別に環境NPOの政治的・社会的基盤確立のために政策についても検討してほしい、など、各NPOが専門とする分野の政策について意見を述べ、それに対して、議員からコメントする形式で進められた。しかし、ごく一部の議員を除いて、しゃべることが仕事のはずの議員からは発言もなく、意見交換会というには活気のないものであった。

地球温暖化対策基本法案が全くの骨抜き法案になっており、民主党の環境政策そのものに私たちは強い危機感を抱いているが、この会からもその低迷が伺える。
その理由はいろいろあろうが、私には、本気で環境問題の重要性を認識し、まさに政治生命をかけてもこれに取り組もうとする政治家がいないことが大きな要因ではないかと言う気がする。実際、民主党の環境派は誰?と聞かれても、すぐには名前が浮かんでこない。

自民党時代、橋本龍太郎や竹下登といった人たちは、様々な問題もあったものの、こと環境政策においては強いリーダーシップを発揮したと言われる。「橋本さんほど環境問題に熱心で勉強していた政治家はいない」と評する専門家やNPO、官僚は多いし、実際、京都議定書の締結と発効は彼のリーダーシップなしではできなかったと言われる。また竹下氏も「環境は大切だわな」と常に言っていたと、元官僚の加藤共同代表は当時を振り返る。
それに比べて今の民主党では、鳩山さんはこぶしは上げたものの、すぐおろしてしまったし、岡田さんも小沢問題などの党内調整に明け暮れている。
自民党時代に逆戻りすることはできない。しかし、経団連や連合、そして経産省がどう言おうと、次世代のため、日本そして世界の持続性のため、高い志と長期的視野を持って強力なリーダーシップを発揮する政治家がいないことは、日本にとっても、世界にとっても大きな悲劇である。とはいえ、政治家のレベルは国民のレベル。日本の沈没をどう防ぐか、是非当会の会報1~2月号を見てほしい。
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by JAES21 | 2011-02-10 16:38 | 藤村コノヱが斬る
技術はあれど、それを伸ばす見識も政策もないのか
日本は今、いろいろな面で衰退現象が目立ってきている。GNPで見て、昨年中国に追われて、3位に後退したというのは、その代表例であるが、その他にも、様々な面で、「Japan as No.1」と言われたかつての勢いは消えてしまった。

しかし、そのような中で、多くの日本人は、日本の環境技術、環境政策は、まだ世界に冠たるものであると思っているのではなかろうか。確かに、省エネ、リサイクル技術をはじめ、ハイブリッド車、リチウムイオン電池、高性能のソーラー発電技術など、現時点では、世界の競争場裏に投げ込まれても、比較的優位にある技術は、まだある。しかし、これらの技術も、欧米だけでなく、中国や韓国にも激しく追い込まれている。従って、これら比較的優位にある技術の競争力を高め、維持していくには、やはり政策が必要である。

企業や技術者を奮起させるには、より良い技術を開発した者には、ご褒美が与えられ、低いまま留まる技術にはペナルティを科す政策が不可欠だ。1970年代の激しかった産業公害時代に、政府も産業界のリーダーも、紆余曲折は経ながらも、大胆にアメとムチの政策を導入し、当時の厳しかった産業公害を乗り越えた。代表的な例が自動車排ガス規制であろう。当時の日本はまだ、世界の自動車業界から見て、ひ弱だと思われていたが、自動車排ガスを1/10以下にするという途方もない課題をアメリカから突き付けられて、それに企業も技術者も敢然と挑戦したために、それを乗り越えることができた。

今でも語り草だが、本田宗一郎さんは、「マスキー法は天の助けだ。今や世界中の自動車メーカーは、低公害エンジンの開発で同時スタートを切る。こんなチャンスはない。それはすなわち、世界で一番後発であったホンダが、この開発競争に勝てば、世界一のメーカーになることが出来る。」と語っている。しかし、今、温暖化、生物多様性の危機に直面しても、残念ながら、わが国の政治や産業界のリーダーたちは、敢然とこれに立ち向かう意志も戦略性も、そして忍耐力もないようだ。

