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  環境文明21は、環境負荷の少ない持続可能な環境文明社会の構築を目指す環境NPOです。
  

オリンピック報道の陰に隠れて・・・


日本選手の活躍で盛り上がったリオ・オリンピックだが、その間にも世界では戦乱が続き、日本を取り巻く環境も刻々と変化している。


そうした中、北朝鮮や中国の海洋進出への危機感からか、防衛庁は来年度予算の概算要求で、過去最高の5兆1685億円の計上を決めた。前年度当初予算に比べ2.3%増で5年連続の増額だという。また本日付の報道では、政府は2016年補正予算として4兆円ほどを計上し、その多くを経済対策に充てるという。

日本政府の赤字国債は1000兆円にも上り、財政再建は緊急課題であるにもかかわらず、こうした施策を見ていると、現政権は、財政再建は既に諦め後の政権にお任せなんだと思えてくる。


一方、今年の夏も西日本では連日35度を超える猛暑日が続き、以前は梅雨や台風とは無縁と考えられていた北海道では台風による暴風雨が続いている。今後、農業被害等の深刻化が予想され、私たちの暮らしにも野菜の価格高騰など直接的な影響が出るだろう。10年20年前から、我々NPOや科学者が警告してきたことがまさに現実の脅威となっており、この流れは、激化こそすれ、今すぐに対策を講じない限り、改善することは全く期待できない。


しかし、気候変動に対する危機感はまだまだ低く、猛暑や暴風雨が頻発する中でも、これらと気候変動とを結び付けた報道はほとんど見られないし、政治家の口から語られることもない。仮想敵国に対する備えも必要かもしれない。しかし、気候変動に伴う異常気象は、多くの人々の生命・財産を脅かし、既に被害が続出していることを考えると、日本政府の対応は、「危機感の欠落」という言葉では済まないほどの「無責任の極み」である。


「国家100年の計」が重要と言われるが、近年は、政治家も官僚も企業家も、そして国民の間にも、近視眼的見方が蔓延している。

教育は国家の礎、環境は生命と社会経済活動の基盤である。同じ経済対策への投資であればグリーンな経済活動に予算を投じるなど、中長期的視点で、私たちの大切な税金、限られた予算の投資先を何にすべきか、もう少し知恵を絞るべきである。




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# by JAES21 | 2016-08-23 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
多様な若者像
ここ2週間ほど、新聞やテレビなどのマスメディアから流れてくる情報は、オリンピックと高校野球などスポーツ関連一色の感が深い。悲惨な戦争や卑劣なテロの流血ニュースがトップを占めるよりは遥かにましであり、大歓迎である。

連日、賑わせているオリンピック競技では、日本の若者の活躍振りに、スポーツには縁遠い私まで、大いに興奮させられ、喜ばされている。これまでのところ、今回のオリンピックでは、おそらく大方の日本人の期待以上に多くの競技で、若者たちは好成績をあげているのではないだろうか。頼もしい限りで、日本もまだまだ大丈夫かなという思いを強くしたのは、高齢者の私にとってこの夏のうれしいプレゼントだ。

そのような最中の13日付の読売新聞は、全国の18、19歳を対象に先月の参議院選挙に関連した世論調査の結果を報じている。スポーツ関連記事のなかで埋没してしまった感もあるが、私にとっては興味深い結果を示している。特に感じ入ったのは、参院選で重視した争点への回答(3つまでの複数回答)である。高い順にあげれば、「景気や雇用」が52%、「医療や年金など社会保障」が34%、「憲法改正」26%、「教育問題」25%であるのに対し、「環境問題」9%、「人口減少対策」7%、「エネルギー政策」6%と、この3つの項目は、各段に低い評価となっている。

私にとってこの結果は、若者にとっても足元の景気と社会保障問題は重視するが、中長期的にみれば、今の若者世代に極めて影響を与える環境問題・人口減少・エネルギー問題に対する関心がかなり低いことが気になる。

若者に限らず、現在の日本人は最早政治に中長期的な視点にはほとんど関心を示さず、もっぱら足元の経済問題に関心を寄せる結果、日本の政治はますます短期的な視野となり、本来重要な、時には苦渋を伴う増税のような話は常に先送りされる傾向にある。18、19歳の若者にとっても同じような傾向をこの世論調査が示している。

