環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

カテゴリ:共同代表が斬る( 6 )
「エネルギー・環境に関する選択肢」に対するパブリックコメントを提出します
今後のエネルギー・環境戦略のとりまとめにあたり、7月2日からパブリックコメントが開始された。
福島の原発事故を受け政策の転換を余儀なくされたことによる。
その詳細は、政府のホームページなどをご覧いただき、是非多くの方にパブリックコメントを提出して頂きたいが、ここでは、環境文明21共同代表の考え方を述べておきたい。

(下記内容を基に、環境文明21並びに各共同代表が近日中に提出します。)

選択肢
3つの選択肢が提示されているが、将来的に、原発ゼロ社会を目指す私たちとしては、当然ゼロシナリオ(選択肢①)を選択する。しかし、選択以前の問題として、数値設定の前提条件や方法論等には、以下のような問題点があると考えている。

問題点(概要)
1.2030年までにGDPを2割以上成長させ、エネルギー消費量を1割カットするとの前提には問題があると考える。2000年から2010年までの我が国のGDP(名目)は減少しており、人口減少、高齢化等を考えると、これを上向かせる要因は乏しい。また、省エネについても、人口自体が1割近く減少する中、発電電力量を現状より1割カット(最終エネルギー消費量の約2割のカット)しても、1人当たりに換算すると、現状と何ら変わりがない数字にほぼ等しく、意欲的とはとても言えない。

2.化石燃料の燃料費は、資料によれば年間約17兆円で、これは燃料購入のために17兆円が毎年海外に流出していることになる。その一部を国内の再生可能エネルギーの開発、普及に投資をすれば、我が国の企業の再生可能エネルギーの開発力の技術がアップし、国内雇用の創出にもつながる。すなわち、化石燃料の節約はマイナス要因ではなく、むしろプラス要因と考えられる面が大きく、その認識が明確に述べられていない。

3.どのシナリオを選んでも、廃炉の問題とともに使用済み核燃料の処理・処分の問題は残る。この選択肢を読む限り、どのシナリオをとっても必ず発生する廃炉や使用済み核燃料の問題に対する認識や危機感が誠に薄い。

4.国民的議論として、全国11箇所での意見聴取会開催があるが、わずか一月足らずと期間が非常に短く、参加できる人員も1会場あたり100-200と少数である。またパブリックコメントは、関係者からの組織的意見が多いことが指摘されており、必ずしも一般国民の意見を聞く手法としては適切ではない。今回もおそらく、原発推進の電力会社や関係業界、経済界から多数寄せられ、それが国民の意見とされる恐れが高い。さらに討論型世論調査は全国3000人に世論調査し300人で討論するが、わずか一回の実施である。そして何より、出てきた国民の意見をどう政策に反映するのか、しないのか、政策決定プロセスは全く不明である。国民的議論というにはあまりにお粗末である。

5.今回の東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓は、原子力発電所は一度(地震であれ津波であれ、あるいはテロなどであれ)深刻な事故等が発生すると、国民生活や健康等に与えるインパクトは極めて大きく、さらに、長期にわたって、除染なども含めた膨大な事故処理と、被害を受けた人々に対する賠償が発生し、東京電力ほどの大企業ですら破綻してしまうということである。そもそも選択肢を考える場合、こうしたことがもっとも基本的な考慮事項と考えられるが、それに対する配慮、言及がまったく選択肢に書かれておらず、あたかも福島の事故がなかったかのごとき印象を与えるのは遺憾である。
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by JAES21 | 2012-07-17 17:29 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(0)
持続可能な環境文明社会の提案

原発問題、被災地のがれき処理問題、雇用等、早急に解決しなければならない問題が山積する昨今、ますます人々の関心は短期的なところに向きがちである。
これらは私たちの生存に関わる問題故、それは当然のことであろう。

しかし、“今”だけを見てこうした問題に向き合うことと、少なくとも20年30年先を見据えて現実の問題に向き合うのとでは、おのずと解決の道筋は異なる。

「環境問題は文明の問題である」という基本認識のもと、私たち環境文明21は、“社会の羅針盤であり続けたい”と願って19年間活動を継続してきた。
そして、この度、その活動の一つの集大成として、『2030年 持続可能な環境文明社会』を発表した。


その内容は、

・持続可能な社会とは、どのような社会か?
・そこで大切にされる価値はどのようなものか?
・社会基盤である、政治、経済、技術、教育の理想像とそれを実現するための戦略は?
・私たちの暮らしとそれを実現する方策は?

