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カテゴリ:加藤三郎が斬る( 158 )
後退を重ねる民主党の温暖化政策
またしても嘆き節になるのは残念であるが、これだけは言っておかねばなるまい。

民主党の温暖化政策が、ずるずると後退を重ねていることである。鳩山政権が誕生したとき、温暖化政策については、自公政権のグズグズした政策を一転し、2020年までに90年比で25%の削減を表明したことを私を含め、多くの人が拍手喝さいして歓迎したものである。同時にこの目標を達成するため、排出量取引、再生可能エネルギーの全量買い取り、そして、温暖化対策税という名の環境税を導入するだけでなく、あらゆる政策を総動員すると明言した。しかしながら、鳩山さんの温暖化対策はそこまでで止まり、後は後退の一途である。

すなわち、本年3月に温暖化対策基本法なるものを閣議決定したが、25%削減については、主要な排出国がやらなければ、日本は削減しないという主旨の条文も書き込んだ。また、この基本法案に明記した排出量取引などの3つの基本施策も、今日までの間にひとつひとつ後退をし始めた。

まず、環境税。
これは、わずか2,400億円であり、温暖化対策に必要な金額としては、一桁小さい上に(詳しくはこちら)、11年度はさらに割り込んで、来年の10月から実施し、最終的に2,400億円になるという。

また、温暖化対策を進める上での最も重要な施策として考えられている排出量取引に至っては、企業側の負担増により国際競争力の低下、企業経営への行き過ぎた介入、マネーゲームの助長などの理由を挙げ、「慎重に」検討し、結局、先送りになるようである。すなわち、最早、逃げ支度をしているのだ。

再生可能エネルギーの全量買い取りについても、国際競争力への影響とか、負担を軽減するように制度設計を工夫するとか、いろいろな理由を挙げて、これもどちらかというと、ブレーキをかけ始めている。

今、日本の企業や日本の国が国際競争力の点で、どんどん劣り、中国、韓国などにも大きく水をあけられているが、これは何も温暖化対策にお金をかけたからではない。むしろ、かけていないから、ずるずると落ち込んでいるというのが本当のところだろう。なぜならば、温暖化対策をしっかりやることが、日本企業の技術の進歩を促し、活力を高めるのに役立つからである。あれもダメ、これもダメとダメな理由を挙げて、先送りや逃げまくりの姿勢は、前の自公政権時代の消極的な姿勢と何ら変わらない。むしろ、自公政権時代は、低いなりにも目標があった。民主党政権は、25%削減と数字だけは書いてあるが、他の主要排出国眺めであり、これでは目標は蜃気楼のようなものだ。結局、民主党は本気になって温暖化対策を発動しようとしていないのではないか。誠に残念以上のものがある。私だけでなく、多くの環境関係者が民主党の温暖化政策に失望したというより、むしろ、絶望に近い感情を抱きつつある。最早、民主党政権にまともな温暖化政策を期待するのは無理なのではないか。来年には政界再編や外部からの圧力、ないしは異常気象による重大な気象災害の頻発によって、この逃げばかりが目立つ政策を変えるしかないのではなかろうか。
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by JAES21 | 2010-12-28 14:33 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
一桁少ない民主党の温暖化対策税案―これでは25%削減は危うい
 民主党の税制改正プロジェクトチームが、先月24日、総会を開き、地球温暖化対策税(環境税)の素案となる基本方針をまとめたと言う。現行の石油石炭税を5割程度アップし、その増税分の2,400億円を温暖化対策税として使う案だという。

 私はこのニュースに接すると、民主党が一体何を考えているのか、甚だ疑問になった。なぜなら昨年の9月22日、鳩山首相(当時)は、国連で胸を張って、わが国は「25%削減」をすると表明した。しかし、いいところはここまでで、そこから先、民主党は、実のある温暖化対策をほとんど実行していない。