このような結果が出たのには、我々大人の生き様や教育に大きな欠点があると考えさせられたわけだ。もちろん、この世代だけで200万人を超す若者全てがこのように考えているわけではなかろう。また、大人と一口に言ってもその意識や見方は様々だが、私としては、今回のオリンピックで見られるようなファイティングスピリットやそこに至る精進の重要性と同様、中長期的な将来に向けての視点は特に若者には欠かせないのではないか、その視点が、今回の読売の調査結果を見る限り、弱いのではないかというのが気になったところである。
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# by JAES21 | 2016-08-16 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
子どもの今と将来を、最優先に考えて!
2020~22年度から始まる小中高校の新しい学習指導要領案が公表された。高校で「公共」が導入されるなど良い面もありそうだが、一見して「大丈夫か?」という疑問もわく。
例えば、小学校高学年で、これまで「外国語活動」とされていた「英語」が一つの教科に格上げされる。(そのこと自体にも多様な意見があるが、)その結果して、他教科と合わせた総時数は、事実上限度とされる現在の年間980コマ(一コマ45分)を超える1015コマになり、既に、夏休み短縮や土曜授業、休み時間も学習に、といったことになりかねないという懸念も出ているという。
それでなくても、世界で一番忙しい日本の教師はますます忙しくなることが予想され、指導力の低下、健康問題、教員希望者数の減少にもつながりかねない。

一方全国の公立小中学校では、2年後に退職する教員数がピークを迎え、中学校では新卒で学級担任をする教員が6割を超えているという。現場経験の少なさは、単に学習指導力だけでなく、学級運営の面でも懸念される。児童・生徒との関係だけでなく、保護者との関係(モンスターペアレントなど)も以前とは全く異なる状況の中で、教師への負荷は大変なもので、経験不足の教師に乗り切れるかどうか、心配である。

こうした心身ともに大きな負荷がかかる教師のこともさることながら、それ以上に心配なのは、子供たちへの影響である。
教師の質の低下は、教育の質の低下にもつながる。(フィンランドでは、教師は修士号取得を条件とし、その質の維持向上に努めている。)
また、時数の増加は、それぞれの発達段階で必要不可欠な、遊ぶ時間、自らが深く考え学ぶ時間、他者と直接交わり視野を広げる時間などが塾やゲームやSNSなどで少なくなっている現状を、さらに助長し、時間に追われる生活を子供たちに強いることにもなりかねない。時間に追われる生活が決していい結果を生まないことを、大人は既に経験しているはずなのに、である。

日本は、GDPに占める教育への公的支出がOECD加盟国中最下位にある。
「ゆとりの教育」への批判が今回の時数増につながったようだが、教師の現状、子供たちの発達段階への配慮、将来的な影響に対する議論も備えも十分に尽くされないままに、時数だけ増やしても、決していい結果は生まれてこない。
子供たちのために、そしてこの国の持続性の為に、もっともっと、教育に「お金」と「時間」そして「人手」と「愛」をかけるべきである。
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# by JAES21 | 2016-08-02 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
米大統領選における気候変動問題の行方
候補者の戦いが連日熱く繰り広げられている。

アメリカの大統領選と言えば、共和党、民主党とも各州毎の予備選を入れると、ほとんど1年に及ぶ長い過酷な選挙運動ということになるのだが、今回の大統領選挙は異例づくしと言ってもいいのではないだろうか。

異例の第一の理由は、言うまでもなく、不動産王と呼ばれ、公職選挙で選ばれた政治経験がないドナルド・トランプ氏の型破りな言動である。最初の頃は、アメリカとメキシコの国境に大きな壁を作り、その費用はメキシコに持たせるとか、イスラム教徒の入国を禁止するとか、女性に対する侮辱的な発言とか、物議を醸す発言を繰り返して注目されたが、そのような言動は、これまでの選挙運動中、基本的には一切変わらず、共和党の正式大統領候補となった。その過程も、紆余曲折あったが、既得権益層を、言葉を選ばず攻撃している。特に共和党が長いこと大事にしてきた「自由貿易」に対し、国内の雇用を奪うなどの理由で、極めて否定的な意見を述べ、さらに移民に対しては厳しい立場を維持し、アメリカ第一主義を高らかに宣言している。しかも、競争相手に対しては、党内・外を問わず、悪口雑言、中傷発言を厭わず、極めて攻撃的な姿勢を貫き、共和党の正式候補者にたどり着いた。