など、多岐にわたる。

しかし、環境問題を、人々の生き方や社会経済のあり方も含む文明の問題として考え続けてきた私たちの提案は、必ず、これからの日本社会そして人々の“羅針盤”になりうると信じている。

是非、これを一つの参考に、日本の国はもとより、「うちの地域はこんな地域にしたい」「そのためにこんなことをやってみよう」という動きが、全国に広がってほしいと切に願う。

厳しい現実だからこそ、『夢と希望』をもって!!

詳しくは、こちら『環境文明社会』をご覧ください。

報告書は、リンク先の最下段【関連資料】に収録しています。
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by JAES21 | 2011-12-12 10:34 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(0)
今こそ、原子力発電について学び、議論しよう
福島第一原子力発電所の事故は、地震とそれに伴う津波が誘発したものとはいえ、原子力発電には大きなリスクがあることを、改めて明らかにしました。
その一方で、この災害で、現代社会における電気の有難さにも、改めて気付かされることとなりました。

電力は、私たちの便利で快適な生活の基盤です。この機会に、電力の多く(日本全体で約30%)を賄っている原子力発電について、もっと学び、みんなで考え、判断することが大切です。

環境文明21では、数年前に「原発建設に賛成?反対?」のディベート式eラーニングを教材として開発しました。この教材では、原発についての賛成意見や反対意見の全体を知り、自らも考え、参加できるようになっています。原発について様々な意見がある中で、私たち一人一人が、どう判断し選択するか、そのための力をつけるものです。
是非、この機会に、原子力発電について学び、みんなで話し合ってください。

【クラスやグループでの学び方の一例】
①eラーニングで、原子力発電をめぐる様々な意見があることを各自で学びます。
②そのあと、みんなで、原子力発電所が私たちの生活や経済活動に与えるメリットやデメリット、課題などについて整理します。
③それらをもとに、みんなで、生活や経済活動に必要なエネルギーはどれくらい必要なのか、それらをどのような方法で賄っていくのか、その場合原子力発電は必要なのか、原子力発電以外の方法(例えば、風力や太陽光、バイオマス発電などの再生可能エネルギー)の可能性など、意見交換してみましょう。

デモページ公開中
ページ中程『体験デモを行う』をクリックで、開始します。

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大きな危機の中で、より多くの方々にこのeラーニング「原子力発電」を体験し考えていただきたいとの思いから、WEB版として、通常より大きく価格を下げてご提供することと致しました。

環境文明21WEB上で、ご入金から半年間¥1,000/1人にて、ご使用いただけます。
また、1,000円の内200円をこの度の原発事故で被災された方への義援金として役立てます。
寄付の宛先につきましては、事務局内で熟考の上、決定し、速やかにWEB上でご報告させていただきます。

なお、当面はこの価格でご提供させていただきますが、状況に応じ変更する場合がございますことご了承ください。
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by JAES21 | 2011-03-29 16:31 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(0)
エクセレントNPO宣言団体第一号
「環境文明21」がエクセレントNPO宣言団体第一号に承認された。



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これは「言論NPO」という組織が評価基準を作り、優れた活動と組織運営をしているNPOを後押ししようという新たな試みである。NPOがNPOを評価し認証(?)することに対しては、どんな基準なのか、その基準は妥当か、誰が評価するのか、NPOの評価で信頼性は確保できるか、などなど賛否両論あるようだ。特にこれまで役所のお墨付きが絶対であった我が国では当然予測される反応である。そして申請した私たちも、前述したような点に疑問を全く持たないわけではない。しかし、新しい試みには必ず反論があるのが常であるし、それを乗り越えなければ新しいことは始まらないというのも常である。「言論NPO」自体が、この試みの目的と評価基準を明確にし、「私たちはこうした基準でこんな方法で評価した」ということを、自信を持って表明すれば、問題ないというのが私たちの考えである。何より、役所のお墨付きではなく、NPOがNPOを評価する基準に合格したことが認められれば、こちらの方がよほど公平・公正な目での評価ではないかと思う。

ただし、今回は「エクセレントNPOを目指す宣言団体になった」ということで、実際のエクセレントNPOになるには、さらに第1段階あるとのこと。NPOらしく、しがらみにとらわれない明快かつ公平・公正なしくみで、世のため人のために本気で活動するNPOを応援するものになってほしい。
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by JAES21 | 2011-03-03 14:46 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(0)
不作為のツケは誰が払うのか?
 これまでの温暖化対策を巡る国内での議論を見ていると、温暖化の科学や原因論、京都議定書は欠陥条約、基準年は不公平、EUの排出量取引は効果なし、自主行動計画で十分などの諸点に力を入れすぎ、あまりにも時間を浪費しすぎた感が深い。
 京都議定書により日本は今年度から5年間、温室効果ガスの排出を現状レベルから12~13%削減した状態に維持する必要がある。問題はこの費用がどのくらいになるかだ。
 仮に超過分の排出枠を外国から買い取ってオフセットしようとすると、CO2の値段がまず問題となる。CO2トンあたりの取引価格は、EU市場で現在29ユーロ(4700円)前後であるが、価格は上昇気味。ということは、1%の超過分(1260万トン)の価格は、現時点で約600億円程度に相当する。従って、例えば10%超過すれば、その年間の潜在費用は、概ね6000億円前後となる。

