環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

カテゴリ:藤村コノヱが斬る( 142 )
石炭火力発電所新設容認でいいのか??
石炭火力発電所の新設計画にアセスで異議を唱えていた環境省が、建設を容認したことが報じられた。

温室効果ガスを大量に排出する石炭火力を新設することは、たとえ、効率の良いものであっても40-50年にわたり、CO2を排出し続けることから、世界中の環境NGOは、この新設に対して強く反対してきた。

NGOだけではない。米国政府は石炭火力発電所からのCO2排出に強い規制をかけ、イギリスは同発電所を2025年までに全廃することを決めている。さらに、石炭火力に対する投資の引き上げも始まっており、日本の動きに対して、国際的にも強い批判もある。

にもかかわらず、環境省が温室効果ガス管理強化の条件付きとはいえ、新設容認したことは、電力会社、短期的経済優先の現政権の圧力に屈したことに他ならない。

昨年末採択された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を「2℃を十分に下回るレベルに抑え、1.5℃に止めるよう努力する」と明記された。これは、世界が脱炭素社会へと舵を切ったことを意味するものであり、これからの気候変動対策は従来の延長線ではなく、中長期視点での厳しい対策が不可欠となった。

しかし、国内では、早くも「1.5℃など無理」といった消極論が産業界から出ている。
それを反映して、昨年12月22日に開催された地球温暖化対策推進本部(本部長は安倍首相)の会合では、「2℃目標が世界の共通目標となり」という説明文を添えた地球温暖化対策の取組方針を決定するなど、世界の動きに反するものばかりが目立つ。

「1.5度は無理」などと言っている業界に、将来はない。
そして、石炭火力の新設容認や1.5℃を消してしまった取組方針は、まさに短期的経済優先の現政権の意向を反映したものであり、それに屈した環境省にはがっかりである。

それでも、私たちには、将来世代への責任がある。
日本の環境政策の中心を担う環境省には、善良なる国民、次世代の若者、そして私たちのような環境NPOを味方に付けて、その使命を全うしてほしいと強く願う。
そうでなければ、その存在価値さえ危うくなってしまうのではなかろうか。
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by JAES21 | 2016-02-09 17:30 | 藤村コノヱが斬る
排出事業者にも責任はある
廃棄食品の転売が大きな問題となっている。

自給率40%を切る日本では、食料の多くを海外から輸入しているにもかかわらず、家庭から未使用の食品が捨てられ、今回のように廃棄するには勿体ない食品が捨てられること自体、大問題である。
しかし、ここでは廃棄物処理に誠実に取り組む人たちを知っている者として、今回の事件について感じたことを述べたい。

当然のことながら、適正処理を行わず横流ししたダイコーと、廃棄物と知りながら仕入れたみのりフーズの行為は決して許されるものではない。
しかし、そこだけに問題点があるわけではなく、廃棄物処理を取り巻く環境、とりわけ処理を委託した排出事業者や業界を指導・監督する行政(特に県)に責任はないのだろうか。

排出事業者には、自ら排出する産業廃棄物を自ら処理する責務があるが、その処理を処理業者に委託した場合には、中間処理や最終処分の終了をマニフェスト(書面又は電子データ)で確認することが義務づけられている。また、処理状況の現場確認も努力義務として課せられている。しかし、今回の事件もそうであったように、マニフェストは処理業者の自己申告に基づくものであり、現場確認も手間がかかるためその場限りのケースが多く、不正が見抜けないという実態もあると聞く。

その一方、排出事業者の中には、処理価格の安さだけで処理業者を選択することもまれではなく、そのことが、産廃業界の“安かろう、悪かろう”の悪しき慣習と悪徳業者の温存につながっているとも言われる。

複雑化する産業廃棄物を安全かつ適正に処理し、可能な限り資源にしていこうとすれば、それなりの費用がかかる。しかし、処理業者にとって「お客様」である排出事業者に対して強いことは言えず、仕事欲しさやこれまでの慣習で、安価な処理費用で請け負うケースも多いと聞く。そして、このことが、適正な価格で適正な処理を行おうとする処理業者の足かせになっていることも事実である。
また、排出事業者から排出される廃棄物に関する情報がないために、処理過程で火災などの大事故をおこすケースもあり、産業廃棄物業界の災害率は他業界に比べて高い。