一方、民主党のヒラリー・クリントン氏は、言うまでもなく、かつての大統領夫人であり、上院議員も務め、オバマ政権では国務長官を務めるなど、華麗と言ってもいい政治人生を過ごしてきたが、そのヒラリー氏に対し、トランプ氏は、言葉を選ばず、例えば既得権益層の「あやつり人形」であり、彼女は大企業の言いなりになっていると決めつけ、国務長官時代のメール問題なども激しく批判している。

このような悪口雑言の批判ではなく、私がぜひ聞きたいのは「環境・エネルギー政策」だ。当ブログでも紹介したと思うが、5月末にはトランプ氏は、「パリ協定」は拒否すると明言している。トランプ氏に限らず、アメリカの共和党のなかには、温暖化対策に極めて消極的…というよりむしろ否定的な人も多いので、せっかくオバマ大統領が苦労を重ねてたどり着いた「パリ協定」の発効も、難しくなることを恐れている。

一方、クリントン氏のほうは、もちろん、「パリ協定」を拒否するなどとは全く言っておらず、むしろ、気候変動対策を推し進める立場であるが、現時点で両者の間で、この重要問題をめぐる本格的な論戦は私が知る限りは無い。

日本の今回の参議院議員選挙でも、気候変動問題に対するまともな議論が無かったことを考えれば、無理もないことかも知れないが、それにしても人類の運命は、「パリ協定」をどう実施していくかに掛かっているかを思えば、この問題に重大な関心を寄せる世界中の人々が固唾を飲んで注視している筈だ。

11月8日の本選挙まで、あと3か月半ほど。
両党の大統領・副大統領候補が正式に決まった今、気候変動対策を含む持続可能な社会をどう作るかについても本格的な論争を期待したい。
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# by JAES21 | 2016-07-26 17:46 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
諦めてはいけない
参院選の結果については、前回、加藤共同代表が述べた通り、予想はしていたが、あれほどの差が出るとは・・である。

大勝の結果を受け、安倍総理は自慢げに「国民のご支持を頂けた」と述べた。
しかし、多くの国民が積極的に支持したわけではないことは、次のような数字が示している。

例えば、投票率は54.70%と第1回目以降4番目の低さである。また朝日新聞が行った選挙直後の世論調査では、与党勝利の理由として、「野党に魅力がなかった」とした人が71%で、「安倍総理の政策が評価されたから」の15%を大きく上回っている。要は、政治に魅力がないから投票に行かない、野党に魅力がないから「まだまし」な方に投票したという、ある意味で国民の素直な気持ちが表れた選挙結果である。

そのことを安倍政権はしっかり認識すべきだが、これまでの、“選挙前は経済、選挙後は憲法改悪”といった二枚舌的、かつ、自己の信念に過度に執着するやり方を見ていると、そんな謙虚さは望めそうにない。
クーデター騒ぎで、トルコのエルドアン大統領が注目されているが、初めての国民投票で大統領になった彼が、徐々に強権政治に向かう姿と、安倍政権とが重なって見えるのは、私だけではないように思う。

一方、野党も、アベノミクスが間違いであれば、それに代わる新しい経済の姿を示すべきで、それができないのでは、「魅力的な野党」には成り得ない。
また、憲法改正に関しても、「ダメなものはダメ」だけでなく、例えば、「9条は絶対に変えない」けれど、「気候変動への対応など時代の要請に応えるべきところは検討しよう」といった議論を展開しなければ、『憲法=9条』といった狭い認識と議論から何も進まなくなってしまう恐れがある。

しかし、政治家は、自らは変わろうとしないし、変われない類の人たちである。
それを変えるのは、やはり、私たち市民、特に“気づいている市民”しかいないように思う。
持続可能な社会からますます遠のく現状、政治家の不甲斐なさと市民の政治意識の低下に失望の連続だが、諦めてはいけない、と自らに言い聞かせるこの頃である。
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# by JAES21 | 2016-07-19 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
参院選の忘れ物

