公立小中学校の教員のうち、非正規教員が全体の15.6%もいることが報じられた。
人件費抑制のため給与水準の低い非常勤講師を年々増やした結果だという。
非常勤講師が必ずしも悪いわけではない。
中には、正規の教員よりずっと熱心に教材研究に取り組み子供たちと向き合っている人がいることは確かで、実際に私の周りにもそうした人はいる。
しかし、非常勤では、中長期的な指導ができず、その場限りの教育になってしまう可能性は高い。人を育てるには時間がかかる。まして、子どもとの信頼関係の上に真の教育が成り立つことを考えると、非常勤というのは決して望ましい姿ではない。
政権が代わり「コンクリートから人へ」のコンセプトはよかった。しかし、将来の日本を担う子供たちの教育に国に財政難のしわ寄せを持ってくるなど、とんでもない話である。今回のこの数字は、この国の大人たちが、いかに教育の価値を軽視し、将来世代のことを考えていないかを如実に表す数字である。GDPが中国に抜かれたことより、もっと恥ずかしい数字に思える。