 もちろん、温暖化対策基本法なる法案を国会に提出しているが、その法案の中には、25%削減を事実上、否定するのに等しい条文が書き込まれている。私自身はこの法案に盛り込まれた目標は蜃気楼のようなもので、近づけば近づくほど見えなくなると評価している。さて、その民主党は温暖化対策税を2,400億円にする方針だが、2,400億円で一体何が出来るのか?私は、かねてから、道路関係税制の暫定税率分(税収2兆数千億円相当)と石油石炭税(約5,000億円)の双方を使って、少なくとも2兆円前後の温暖化対策税制を創出すべきだと主張している。なぜならば、温暖化対策税収を使ってすべきことは次に示すように甚だ多いからである。

(1)省エネ・創エネに資する商品や施設(住宅を含む)の技術開発
(2)省エネ・創エネに資する商品や施設(住宅を含む)の普及のための助成
(3)吸収源対策としての森林管理の強化と関連公共事業の促進
・人材育成のための職業・職場訓練
・林道建設・法面保護 ・間伐材の利活用
・機材開発
(4)温暖化に資する各種交通機関の技術開発と都市・交通体系の確立
・自動車
・航空機
・船舶
・都市
・交通体系(超低燃費車に限っての高速道路無料化や自転車専用道路の拡充を含む)の確立
(5)NPO等による温暖化対策の必要性等に関する環境教育・学習及びキャンペーンの実施
(6)適応戦略の検討・実施及び観測、研究、学術交流などの充実
(7)国内及び国際社会での温暖化対策に必要なその他施策

 このように書くと、新たな大増税を考えているのかと批判されることがあるが、そうではない。なぜなら道路特定財源の暫定税率分と石油石炭税を活用するだけで、新たな増税をする必要がないところがミソである。要は、民主党政権が、2020年の25%削減であれ、2050年の80%であれ、本気になって温暖化対策を目指すのかどうかが問われているのだ。
目指すのであれば、2千億円台の対策では全く不十分(山火事をバケツの水で消そうとしているようなもの)で、せめて1桁上の2兆円台にしなければ賄えない。もし、その税を作る気がないのであれば、民主党の温暖化対策は、早々と白旗を掲げるべきであろう。
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by JAES21 | 2010-12-06 14:38 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
国会はなぜ憲法改正を議論しない
最近、日本の社会が衰退し、国際的な競争力を失っているという論評が、各方面から出始めてきた。その原因はいろいろあろうが、政治家も経営者も難しい問題は先送りし、安易な問題ばかりを取り上げて、仕事をやっている振りをしていることがその一つであると思われる。
自公政権もそうであったが、民主党になっても、国民のばらまき政策ばかりに熱心で、消費税、環境税など、賛否が厳しく分かれ、あるいは国民にある程度の痛みを伴う政策は節操もなく先送りしてきた。
このような先送りの最大の事例は、憲法改正問題である。
現行の日本国憲法は、起草されてから既に60年以上経っている。この間に、世界も日本も大きく変わった。人口も経済も社会も、まさに根こそぎ一変したと言えよう。もし、戦前の日本だけを知る浦島太郎が今現れたら、最早同じ国とは思えまい。戸惑うどころの話ではない。しかしながら、この日本では、60年以上に亘って、憲法の改正どころか、既に重要な問題となっている環境問題などに対する条文の追加もしていない。憲法の改正発議は国会しかできない。従って、国会は、憲法の規定と国の現状との間の齟齬を常に監視し、必要な改正を提起しなければならないのに、議論すらしていないというのは、何事であろうか。
また、国民もこの問題に無関心すぎると思われる。多分、日本の経済社会の厳しい現況を考えると、憲法の議論などしている余裕などないと多くの人は感じているのだろう。しかし、そのように常に足元、目先ばかりを追い求めてきたのが、今の体たらくではなかろうか。中長期的に日本に必要な施策、目標、政治の理念を常に新しいものを掲げていくという覚悟と識見がなければ、日本は目先だけの落とし穴に落ち込んでしまうであろう。つまり、大事な問題を終始先送りしてきたこれまでの政治や、またそれを許した国民の怠慢が今日の衰退の真の原因と思われる。政治とカネ、成長戦略といったものに血道を上げるのも必要なことかもしれないが、しかし、同時に憲法改正といった将来を照らす問題に国会は取組み、また、国民も議員に強く勧めるべきである。
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by JAES21 | 2010-11-09 11:06 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
非常に問題なアメリカの不在
来月中旬から下旬にかけて、名古屋において生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催されることがきっかけとなり、日本のメディアは生物多様性問題を様々に取り上げている。ポスト2010年目標や名古屋議定書の締結が出来るかどうか、途上国と先進国との遺伝資源の利用に伴う利益配分を巡る対立は極めて深刻といったような記事が並んでいる。しかし、この生物多様性条約にアメリカが参加していないことの意味と人類社会の未来への影響についてしっかりと議論しているものは、私の知るところほとんどない。

