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理科教育を早急に充実すべきだ
今から10年近く前に発刊された立花隆さんの『脳を鍛える』という本を読んでいたら、次のような一節があり、いつまでも記憶に残っている。
「現代社会において、それほどサイエンスとテクノロジーが中心的な役割を果たしているというのに、文系の人の知識は驚くほど低い水準にあります。特に、高校で文系の人に対する理科教育の水準が切り下げられてから、また文系の入試で理科の科目がほとんど無視されるようになってから、それはあきれるほどひどいものになっています。これはとんでもないことです。現代の経済が科学技術によって支えられていることを考えたら、ほとんど、日本を滅ぼすに等しいことと言えます。」

この「国を滅ぼすのに等しい」という表現は、少しオーバーではないかなと当時は思ったものだが、原子力や放射線を巡る昨今の日本の騒動を見ていると、まさに立花さんの言う通りであると、改めて思い出しているところだ。

原子力発電については、少なからぬ専門家が様々なリスクを警告していたのに、それを無視した原子力ムラの人たち。その原子力ムラの言説に安易に乗った政治家や国民。それが、あの事故が起きてからは、一転して、放射線恐怖症。
例えば、食品安全基準をどんどん引き下げ、ついには、あるスーパーなどは極めて不自然な「ゼロ」レベルまでを導入する始末。

自然放射線も考えると、ゼロレベルの作物や食品など考えられないのに、それに振り回されて、右に左に走っている消費者とそれに対応せざるを得ない生産者の苦悩を見ると、やはりこれは国を滅ぼすことになるのかなと思わざるを得ない。

地球の温暖化など、私もこの20年、警告を発し続けている。
しかし、一般国民に理解できる形での決定的な被害がないだけに、政府も、多くの事業者も、一般国民も温暖化に対しては無防備に近い状況だ。例えば東京湾を強烈な台風が襲撃し、多くの人命を伴う被害を出して、初めて気づくことになるのだろうか。

いずれにせよ、好むと好まざるとに関わらず、科学技術の時代に生きている以上、その科学技術の持つ利点も限界もしっかりと理解した上で、日々判断していくことが必要である。
そのための基礎力として理科教育は極めて必要であり、早期に充実すべきものであると痛感している。
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by JAES21 | 2012-04-12 14:12 | 加藤三郎が斬る
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環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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