国民の大きな期待のもとに発足した鳩山政権もわずか9カ月足らずで終焉を迎え、菅さんがその後を引き継ぐことになった。
温暖化対策基本法はどうなるのか、今のところ少しも新しくない「新しい公共」政策はどうなるのか、などなど、不安要素は山積みだか、そうしたことは別途記すとして、「無駄遣い」について少し述べたい。様々な仕分けが行われ、その方法には若干の異論があるものの、これまで公然と使われていた明らかな無駄が削減されたことは意味がある。しかし、その一方で国会議員は自らの無駄を削減することを忘れているように思う。政争に明け暮れ、国会議員の最も大きな責任である国会での政策審議をまともにならない、審議が遅れれば安易に国会会期の延長をする、そしてなにかあれば解散選挙を叫ぶ。こうしたこと自体、国民の目から見れば大きな無駄である。1日国会を開催するのにどれだけのエネルギーとコストがかかるか、選挙にどれだけの税金が投入されるか、はっきりした数字は分からないが、かなりの費用がかかっているはずである。
国会議員の削減や仕分けで廃止になった事業を本当に廃止するには様々な手続きが必要である。しかし、国会議員がもたらす無駄を省くには、国会議員自らが変わればいいのである。すなわち、国会の期間内にしっかりした審議をする、選挙選挙で明け暮れるのではなく与野党ともに国民が求めている政治、持続可能な社会に向かう政治を責任を持ってやる、そうした議員としての当たり前の姿に戻ればいいだけのことだ。「隗より始めよ」である。