今回の事件を契機に、改めて、適正処理、そして資源循環という廃棄物処理業に課せられた社会的使命を業界・個々の事業者が深く認識し、自らが襟を正し、全うすることは当然である。
それと併せて、排出事業者は自ら排出する廃棄物の処理に責任を持ち、廃棄物情報をこまめに処理業者に知らせ、中環処理や最終処分の状況を自ら確認する、そして何より、 安全かつ適正な処理にはそれ相応の費用がかかることを認識し、その責任を全うできる体制を社内に整備することも必要ではなかろうか。
さらに行政には、取り締まりを強化し悪徳業者の排除に全力を尽くすことはもとより、行政、排出事業者、処理業者、そして市民も含めた関係者の情報交換の場を設けるなど、健全な資源循環社会に向けた取り組みが社会全体で進むよう、そんな取組も期待したい。
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by JAES21 | 2016-01-26 17:30 | 藤村コノヱが斬る
消えてしまった1.5℃

昨年末に採択されたパリ協定を受け、気候変動に立ち向かうための新たな時代の幕開けとなった。

そうした中、長いお休みを経てやっと国会が開会されたが、気候変動対策に関する議論は全くなく、相変わらずの選挙をにらんだ政争が続いている。

ところが多くの人が知らないところで、安倍総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部は、国内対策の取組方針を12月22日に決定している。

しかし、内容は誠にお粗末としか言いようがない。

特に問題なのは、前文において、「パリ協定等において、2℃目標が世界の共通目標となり・・、」としている点である。
パリ協定では既に深刻な被害が出ている途上国からの強硬な意見を反映し、「世界共通の長期目標としては、工業化以前の地球の平均気温からの昇温を2℃よりも十分下回るよう抑え、1.5℃未満に止めるよう努力する」としたことが功を奏して、途上国を含む全ての国が参加する形で採択された。
にもかかわらず、日本政府の取組方針では1.5℃未満という文言を消し、2℃目標が世界の共通目標としている。これは、日本政府がパリ協定そのものを軽視しているととられかねないし、実際に気候変動に対する危機感のなさや覚悟のなさを露呈するものである。

また、「来春までに地球温暖化対策計画を策定するが、策定に向けて中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合を中心に検討を行う」とした点も問題である。
勿論、この両者の意見が公正・公平に政策に反映されれば問題ない。
しかし、これまでの長年の経緯を見る限り、経産省所管の産業構造審議会の意見が重視され、環境省所管の中央環境審議会の意見は軽視され続けている。
特に、現政権においてその傾向は顕著であり、実際に、COP21に向けての日本の約束草案も合同部会が組織され議論されたが、温暖化防止の観点からのエネルギー構成に関する議論は殆どなく、最終的には日本は低い削減目標値しか示すことができなかったという経緯がある。
そして、今回の国内対策の取組方針に、1.5℃未満という文言を書きこめなかったこと自体、その力関係を如実に表している。

パリ協定の精神を根底に、危機感を持って日本が気候変動対策に取り組むには、やはり私たち市民が本気になって、政治を動かす力を持たなければ、と強く思う。
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by JAES21 | 2016-01-12 17:30 | 藤村コノヱが斬る
次世代が健全に育ってこそ、社会は持続する

今年も残すところ、あと10日ばかりとなった。
今年は、異常気象のますますの顕在化、ISによるテロの拡大、そして安保関連法成立など、国内外ともに持続可能な社会からますます遠ざかるような出来事ばかりが続いた。
幸い、COP21では「脱炭素社会」へと世界中が大きく舵を切ったが、人間のあくなき欲望を抑え、次世代により良い環境を残せるかどうかは、わからない。