考えてみると、アメリカは1960年代から70年代にかけて、世界の環境運動のリーダーであった。環境アセスメント法の施行、情報公開、森林減少問題、捕鯨禁止、そしてウィーン条約、モントリオールプロトコルと言われるオゾン層破壊に対する積極果敢なアメリカの環境外交は目を見張るものがあった。私自身は若いときからそのような輝かしいアメリカを尊敬の眼差しで見つめていたものだ。ところが、80年代の後半から地球温暖化問題、すなわちエネルギー問題が出てくると、それまでの積極果敢な取り組みとは全く違った消極的な対応を取るようになった。2001年ブッシュ政権の成立直後、京都議定書を離脱したことはよく知られている。しかし、92年の地球サミットの時に成立した生物多様性条約については、当初からアメリカは自国の製薬・食品企業等の利益を慮って、参加しなかった。
以来、20年近くそのポジションを崩していない。

オバマ政権は、ブッシュ政権と違って、温暖化に熱心な姿勢を示していたが、私の知る限り、生物多様性条約に参加をしようという積極的な動きはない。京都議定書離脱も生物多様性条約への不参加も、その理由は「アメリカの経済に悪影響を及ぼすから」ということであった。いわば、自国の経済に対する配慮を人類社会の中長期的な安全保障より優先したのだと言っても過言ではない。

アメリカ全体としてみれば、科学者や企業の中で、温暖化防止にしても生物多様性にしても、積極的にリーダー的活動をしている部分は大きい。しかし、政府、連邦議会を含む国としてみると、極めて消極的であることが残念でならない。私自身はアメリカがこの問題にどう対応するのか、名古屋でも注視していきたいと思っている。
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by JAES21 | 2010-09-29 13:33 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
行方不明の温暖化対策
 今、政治の世界では、民主党の代表選一色だ。菅直人首相も小沢一郎前幹事長も活発に論争を交わしている。これはこれでいいが、温暖化については、両者ともほとんどまともな議論をしていない。
 
 昨年のちょうど今頃、鳩山首相は、胸を張って国連で、日本は2020年までに90年比25%削減すると国際社会にも公約した。
 その公約を聞いた時に私は非常に喜んだが同時に、厳しいハードルをくぐることが出来るかどうかを懸念した。不幸にして、その懸念は当たり、鳩山さんは言いっぱなしで、そのフォローアップは事実上ほとんどない。
 私自身は、これほど厳しいハードルをくぐるためには、短期的には痛みを伴うが、しかし、日本の将来世代のために、日本の企業の競争力を高め、力強く再生していくために、必要だということをどこにいっても言い続けて欲しかった。 

 代わった菅さんも温暖化については、ほとんどそれらしいことを言っていない。彼の新成長戦略の中で、いの一番に環境エネルギー政策を置いたけれども、しかし、それを達成するための具体策とそれを実現させるための執着力がほとんど見えない。小沢さんも同様だ。足元の問題は、経済であり、雇用であることは言うまでもない。しかし、過去10年20年、日本の政治が、足元のことばかりにとらわれて、少し先の5年、10年先の課題を真剣に議論してこなかったことが、日本が袋小路に入り、国力を衰微させている大きな原因だ。