参議院選挙が行われ、ある程度予想されていたことではあったが、やはり、自民・公明の与党が力を伸ばし、野党は、思ったほどの伸びは得られなかった。私自身も、この結果はある程度予想していた。なぜなら、野党側は、アベノミクス是か非か、あるいは憲法改正勢力の3分の2阻止などを争点として掲げて戦ったが、アベノミクスに変わる新しい経済の姿は、全く提示出来なかったし、憲法改正を大騒ぎしても、どこをどう改正するのかさえ、議論が全くない中での憲法議論では、多くの国民にとっては迂遠な問題であったであろうからである。

また、非常に残念なことであるが、参議院選挙では、気候変動対策は、話題にすらならなかった。世界中で、異常気象現象が頻発しており、それに対応するため、脱化石、すなわち化石燃料中心のエネルギー構造を再構築することを迫る「パリ協定」が合意されたにも拘わらず、である。おそらく日本では、気候変動問題といえば、気象の専門家やお天気キャスターの問題ぐらいでしか、捉えられていないのかも知れない。また、我々、気候変動に重大な関心を寄せる者が、「これは単なる気象問題ではないのだ、経済、価値観、ライフスタイルに係る問題だ」ということを多くの人に説得することが出来ていなかったことにもよるだろう。

今年の5月、安倍内閣が閣議決定した地球温暖化対策計画は、2030年までに2013年比で26%削減という中期目標を掲げた。残り時間わずか17年程で、日本の温室効果ガスを26%削減し、特に家庭部門や病院・学校・レストラン・ホテルなども含む業務部門は、ともに40%近く削減しなければならないと決めている。2050年に掛けては80%削減だ。

この内容は、極めて重要だ。
なぜなら、再生可能エネルギーの大幅普及とともに省エネ技術や蓄エネ技術の開発・普及にも大きく関わってくる。さらに言えば、我々の価値観、ライフスタイル、さらに交通・運輸など、まさに日本の経済全体の姿を相当大幅に改変しなければ、達成出来ない目標だからだ。

しかも、現在、政府与党は、原子力発電所の再稼働や、石炭火力の新増設を許容しようと動いている。この動きとパリ協定下で必要とされる日本の温暖化対策との間で整合性が明らかに取れていないのにもかかわらず、野党も与党も、今回の参議院選挙で、原発再稼働是か非かといった程度の問題でしか話題にしなかった。

一口で言えば、「パリ協定」下での気候変動対策がもたらす日本の経済構造全体の再構築、そして、それを可能にするための国民の意識価値観の大変革を伴うような大規模な経済政策論争を仕掛けられず、単にアベノミクスがいいか悪いかといった程度に矮小化してしまえば、勝負は初めからついていたようなものだろう。

今後、参議院選挙後の国会が再開されれば、憲法改正問題が、改めて浮上してくるであろう。私たちは日本国憲法のなかに気候変動対策などを視野に入れた「環境原則の憲法への導入」を提案しているが、これもまた、「環境権」是か非かだけでなく、経済社会そのものの再構築を目指す、大きな視点のなかで議論してほしいし、私たちもNPOとして頑張らねばと改めて思っているところだ。
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# by JAES21 | 2016-07-12 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
一票の重さに責任をもって
イギリスではEU離脱決定後の混乱が続いている。
その中には、EUのこともあまり知らず、離脱派の間違った情報を鵜呑みにして投票したことを後悔する人たちも多数いるようだ。

例えば、離脱派は、投票前はEUへの拠出金が約480億円/週と巨額で、それを国民医療サービスに、と訴えていたが、投票後はその額が3分の1程度であることを認めた。また、離脱の先頭に立っていたジョンソン議員は、投票後、早々と次期党首選から撤退した。

こうした姿やアメリカ大統領選を見ていると、政治家のウソと豹変、倫理観のなさは、日本に限ったことではないようで、それが世界の混乱をさらに助長しているように感じる。

その一方で、この混乱から、私達日本人が学ぶべきことは多い。

例えば、今週末の参院選では、アベノミクスが一つの争点だが、聞こえてくるのは、成功した、いや失敗だ、といった内容ばかり。成功と言うなら成功の根拠を、失敗ならその根拠とそれに代わる経済政策を示す必要があるが、それが明快でない現状では、イギリス同様、国民は現状に満足または不満、といった感情論で投票してしまう恐れがある。