そんな中、来年度の一般会計予算案が96兆7千億円程度と、過去最大になる事が報じられた。防衛費と公共事業、ODA予算などは増額され、予算に占める借金の割合は約35%と先進国で最悪の状況だという。財政再建など口先ばかりで、まさに従来の経済成長路線の延長と軍事拡大路線で、企業・強者にやさしく、次世代・弱者に冷たい現政権の姿勢そのものの予算だと感じる。

一方、18歳選挙権に伴い、高校生の政治活動を封じ込めるような動きが一部の県や政令市の教育委員会で出ている。「安全確保」ということが理由らしいが、選挙権を18歳と決めた時点で、当然予測できたことであり、いまさら何を、という感じである。

以前にも書いたことがあるが、ドイツの中学校を訪問した際、前日の国政選挙の地元での投票率と各議員の得票率が掲示板に張り出され、また教室では、地元の空港跡地の利用に関して、市長に政策を提言するための議論が行われていた。
当時はこうした授業を国内で見たことがなかったため、これが持続可能な社会のための環境教育であり、民主主義教育だと感動したことをいまでも鮮明に覚えている。

先日も日本のGDPに占める教育機関への公的支出は0ECD加盟国中最下位との調査結果が出た。そして来年度予算でも教職員数は削減される見通しだ。経済格差が教育格差も生み出す現状の中で、次世代を担う子どもや青少年への教育は、日本では人的にも経済面でも本当に軽んじられていることが、これらのことからもわかる。

「全ての子どもや青少年が、安心・安全な環境の中で、元気に、心豊かに暮らせる社会」
次世代が健全に育ってこそ、社会は持続する。
パリ協定は、気候変動だけでなく、次世代重視の社会づくりのための世界の誓いでもあることを、忘れてはならない。
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by JAES21 | 2015-12-22 17:30 | 藤村コノヱが斬る
欲望をコントロールする術は?
先日大阪で、「グリーン経済へのアプローチ」と題する勉強会を開催した。

“環境問題は文明の問題”という認識の下スタートした環境文明21では、社会の重要な柱の一つである経済の在り方についても継続的に探求し、2005年には『グリーン経済を成り立たせるための10の提言』を出している。今回の『「グリーン経済」へのアプローチ』は、それをさらに深化させたものである。

気候変動、テロ、格差など、解決困難とも思われる課題が世界を席捲しているが、これら問題の背後には、現在の経済活動が大きく影響していると思われる。にもかかわらず、多くの人は、環境や人類社会の危機から目をそらせ、「何かおかしい」と思っても、これまでの道を変えようとはしない。

そんな中、私たちは現在の経済から、「経済と環境が調和し、人間社会が生き生きと脈動する、持続可能な社会を支える経済=グリーン経済」への転換を提案している。

詳細はHPなどをご覧いただきたいが、実現に向けては、①量的成長から質的成長にその重点を転換させること、②自然の理に沿って生態系を壊すことなく、民意を反映した「徳」や「倫理」をも組み込んだ規律ある市場経済を創るための新たなルールを設けること、③セイフティネットとして、あらゆる人に「働く場・仕事」を確保すること、が重要であると考えている。

しかし、大阪の会合でも、「理念・方向性には賛成だが、広めるのは難しい」との意見が多くの人から出されたように、なかなか広がらない。

7日の朝日夕刊に、河上肇京都帝国大教授の記事が掲載されていた。彼はおよそ1世紀前に格差と貧困を解決する経済の在り方を模索したが、結局、解決策は個人の心がけ、としたことにより、他の経済学者から批判されたという。

気候変動など顕在化していない時代で、少し視点が異なるものの、私たちと同じ問題意識を持った先人がいたことはうれしいが、1世紀以上たった今も、貧困は解決しないどころか深まるばかり。いかに難しい問題かを再認識させられる。