 もちろん、この金額全てが取引によって、外国に流出するわけではない。超過分のうち、日本の森林管理がしっかり行き届いていれば、上限値で3.8%分は森林の吸収分とすることが出来る。家庭やオフィスで省エネが今よりも大幅に進めば、削減も期待できる。また、鉄鋼・電力などの民間企業はすでに数年前から海外の排出枠をCDMなどの手法を使って、購入しつつあるので、先の年間6000億円の全額を税金で持つわけではない。
 しかし、森林吸収分3.8%は、1990年以来きちんと管理している森林についてのみカウントされるので、森林荒廃の現況を考えると3.8%は無理で、せいぜい半分位ではと見ている専門家は少なくない。今のままの制度下で、家庭やオフィスの大幅省エネ実現を期待するのは、無理がある(それが可能なら、これまでに実現している)。

 こう見ると、今後5年間に亘って、民間CDM分を含め毎年数千億円程度の費用を、中国、ハンガリー、ロシア、ポーランドなどから買ってくる事態に追い込まれる。今、高齢者に対する医療費など社会保障費を2200億円程度、圧縮しようとして政府・与党は四苦八苦しているのに、毎年、数千億円規模の金が海外にただ出てゆくのは何ともやり切れない。
 この膨大な日本の資金の海外流出(出血)の恐れを前にすると、電力、鉄鋼などの有力業界が経団連のなかでの強力な抵抗勢力となって日本の排出削減に必要な排出権取引や環境税の導入、再生可能エネルギーの利用促進に消極的であったが、それは一体何のために、誰のために強く反対してきたのであろうか。資源、燃料高騰とともに、排出枠買い取り経費が、自分の業界だけでなく、最終的には国民に膨大なツケが回ることを承知で反対していたのだろうか。
 もっと早くから必要な制度を導入し、積極的に対策を取って、議定書からの超過分を少しでも減らしていれば、不必要なお金を外国に払わなくて済むだけでなく、国内の環境産業や技術の活性化に回るのにと残念でならない。

 業界と経産省とが強い抵抗勢力となって対策を遅らせたことへのツケとして、国民や企業に跳ね返ってくる膨大な費用負担に加え、異常気象による被害が拡大し、たくさんの方が苦しむコストも近未来には発生するであろう。当面の京都議定書を達成するための排出枠購入費用だけでも、本来であれば、国内の技術開発や環境ビジネスの拡大、森林の管理さらには福祉や教育などに回すべき費用なのだ。
 このことの政治的責任が厳しく問われる日も遠からず来るだろう。

加藤三郎、藤村コノヱ

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by JAES21 | 2008-08-21 15:54 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(0)
むしろ「環境文明社会」の構築を
福田内閣になって、「低炭素社会」が強調されるようになった。
温暖化対策の旗印としては、「低炭素社会」は決して悪くない。
しかし、日本が目指すべき社会が「低炭素社会」だと言われると、低炭素、すなわちCO2を低減させるだけでよいのか、というのが私たちの基本的な疑問だ。

20世紀型の化石燃料を駆動力とする文明から、今世紀には、自然環境や伝統的知恵とも調和する文明、つまり「環境文明」へと転換する必要がある。

その環境文明社会の特徴は、政治的には民主主義、経済的には市場経済を基盤としつつも、物質的には、脱化石燃料と省物質を追及し、再生可能な資源エネルギーを積極的に活用し、水、森林、土壌など生き物を含む自然環境を持続的に保全する社会。
文化的には、教育や福祉に重点を置き、次世代を安心して育てられる社会、さらに宗教や伝統文化を含む文化活動を尊重し、多様性を尊び、個性の違いに寛容である社会。
そして、社会経済的には皆がほどほどの生計を営み、働くことに喜びや生き甲斐が持て、地域的にも適度に分散されており、農林水産業の活力を維持できる社会。

そのような社会を「環境文明社会」の特徴と私たちは考えている。

加藤三郎、藤村コノヱ
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by JAES21 | 2008-07-15 12:13 | 共同代表が斬る | Trackback | Comments(1)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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