「刹那的な国民の気持ち」を衆議院に、「継続的な国民の気持ち」を参議院に代表させる、と言われるように、衆院と異なり、参院の役割は、中長期視点からの政策を専門的観点から深め構築することである。途中解散がなく六年の任期が保障されているのもそのためである。国民もその違いを踏まえて、投票する必要がある。

そのために、せめて、自宅に送られてきた選挙公報をしっかり読む、候補者のこれまでの経験と“専門性”をこれからの日本にどう生かそうとしているかを読み解く、心地よい上っ面の公約には騙されない、そして何より、私の一票が日本を変えるという責任の重さをしっかり自覚して、投票しようと思う。
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# by JAES21 | 2016-07-05 14:39 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
本物の乱気流に突入した世界

今世紀に入るとすぐに、ニューヨークやワシントンで、イスラム過激派集団アルカイダによる同時多発テロが実行され、アメリカの富や軍事力の象徴となる建物が攻撃にさらされ、甚大な人的、物的被害を被った。当時のブッシュ大統領はこれを新たな戦争と呼び、「テロとの戦い」を宣言し、アフガニスタンやイラクでの本格的な軍事侵攻に繋がった。

それから十数年。先進国では、アメリカの都市だけでなく、ロンドン、パリ、マドリード、ブリュッセルなどの大都市とそこに生活する普通の人々がイスラム系テロリストの標的にされた。欧米の先進国では、いつ、どこで何が起こるか分からない不安が人々の心に忍び込んでいる。

過去15年間の特色は、西洋の民主主義・資本主義国が数世紀に亘って大事にしていた価値に対し、そこから疎外されていたイスラム系の過激派が攻撃対象とする類の戦いであった。しかし、去る6月23日、キャメロン首相が仕掛けたEUへの残留か離脱かの国民投票は、わずかな差とはいえ、離脱が上回ったために、イギリスのEUからの離脱が事実上決定してしまった。この衝撃は極めて大きく、イギリス国内だけでなく政治的に経済的に世界中を巻き込む大津波となって、各国を襲いつつある。日本にとっても例外ではなく、円がドルやユーロに対して高騰し、株価が下がるといったようなことが生じている。

この出来事の特色は、イスラム過激派が仕掛けたものでも何でもない。ヨーロッパの資本主義や民主主義の本流中の本流にいる人が仕掛けた政治的試みが、思わぬ結果を引き起こしたものだ。世界の政治経済が、まさに歴史的な乱気流に見舞われていると言っていい。まず、イスラム過激派によって引き起こされた21世紀の乱気流が、これまで数世紀に亘って、西欧社会のメインストリームを形作っていたエリート達によって増幅された格好だ。その結果もエリートを含め、政治・経済上の様々なシステムを乱気流に巻き込んだものであると私はこの現象を解釈している。

しかしながら、本物の乱気流は、すぐにでもやってくる。それは、「気候変動」という乱気流だ。実際、イギリスで国民投票が行われた日も、ロンドンの一部では1mほど浸水したところもあり、選挙にも行けなかった人が沢山出たという。同じ頃、中国では大竜巻が発生し、アメリカでは、西部では大山火事、南部から東部にかけては大雨による洪水が発生している。この異常気象という乱気流は、先進国、途上国、イスラム諸国を問わず、全てに襲いかかっているが、残念ながら、まだ、これへの警戒感も対処も十分でない。

この気候変動がさらに牙を剥いて人類社会に襲いかかれば、最早、イスラムのテロや株価の乱高下どころの話ではなくなる。この被害を少しでも軽減するために、昨年の暮れに190ヶ国を超す国によって合意されたパリ協定が一日も早く発効され、この人類社会を巻き込む本物の乱気流に備える体制が早急に出来ることを私は強く願っている。
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# by JAES21 | 2016-06-28 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)
しっかり選んで!!
国内では参院選、都知事選、海外ではアメリカ大統領選、イギリスのEU離脱の可否など、市民の理性が問われるイベントが目白押しである。