 今からでは、もう遅すぎるが、菅さんであれ、小沢さんであれ、どちらかが総理大臣になったときは、ぜひ温暖化問題の重要性と戦略性に着目して、日本の社会と企業に喝を入れ、再生をもたらすものとして、しっかりとした政策の立案と実行を期待したいものだ。
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by JAES21 | 2010-09-09 11:34 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
高速道路無料化問題:再び
高速道路の無料化は、ハイブリッド車、電気自動車などの超低燃費車に限るべきだと私が繰り返し主張している趣旨は、単に予算が足りないからとか、財政負担を軽減しようとかそういう観点からの主張ではない。

大げさに言えば、この21世紀、日本は何で食べていくかという戦略の話である。今、確かに自動車産業が稼ぎ手のトップクラスを占めている。しかし、今のような政策で行ったら、10年後、20年後、この地位を保てるかというと極めて疑わしい。企業の競争力はもちろん企業の内部努力が基本であるが、政策的要因も極めて大きく効いてくるからだ。

繰り返し言っているように日本の70年代の厳しい公害規制やエネルギー危機時の石油価格の急騰が、数々の新技術や省エネ技術、そして環境産業と呼ばれるものを生み出し、結果として日本の経済力も国際的な競争力も飛躍的に向上した。今、日本が得意と思っているエコカーの世界における状況を見ると、すぐ後ろまで中国や韓国、欧米のメーカーが追いついてきている。ここで、一つ抜きん出るには政策的な支援が必要だ。高速道路を無料化するというのは愚かな政策と思うが、この政策の毒をこの際、日本のハイテク技術と競争力とを一気に飛躍させるための手段に使うべきだ。それが、エコカーだけを無料に、それ以外の車は有料にという差別政策だ。

6月末、民主党は、地方路線の一部だけタダにするという政策を導入したが、こんな政策ではなく、首都高、阪高、東名、山陽などどこの高速道路でも、エコカーだけは無料にするという政策を採用することによって、エコカー、特に電気自動車に対する需要を伸ばし、技術を発展させる契機となる。そのことを今一度、強く主張したい。
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by JAES21 | 2010-07-01 16:16 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
地球温暖化対策基本法案は廃案を機に出直せ
鳩山前首相は、昨年9月に組閣をするとその直後に国連に出掛けていき、日本政府の温暖化対策に対する熱い思いを披歴した。そのなかで、2020年に90年比で25%削減するとの中期目標を明らかにし、会場からも国際社会からも大きな注目を受けた。
しかしながら、その高い目標をどう達成するかの厳しい戦略づくりと覚悟がなかったためにその後、鳩山内閣の温暖化政策は失速してしまった。

今年の三月、国会に地球温暖化対策基本法なる法案を提出し、確かにその中に2020年には25%削減、2050年には80%削減という数値を示し、それを達成する基本的施策として、国内排出量取引制度の法制化、地球温暖化対策税(仮称)の来年度の実施に向けて成案を得る、さらに再生可能エネルギーの全量固定買取制度の創設などが盛り込んではいるものの、肝心の中期目標は、「すべての主要な国が、公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みを構築するとともに、温室効果ガスの排出量に関する意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定されるもの」との前提条件を付けてしまった。要は、他の国がやらなかったら私たちは25%を目指しませんよと言ったに等しい。大幅削減を可能とする主要な政策である排出量取引制度についても、排出量総量の限度を定める方法を基本としつつも、生産量等の一単位当たりの排出量の限度と定める方法についても検討を行うと法案に明記した。

私は、鳩山内閣が提出したこの法案を見て、これでは25%は蜃気楼のようなもので、鳩山内閣には、これを達成するだけの覚悟と戦略はないと見てがっかりしていたが、案の定、衆議院は強行採決によって通したものの、参議院では廃案を決めてしまった。昨年9月の鳩山さんの国際社会に向けて大見栄を切った公約は最初から根がなかっただけに、あっさりと消えてしまった。これは日本にとっても世界にとっても不幸であるが、先程述べたような重大な欠点を持つ法案を通すくらいなら、誰にも明確な法案につくり直して参議院選挙後、速やかに提出し直すべきである。

