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後退を重ねる民主党の温暖化政策
またしても嘆き節になるのは残念であるが、これだけは言っておかねばなるまい。

民主党の温暖化政策が、ずるずると後退を重ねていることである。鳩山政権が誕生したとき、温暖化政策については、自公政権のグズグズした政策を一転し、2020年までに90年比で25%の削減を表明したことを私を含め、多くの人が拍手喝さいして歓迎したものである。同時にこの目標を達成するため、排出量取引、再生可能エネルギーの全量買い取り、そして、温暖化対策税という名の環境税を導入するだけでなく、あらゆる政策を総動員すると明言した。しかしながら、鳩山さんの温暖化対策はそこまでで止まり、後は後退の一途である。

すなわち、本年3月に温暖化対策基本法なるものを閣議決定したが、25%削減については、主要な排出国がやらなければ、日本は削減しないという主旨の条文も書き込んだ。また、この基本法案に明記した排出量取引などの3つの基本施策も、今日までの間にひとつひとつ後退をし始めた。

まず、環境税。
これは、わずか2,400億円であり、温暖化対策に必要な金額としては、一桁小さい上に(詳しくはこちら)、11年度はさらに割り込んで、来年の10月から実施し、最終的に2,400億円になるという。

また、温暖化対策を進める上での最も重要な施策として考えられている排出量取引に至っては、企業側の負担増により国際競争力の低下、企業経営への行き過ぎた介入、マネーゲームの助長などの理由を挙げ、「慎重に」検討し、結局、先送りになるようである。すなわち、最早、逃げ支度をしているのだ。

再生可能エネルギーの全量買い取りについても、国際競争力への影響とか、負担を軽減するように制度設計を工夫するとか、いろいろな理由を挙げて、これもどちらかというと、ブレーキをかけ始めている。

今、日本の企業や日本の国が国際競争力の点で、どんどん劣り、中国、韓国などにも大きく水をあけられているが、これは何も温暖化対策にお金をかけたからではない。むしろ、かけていないから、ずるずると落ち込んでいるというのが本当のところだろう。なぜならば、温暖化対策をしっかりやることが、日本企業の技術の進歩を促し、活力を高めるのに役立つからである。あれもダメ、これもダメとダメな理由を挙げて、先送りや逃げまくりの姿勢は、前の自公政権時代の消極的な姿勢と何ら変わらない。むしろ、自公政権時代は、低いなりにも目標があった。民主党政権は、25%削減と数字だけは書いてあるが、他の主要排出国眺めであり、これでは目標は蜃気楼のようなものだ。結局、民主党は本気になって温暖化対策を発動しようとしていないのではないか。誠に残念以上のものがある。私だけでなく、多くの環境関係者が民主党の温暖化政策に失望したというより、むしろ、絶望に近い感情を抱きつつある。最早、民主党政権にまともな温暖化政策を期待するのは無理なのではないか。来年には政界再編や外部からの圧力、ないしは異常気象による重大な気象災害の頻発によって、この逃げばかりが目立つ政策を変えるしかないのではなかろうか。
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by JAES21 | 2010-12-28 14:33 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
「緑の党」がいよいよ必要になってきた!
 民主党の混迷は相変わらず続いているが、「生活者」そして、将来世代に良い環境を残そうと活動している私たち環境NPOや市民の期待もずっと裏切り続けている。

 まず企業への税率軽減。諸外国に比べて高い企業への課税そのものを軽減すること自体は反対ではない。しかし、本当に社会全体の持続性でみた場合それが望ましいのか、全ての企業にメリットがあるのか、社会や働く者にそれが還元されるのか、という点は至って不明確である。例えば、環境税と組み合わせて環境に配慮している企業は税率を下げるが、そうでない企業の税率は高くする、また税収は環境投資に充てるなど、そうした工夫があれば私たちも賛成であるが、そうしたことは殆ど見えてこない。

 また今日の報道では、民主党は排出権取引制度の導入をまた延期させる提案を出したという。いつまで議論すれば議論が尽くされたことになるのか、本当に世界を知らない、温暖化の危機が全く感じられない無責任な決定である。野党時代、岡田幹事長はじめ、民主党は温暖化問題に熱心だったはずなのに、いつの間にか、企業の言いなりになる、自民党となんら変わらない政党になってしまった。いや、民主党は組合出身者も多いから、自民党以上に「企業寄り」かもしれない。「生活者の視点」「開かれた市民社会」といって政権交代したはずなのに・・である。

 かといって、自民党に戻っても、環境政策はほとんど進まないだろうことは、これまでの経験や現在の自民党のふがいなさからも明らかである。

 いよいよ日本にも、本気で、地球と言う公共財を将来世代に引き継ぐこと、環境と言う命の基盤を基軸に据えた政治を展開することを目指す『緑の党』が必要な時期になってきたような気がする。
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by JAES21 | 2010-12-16 17:26 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
一桁少ない民主党の温暖化対策税案―これでは25%削減は危うい
 民主党の税制改正プロジェクトチームが、先月24日、総会を開き、地球温暖化対策税(環境税)の素案となる基本方針をまとめたと言う。現行の石油石炭税を5割程度アップし、その増税分の2,400億円を温暖化対策税として使う案だという。