気候変動もそうだが、世代や国を超えた難問解決には仕組み・ルールは必須である。しかしそれ以上に、人間の欲望をどうコントロールするか?特に経済活動はそれが深く関わることから、なかなか難しい。結局は河上が言うように「個人の心がけ」、即ち、共生、互助・利他、ほどほど、中庸、知足などの価値をどう培うか、そのための「教育」しか道はないようにも思う。
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by JAES21 | 2015-12-08 17:30 | 藤村コノヱが斬る
やるのか?やらないのか? それが問題
今月末からパリで開催されるCOP21。テロの影響で世界各国のNGOが連携して行う予定であったアースパレードは、パリでは中止になったが、会議自体は開催の予定である。

いうまでもなく、COP21は人類社会にとって重要な会議であり、この場で世界中が気候変動問題に真摯に向き合い確実に温室効果ガスを減らす方策と仕組みについて合意することが強く望まれる。しかし、気候変動との戦いはその後も続くわけで、これが終わりではない。むしろ、その後、如何に確実に温室効果ガスを削減していくかの方策が重要である。

日本の、2013年度比26%削減という2030年目標値が低いことは言うまでもない。
しかしこれさえも、実現するにはありとあらゆる手段を講じなければならず、並大抵のことでは実現しないことも事実である。

環境税・炭素税をもっと充実させ、頑張る企業や市民にインセンティブを与える仕組みも必要である。
アメリカのようにCO2を大気汚染物質ととらえ、大気汚染防止法のようなもので規制していくことも不可欠であろう。
東京都では、排出権取引で効果を上げていることを考えれば、それを全国に広げることも考えられる。
また、“温暖化対策は経済に悪影響を及ぼす”などと言った間違った認識を、早急に払拭するような広報活動も重要である。

こうした行政主導の方策だけでなく、市民にできることもある。
家庭での省エネに加えて、環境配慮型・省エネ型の商品を買ったり、来年4月からの電力自由化に合わせて、再生可能エネルギーなどのグリーン電力を買うこともできる。
個人レベルでの取組に限界を感じているならば、地域での取組に参加することもできる。
例えば、地域の交通手段を自動車から、公共交通や自転車、歩くことに転換していく方策を皆で提案して実現する。食べ物だけでなく、エネルギーの地産地消を地域全体で進めていく。そうした地域づくり、まちづくりの弊害になるような既存の制度は地域の条例などで変えていく、などなど。

環境文明21では、環境文明ブックレット8「生き残りへの選択」と題して、政治、経済、技術、教育といった大枠だけでなく、食・農、住む・街、働く、子育て、移動、消費、社会への参加、楽しむといった暮らしの中での実現策についても提案している。これを参考にして頂くことも大歓迎である。

温室効果ガス削減の方策は既に色々出ている。要はやるかどうかである。

今週末、東京と京都でパリでは中止になった「アースパレード」が開催される。
是非、世界の仲間と一緒に歩いて気候変動時代を乗り越える行動のきっかけにしてほしい。
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by JAES21 | 2015-11-24 17:44 | 藤村コノヱが斬る
人間の知恵と行動で、二つの危機は乗り越えられる!
4日、原子力規制委員会は、日本原子力研究開発機構(JAEA)は高速増殖炉もんじゅの運営主体として不適当であり、文部科学大臣はこれに代わる主体を明示すべきとの勧告を出した。

勧告の直接の原因は、2012年に約一万件の点検漏れがあり、それ以降も新たな点検不備が繰り返されたことによるという。2012年と言えば、既に福島事故が起きた後である。にもかかわらず、である。しかももんじゅには、この20年に一兆円の税金が投入され、現在も維持管理と安全対策のために一日約5千万円もかかるという。さらに、1500tものナトリウムが冷却剤として保管されているらしく、爆発による大きな危険性も抱えている。

この勧告により廃止論が盛り上がることを期待したいが、一方で、“原子力ムラ”が息を吹き返していることも事実である。
相次ぐ再稼働の動きに加え、私たち環境派の身近にいる電力関係者からさえも、温暖化の危機を食い止めるには原発は必要との声が上がり始めている。

国立環境研究所とみずほ情報総研は、持続可能な社会構築に向けた国際的研究機関との連携による国際プロジェクト(DDPP)において、日本を対象とした分析結果「日本における大幅な脱炭素化への道/2015年日本報告書」を取りまとめている。