ついでに言えば、私自身は2020年の目標は25%でなくとも、現状からみて(真水で)15%でも減らせれば良しと考える。何故なら、2020年は所詮2050年に至る一里塚にすぎないので、2050年までに80%以上の削減に確実にたどりつくだけのしっかりしたロードマップを2030年、40年へと描くことのほうが大事だからである。
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by JAES21 | 2010-06-17 13:38 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
何をしているのか、高速道路の無料化政策
 昨年夏の総選挙に際して民主党がマニフェストに掲げた重要政策が、鳩山内閣で実行されていないものがいくつもあるが、国民生活に極めて密接に関わる自動車関連では、ガソリン税などの暫定税率を廃止する件と高速道路無料化の政策がある。

 まず、暫定税率については、乏しい財政事情のためか、廃止どころかそのままそっくり維持される(従ってガソリン等は安くはならない。)ことが小沢幹事長らの一声によってあっさりと決まった。
一方、高速道路の無料化は、マニフェストの上でも段階的に実施することになっていた。完全に実施すれば、1.3兆円程の予算が必要になるが、今年度の予算については、財源の問題もあったのか、1千億円で地方の37路線の無料化が決まっていた。しかし、再び、小沢氏らの要求で方針が変わり、高速道路建設のお金を確保するため、無料化とは裏腹に上限2千円の料金体系が6月から導入されると4月に発表された。しかし、これも、小沢幹事長らの反対により、不透明となり新料金体系は6月の実施も見送られた。

 高速道路の無料化は、自動車利用を今まで以上に優遇し、地域経済を活性化したいとの民主党の意志は伝わるものの、地球温暖化時代における自動車を動かすエネルギー源はどうあるべきか、また、日本の交通体系全般をいかに維持発展させるべきかのメッセージが全く見えてこないことが問題だ。だから、鉄道、バスなど大量公共交通機関の事業者から強い反対の声がある。この際、地方路線だけを無料化するとか上限料金制にするといった中途半端なやり方ではなく、日本のエコカーの技術競争力を高め、さらに中長期的な交通体系づくりの方向性を明らかにするよう、政策を転換すべきだ。
すなわち、高速道路の料金としては、ハイブリッド車、電気自動車などの超低燃費車は無料にするという差別化政策を取ることにより、この車種に対する需要を大幅に喚起し、競争によってこの車種の価格を引き下げ、同時に技術を一層高める機会とするのである。深刻化する地球温暖化の影響や燃料の高騰傾向を考えると自動車の将来は、超低燃費によるCO2の削減ないしは電気などの動力源への転換しかなく、現実に世界はその方向に一斉に駆け出している。

 日本人の多くは、日本のハイブリッド車や電気自動車の技術は世界一であると思い、誇りにしていると思うが、その優位を保つためには、メーカー、技術者の努力だけでは限界がある。1970年代に厳しい自動車排ガス規制を行ったことが、日本車の国際的優位性を一挙に高めたように、規制を含む政策的支援が必要である。現に、規制をかぶせられた欧米のメーカーだけでなく、中国のメーカーも猛烈な勢いで低燃費化に取り組んでおり、このままでは日本の優位性は遠からず失われよう。
与野党は、国会審議を通じて、高速道路の無料化という合理性に乏しく、かつ財政や雇用に負担を掛ける政策を速やかに転換すべきだ。日本の自動車作りの方向性を内外に明示して、現状ではまだ国際競争力のある技術水準をもう一つ上に引き上げるとともに、鉄道、フェリー、バスなどの重要な公共交通機関を守り、さらに電動自転車なども推進する方向に踏み出す機会を失ってはなるまい。
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by JAES21 | 2010-05-21 16:34 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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