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  環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

脇を固めないと・・・。
発電・送電分離論が出ている。

もう15年程も前になるが、ドイツのフライブルグ郊外にあるシェーナウという人口2,500人の小さな町を訪問した。ここは、チェルノブイリ事故を受け、「原発のない未来のための親たちの会」を地域の女性たちが結成し、最終的には市民発電所を創り上げたことで知られていたからだ。当初は省エネの啓発活動を行っていたが、持続可能な未来のためには、節電だけでなく、太陽・水・風力・コジェネなどの持続可能な電力供給が必要と考え、グループのメンバーがドイツ全土の国民の支援と寄付を得ながら、電力会社とも闘い、市民独自の電力供給のための「シェーナウ電気供給網買収組合」、そして「シェーナウ電気事業所」を設立したのだ。

この活動がうまくいった理由として①原発被害を心配する親たちの中に活動をリードするリーダーがいたこと、②活動を支える市民の環境意識が高かったこと、そして③団体への寄付が税金控除の対象であり活動資金が得やすく、連邦自然保護法によりエネルギー政策に関して市民団体の発言が法的に認められており、住民投票が法的拘束力を持っているなど、まさに市民の力を活かす社会システムが整備されていたことが挙げられよう。

それに比べて、日本では10電力が独占的に電力供給権を握っているうえに、エネルギー政策に対して市民はもとよりNPOにさえ法的に保護された発言の場はなく、一部の利害関係者により全てが決定されている。NPO・市民社会への理解と支援もまだまだである。

脱原発、発電・送電分離論の方向はいいし技術力ある中小企業の発展につながると思うが、それを実現するには、市民社会を強くするための政策も併せてやっていかなければ、たちまち従来のエネルギー関連利権グループ(特に「原子力村」)に打ちのめされてしまいかねない。

脇を固めることを忘れないでほしい。
by JAES21 | 2011-05-19 13:46 | 藤村コノヱが斬る
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環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
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