 私はこのニュースに接すると、民主党が一体何を考えているのか、甚だ疑問になった。なぜなら昨年の9月22日、鳩山首相(当時)は、国連で胸を張って、わが国は「25%削減」をすると表明した。しかし、いいところはここまでで、そこから先、民主党は、実のある温暖化対策をほとんど実行していない。

 もちろん、温暖化対策基本法なる法案を国会に提出しているが、その法案の中には、25%削減を事実上、否定するのに等しい条文が書き込まれている。私自身はこの法案に盛り込まれた目標は蜃気楼のようなもので、近づけば近づくほど見えなくなると評価している。さて、その民主党は温暖化対策税を2,400億円にする方針だが、2,400億円で一体何が出来るのか?私は、かねてから、道路関係税制の暫定税率分(税収2兆数千億円相当)と石油石炭税(約5,000億円)の双方を使って、少なくとも2兆円前後の温暖化対策税制を創出すべきだと主張している。なぜならば、温暖化対策税収を使ってすべきことは次に示すように甚だ多いからである。

(1)省エネ・創エネに資する商品や施設(住宅を含む)の技術開発
(2)省エネ・創エネに資する商品や施設(住宅を含む)の普及のための助成
(3)吸収源対策としての森林管理の強化と関連公共事業の促進
・人材育成のための職業・職場訓練
・林道建設・法面保護 ・間伐材の利活用
・機材開発
(4)温暖化に資する各種交通機関の技術開発と都市・交通体系の確立
・自動車
・航空機
・船舶
・都市
・交通体系(超低燃費車に限っての高速道路無料化や自転車専用道路の拡充を含む)の確立
(5)NPO等による温暖化対策の必要性等に関する環境教育・学習及びキャンペーンの実施
(6)適応戦略の検討・実施及び観測、研究、学術交流などの充実
(7)国内及び国際社会での温暖化対策に必要なその他施策

 このように書くと、新たな大増税を考えているのかと批判されることがあるが、そうではない。なぜなら道路特定財源の暫定税率分と石油石炭税を活用するだけで、新たな増税をする必要がないところがミソである。要は、民主党政権が、2020年の25%削減であれ、2050年の80%であれ、本気になって温暖化対策を目指すのかどうかが問われているのだ。
目指すのであれば、2千億円台の対策では全く不十分(山火事をバケツの水で消そうとしているようなもの)で、せめて1桁上の2兆円台にしなければ賄えない。もし、その税を作る気がないのであれば、民主党の温暖化対策は、早々と白旗を掲げるべきであろう。
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by JAES21 | 2010-12-06 14:38 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
一体、政権交代は何だったのか?
メキシコ・カンクンで開催されているCOP16。開催前から、あまりいい成果は得られないだろうと予測されていたが、日本政府が会議冒頭にそれを助長する発言をしたことで、大きな反発を買っている。

それは日本政府が「日本は、どんな条件下でも、どんな状況下でも、京都議定書の第二約束期間の削減目標を記さない」と発言し、京都議定書の第二約束期間の延長を否定したことによる。ご承知の通り、京都議定書は京都会議の最後の夜に難産の末生み出された国際的に法的拘束力をもつものである。その生みの親が、自らを否定するような発言をしたことに、世界中の環境NGOや条約締結国からは大きな疑念が寄せられている。

一方国内においても、「すべての主要な国が、公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みを構築するとともに、温室効果ガスの排出量に関する意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定されるものとする」との前提条件が付された、地球温暖化対策基本法が今国会では殆ど審議されず継続審議になりそうである。

こうしたことから見えてくるのは、現政権も、すっかり一部産業界に巻き込まれ、温暖化問題といった将来世代の生存や安全保障にもつながる重要課題よりも、自国内の目先の経済にのみ心を奪われてしまったということだ。(そう言えば、企業献金も復活した。)
 
私たちが政権交代に望んだことは、政官財の癒着構造から脱却し、開かれた市民社会を築いてほしいという事。そして温暖化をはじめとする、全ての命の基盤である「環境」に真正面から取り組み、『命』を大切にし、現世代よりも将来世代を大切にする政治であった。中長期的な視点で世界を見渡し、その中で日本の進むべき方向を見極め、唯一日本がリーダーシップを発揮できる「環境」分野において、国民からも世界からも信頼を獲得する政治であった。しかし現状は、全く逆方向に進んでいる。

政治家そして政府は初心に戻ること。そして誰の声を聞くべきなのか、誰の声を政治に反映させるべきなのかを真剣に考えること。そうでなければ、産業も含めて日本の将来が本当に危ない。
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by JAES21 | 2010-12-03 14:52 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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