そんな中、国内の政治家の体たらく、そして盛り上がらない参院選を見ていると、次の二点は注目に値する。
第一は、アメリカ大統領選で、民主党のサンダース議員は、打倒トランプではクリントン氏との連携を表明したが、最後まで自身の政策を訴え戦い続けている点。
第二は、殺人事件にまで発展したことは許されることではないが、離脱の可否を巡って国民が激論を交わしている点である。

参院選では各党がマニフェストを公表しているが、どれも目新しいものはない。
自民党に至っては、安倍政権の本丸である憲法改正にはほとんど触れず、またしても「景気回復」という常とう手段で乗り切ろうとする姑息さである。

こうした状況に、「何をやっても日本は変わらないとあきらめている」「このままでは日本は確実に沈没する。だから海外に出ようと思う」といった若者の声も聞く。
その一方で、「多くの国の若者が、自分たちで国を変えられる選挙権を待ち望んでいる。」という話を、世界をまわるカメラマンから聞いた高校生が、多くの高校生に投票を呼びかける活動を始めたという話も聞く。

18歳の選挙権、“この国を持続可能な国に変える”そんな思いで、しっかり判断して投票してほしいと思う。

ちなみに、皆が安心・安全に暮らせる持続可能な社会を目指して、日本の環境NPOが結集したグリーン連合では、参院選候補者がどの程度日本の将来を考えているかを知るために、アンケートを実施している。
その結果は明日グリーン連合のWEBで公表する。

是非それも投票の参考にしてほしい。
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# by JAES21 | 2016-06-21 17:30 | 藤村コノヱが斬る | Trackback | Comments(0)
オバマの苦悩

去る5月27日、当初、オバマ大統領の広島訪問においては、数分間の所感を発表するだけと思われていたが、実際には、改めて核兵器廃絶に向けての17分に及ぶ格調の高い演説があった。

広島・長崎市民だけでなく日本はもとより世界でこの問題に関心を持つ多くの人々の注目を集めた歴史に残る名演説であった。私などは英文と日本語の訳を見比べながら、何度も精読したものだ。読後の感想は、これはオバマ氏の“戦争と平和”論なのだと納得した。

その演説から一か月も経たない6月12日の未明。オバマ大統領の足元アメリカ・フロリダ州のオーランドという地方都市で銃器による大惨事が起こった。報道によると同性愛者が集まるナイトクラブに、アフガニスタン出身の両親を持つ29歳の男が一人で乗り込んで、なんと49人を殺し、53人にケガを負わせ、その男は、警察によってその場で射殺されたという。

銃による乱射事件が頻繁に起こっているアメリカでも、たった一人で自動小銃と拳銃だけでこれだけ多くの死傷者を出した事件は他に例が無いと言う。この事件を受けて、オバマ大統領は、早速声明を出し、アメリカにおける銃の規制を強化する必要性を改めて強調している。

広島では彼は、次のように述べている。「普通の人々は、戦争はこりごりだと考えている。彼等は、科学は生活をよりよくすることに集中するべきで、生活を台無しにすることに集中してはならないと考えるであろう。各国の選択が、あるいは指導者たちの選択が、この素朴な知恵を反映すれば、広島の教訓は生かされる。」と。

こう述べたオバマ大統領にとっては、核兵器どころか通常の兵器すらもアメリカでは未だに有効に規制することが出来ないでいる政治の現状に対し、恥じ入るばかりであろう。

銃の規制問題はアメリカにとって一筋縄ではいかぬ難しさを持っていることを私は理解しているつもりだ。それでも、やはりアメリカは、核兵器の国際的管理そして廃絶を目指すだけでなく、アメリカ国内においては通常の銃器をしっかりとコントロールすべきことをこの悲劇からの教訓とすべきではなかろうか。そうでないと、多数の犠牲者の霊は浮かばれなかろう。オバマ大統領の苦悩のほどが偲ばれるが、同時に政治家として銃器のコントロールへの道を敷いてほしいものだ。
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# by JAES21 | 2016-06-14 17:30 | 加藤三郎が斬る | Trackback | Comments(0)



環境文明21の共同代表「加藤三郎」「藤村コノヱ」の両名が、時事問題等を斬る
by JAES21
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