一昨年の9月、当時の鳩山首相は、例の温室効果ガス25%削減を表明したときに、この目標を達成するためには、「政治の意志として、国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの固定買取制度の導入、地球温暖化対策税の検討をはじめとして、あらゆる政策を総動員して実現を目指していく」決意を語った。そして「国民も企業も政治も、産業革命以来続いてきた社会構造を転換し、持続可能な社会をつくることが次の世代への責任である」旨、語っている。
それから、一年半、鳩山さんの舌の根も乾かぬうちに、民主党現政権は、排出量取引制度については、早くもギブアップ気味である。少なくとも来年度での導入は見送ってしまった。玄葉国家戦略相の補佐である柿沼正明議員は、「排出量取引というのは経済成長と環境が現時点では両立しない。もっと言えば、これをやったら今構築中の成長戦略が台無しになる。つまりアクセルとブレーキは同時に踏めない。」と語る始末だ(『週刊エネルギーと環境』2011年1月13日付)。

誠に、安直なギブアップ宣言だ。
こんなことを民主党のキーマンが言っているようでは、到底25%削減などは不可能だ。鳩山さんが掲げた目標は、本来ならば、日本が持っている環境技術、省エネ技術を伸ばし、国際競争力をつけるまたとない機会であるのに、それに挑戦もしないうちに、経済成長と環境が両立しないと平気でおっしゃる。日本の明日の希望の灯を自ら吹き消してしまうようなものだ。

これでは、日本経済の衰退は止まるまい。
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by JAES21 | 2011-02-08 17:36 | 加藤三郎が斬る
100年先を見通せる政治家になったつもりで
民主党本部で開催された、平成23年度のNPO関連予算説明会とそれに続く「民主党とNPOの意見交換会」に参加した。様々な役所からNPO関連予算が示されたが、特に環境省関連は2桁違うのではないかと思えるほどの少額であり、環境NPOとしては、これで何ができるの?と言いたくなる。このブログで加藤共同代表が温暖化予算の少なさにも言及しているが、こうしたことからも現政権の環境問題への意識と認識の低さが見て取れる。

目先のことで手いっぱいで、10年20年先のことまで考える余裕がないのだろう。しかし、昨今の異常気象の多発と温暖化の科学を総合的にとらえ、そこから将来の危機を見通すといった危機管理能力、想像力がなさすぎる。100年先を見通すのが政治家、と子供の頃によく聞かされたが、10年20年先も見通せない今の政治家は一体何者なのだろう・・。

そのあとの意見交換会も、冒頭仙谷氏が参加していたものの途中退席。若手の参議院議員が数名参加という程度で活気は感じられなかった。政権交代の時、全国から民主党と「新しい公共」への期待で全国からNPOが集まり、熱気にあふれていた、同じ会場とは思えないほどの静けさである。

その理由は明らかである。
第一に、政策のトーンダウンである。鳩山前総理は「新しい公共」を高らかに掲げ、私たちNPOも、これで市民社会の一歩が踏み出せると大いに期待した。しかしその後「円卓会議」なるものは継続されているものの、「新しい公共」が表立って議論されることは少なくなっている。

第二に、「新しい公共」についての考え方のずれである。管総理の発言や示された予算案、出席議員の意見からは、財政難の折、「新しい公共」と言う名のもとに、みんなでその負担を背負ってほしいという雰囲気しか感じられない。勿論そうした面も必要であるが、私たちが期待したのは、そうした、役所の下請け的で消極的な市民社会ではなく、政官財の鉄のトライアングル構造を打破し、「お上意識」から脱し、市民そしてNPOが積極的に政策作りに参加し、実施し、ともに社会を担っていくという積極的な市民社会である。

第三に、現場でNPOの意見が政策に反映されることが殆どないことである。特に温暖化政策に関しては、労働組合の意見は聞くが、NPOの意見はほとんど無視されている。こうした実態から、民主党の「新しい公共」政策への関心は低下し、NPOからも見放されつつあるのではないかと考える。

しかし折角の芽をつぶすわけにはいかない。そこで、当日は、NPOセクターを民主社会の“本質的な構成要素”と位置付け、「セクターの自立性」と「公的資金の提供」を両立させることを明確に協定した、イギリスの「コンパクト」の日本版を早急に整備することを要望した。仙谷氏はうなずいていたものの、他の議員の反応は「それは何?」という感じである。(コンパクトについては、環境文明21HPの「政党に求める環境政策」。)
民主党並びに日本の政治の迷走は当分続きそうである。不満をぶつけ、嘆くだけでなく、一人ひとり、そしてNPOが、100年先を見通せる政治家になったつもりで、声を出し、提案し、連携して、行動するしかない。
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by JAES21 | 2011-02-03 17:39 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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