これによると、2050年までに原子力を完全に廃止しても2050年80%削減は、再生可能エネルギーとCCS設備のある天然ガス火力で実現可能という結果を導き出している。但し、
同報告書では原子力廃止に伴う電力不足を補うために、石炭火力やガス火力を一時的にCCSなしで稼働させることから生じるCO2は大きな課題としているが、それは、技術力と投資により解決できる課題ではないだろうか。

温暖化に伴う気候変動の危機も、原発事故に伴う危機も、両方とも避けたい。
そのためには、常時莫大な費用のかかる、そして一度事故が起きれば長期間にわたり取り返しのつかない悪影響を及ぼす原発は早期に廃止する。
そのかわり、そこに投入される莫大な費用と知恵を温暖化防止のための技術や整備、教育や支援などのソフトにも投入すればいい。

簡単なことだと思うのだが、権力と既得権益に固執する人たちには、なかなか通じない。
両方の危機を回避するための知恵と行動を、どうすれば多くの人に伝えられるか、悩ましい毎日である。
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by JAES21 | 2015-11-10 17:30 | 藤村コノヱが斬る
気候変動時代を乗り越えるためのシンポジウム(10月27日)のお誘い
11月末からパリで開催されるCOP21を前に、最後の作業部会がボンで開催されている。しかし会議冒頭から、提案された草案に対して、途上国から資金支援不足や責任所在が不明など、途上国の意見が反映されておらずバランスを欠くといった批判が出ているという。

先進国と途上国の対立は常にあった。
しかし、京都議定書が採択された当時は、途上国の排出量は全体の20%程だったものが、今では60%に達するほど増加していることや、途上国でも先進国でも既に気候変動に伴う被害が常態化していることを考えれば、全ての国が責任を負う新たな枠組みが不可欠であることは言うまでもない。そうした理屈は分かっていても、実際の交渉になると、各国のエゴが出てくるのは国際交渉の常である。

しかし、そんなことを言っているうちに10年20年が経過し、気候変動に伴う被害は増大し続け、被害に苦しむ市民も増えている。

先日某紙で、明日香東北大学教授がシリア難民の増加と気候変動の関係を述べていた。
実際、干ばつや自然災害により農業生産が不能になり、食糧危機が難民の苦しみを増長しているのも事実である。

これまでの累積に加えて、上記のようなことを考えれば、これまで豊かさを享受し、温暖化の原因をつくった先進国が途上国に対して配慮するのは、公平性など倫理的観点からすれば当然である。
国内では、目標値や資金援助の話が中心だが、全ての国、全ての人々、そして全ての将来世代に係るこの問題を解決するには、その根底にある、人としての「正義」や「公平性」といった哲学なくして解決の道はないようにも思う。

そんなことをテーマに、10月27日の午後、「気候変動時代をどう乗り越えていくか~パリのCOP21へ、そして、それからを生き抜くための知恵~」と題したシンポジウムを開催する。

是非多くの方にご参加いただき、人間の知恵、倫理の観点から、解決の糸口を見出して頂きたいと願っている。

参加のお申し込みはこちら
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by JAES21 | 2015-10-20 17:30 | 藤村コノヱが斬る
ますます鈍感力を増す安倍総理
9月19日未明、多くの疑問や反対の声がある中で可決・成立した安保法。
デモの回数は減っているものの、いまだにその違憲性を糾弾する声や内容に対する説明不足を指摘する声は続き、「参院選で賛成議員を落選させよう運動」もあちこちで起きている。

そうした政治的な動きもさることながら、安倍総理の人間性に対する疑問も、特に女性の間では根強いような気がする。品を欠く発言かとも思うが、あえて次のことは言いたい。

その1.法律成立直後のゴルフに興じる安倍総理の姿。ご本人は念願の法律が成立しほっとしたということであろうが、あれだけの反対があったのにそんな国民感情は全く無視するようなこの行動には、鈍感力さえ感じる。ましてその直前の常総豪雨で被害にあわれた方々は、この姿をどんな思いで見ていただろうと思うと、その配慮のなさには、人間としての「心根」が全く感じられない。

その2.自民党総裁再選後に打ち出された「新三本の矢」の空しさである。非正規雇用や格差がますます深刻化する中で、「一億総活躍社会」とは一体どんな社会を言うのか。一本目の「強い経済」として今後のGDPを600兆円に引き上げということだが、これには経済界からも疑問の声が上がるほど現実味がない。2本目の「子育て支援」は明らかに安保法案に反対する女性たちを意識したものと思われるが、そうであるならば、安保法を廃案にする方がよほど効果的である。さらに三本目の「現在は1.4程度の出生率を1.8程度に回復させる」に関しては、女性の心理や社会的状況を全く理解していない、男性目線の方策としか言いようがない。

その3.国連総会での演説で、「経済、経済、経済」と連呼する姿には、品格も何も感じられず日本国民として恥ずかしい、の一言である。そのうえ、シリア難民の受け入れに関する質問に対して、「女性の活躍、高齢者の活躍が先」と全く質問の意を理解していない回答には、国際的動向や様々な困難に直面している多くの人々の心情に対する鈍感な姿勢が鮮明に表れており、「積極的平和主義」を語る資格などないように思える。

個人的な好き嫌いもあるが、どう見方を変えても、安倍総理の考え方や行動の中に、「人間」は存在していないような気がする。

ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授の、「人のために」の信念が、より重く心に響く。
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by JAES21 | 2015-10-06 17:30 | 藤村コノヱが斬る
安保法制よりも、差し迫った気候変動の脅威

昨年の広島に続き、今年も大洪水が東日本を襲った。
栃木、茨城、宮城を中心に、(14日時点で)死者7名、行方不明者15名、家屋の損壊は約2万所帯、農業被害も10億円を超えるという。

直接的原因として、気象庁は台風18号と17号、そしてエルニーニョ現象を挙げているが、その背景に温暖化があることは疑う余地はない。
温暖化により深海まで達した海水温の上昇は、大量の水蒸気を生む。また海水温上昇と海流の変化は北極の寒気を閉じ込めていた気流の流れを狂わせ、思わぬところに猛烈な寒気を送り込む。
そんな地球規模での海と大気の変動が、様々な異常気象をもたらしていることは科学的にも証明されつつある。

いや、科学からの警告を待たなくても、私たち人間は、異常なまでの猛暑、大型台風、竜巻など、かつて経験したことのない自然の脅威に、「何かおかしい!!」と感じ始めている。
そして、現実に多くの人の生命と財産が失われている。
同じマンションの住人から、「3.11で自宅が崩壊し、やっと新築の家を建てたのに、今回の大雨で流された友人がいる」という話を聞いた。本当にお気の毒としか言いようがない。

山場を迎える安保法案の審議の際、安倍総理は必ず、「国民の生命・財産を守るために、」この法案が必要だという。
しかし、既に多くの人が異常気象に伴う災害で、生命も財産も失っているのに、それに対する対策、法整備は遅々として進んでいない。

架空の敵よりも前に、既に現実のものとなっている大きな脅威に対して、責任を持つのが国家のリーダーの使命である。

国民の多くが反対する憲法違反の安保法案をごり押しして通す前に、一国のリーダーとして、気候変動の科学をしっかり理解し、如何に被害を最小限に止めるか(緩和策)、如何に押し迫る異常気象に対応していくか(適応策)を考え、早急に対策を講じるべきである。

戦争は、人間の知恵で回避できる。
気候変動も今直ぐに手を打てば、被害を最小限に抑えることができる。
しかし、ぐずぐずしている時間はない。
「決める時は決める」のは、こちらの方が先である。

「重大な危険が差し迫った異常事態」という気象庁報道官の深刻な呼びかけを聞いていると、もう間に合わないのかという絶望感に襲われる。
しかし、立ち止まり諦めたら人類社会の明日はない。諦めず、立ち向かうしかない。
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by JAES21 | 2015-09-15 17:30 | 藤村コノヱが斬る



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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